見出し画像

映画「シャザム!」感想 「少年ジャンプ」風な、ある意味理想的なスーパーヒーロー・ムーヴィー

どうも。

では、今日は映画評で行きましょう。これです。

現在、全米映画興行収入で1位を2週連続で獲得しているDCコミックの最新のスーパーヒーロー・ムーヴィー「シャザム!」。これのレヴューに行きましょう。日本でも今週末に公開はじまってしまいますしね。一体、どんなお話なんでしょうか。

早速あらすじから行きましょう。

(前略)いきなり話の核心に触れてしまうことがあるので、そこは省かせてください。

舞台は現代のフィラデルフィア。主人公ビリー・バトソンは、幼い頃に一手で育ててきた母親と群衆ではぐれて以来ひとりぼっちでしたが、14歳の時、養子を多く受け入れるフォスター・ファミリーに入り

そこで同じ養子仲間を得ますが、

中でも同じ年頃のフレディとは兄弟同然の仲になります。彼はスーパーヒーローに憧れる無邪気で心やさしき少年で、足に障害を抱えてもいました。

ビリーはある日、学校でいじめっ子グループにフレディがいじめられたの救ったあと、逃げるように地下鉄に逃げ込みましたが、やがて電車は見たこともないようなところにたどり着きます。

そこには、自身の後継者を求める年老いた魔法使いがいました。ビリーは彼から「チャンピオン(ふさわしい人物)」ということで魔法を託されます。それは、「シャザーム!」と叫ぶとスーパーヒーローになれる、というもので

ビリーはいきなり大人のスーパーヒーロー(ザカリー・リーヴァイ)に変わってしまいました。

ビリーは判別が全くつかない姿に変わってしまいましたが、フレディはそのことを理解し、ビリーがいきなりコンビニ強盗を軽くいなすと、興奮し

大人ぷってビールで祝杯と行きます。

不思議な力を持ち、世間も注目してくれることに興奮したビリーは、スーパーヒーローとしての力量をストリートで示すことで「見世物」として小銭を稼いでいきますが

背後には手強いヴィレン、ドクター・タデウス・シヴァーナ(マーク・ストロング)が迫っていました。彼もかつてはシャザム!にチャンピオンとして目をつけられたことがあったのですが、ふさわしくない人物に過ぎず、結局、「悪」として生きてきたのですが、そのパワーたるや恐ろしいもので・・。

・・と、ここまでにしておきましょう。

これはですね

原作そのものはかなり古く、1940年代から存在しています。DCコミックのz最初の全盛が1930年代の後半なので、それから間もなく、という感じですね。

1970年代にはこんな風に実写テレビにもなっていたんですね。

今回の「シャザム!」は、そんなこの作品のルーツをすごく丁寧に再現していたような気がしましたね。話そのものに深みはないんですけど、あえて「大人にでも理解出来る深み」でなく、有名な俳優つぎ込んで映画に重厚感を持たせるとか、そういうDCとマーヴェルがここ30年くらいに必死こいてやってきたことからちょっと外れて、本来のスーパーヒーロー・コミックが剥けていたキッズの層のリアルな感覚に近い質感の作品で、僕はそこに好感が持てましたね。

言うなれば「友情は大事だ」「悪いことは悪い」「肉親の大事さ」「でも、時には肉親の愛を上回る本当の愛もある」とか、そういう風な、ティーンに届かない子供でも理解できるような教育的要素がかなりまっすぐにストレートに入ってくるので、こちら側もすごく見やすいんですよね。

言うなればこれ

「少年ジャンプ」の漫画みたいなんですよね、いい意味で。少年誌のような、わかりやすい清々しさがあるというかね。

前、スタン・リーの追悼記事を書いた時に、彼がコミックを「社会を描いた、文学的な価値を持つものにも成り得る」みたいな主張を持っていて、そのことをずっと生涯かけて証明しようとしてきた、みたいなことを書きました。そして、それはもう十分、世間もわかったかとも思います。

で、スーパーヒーロー・ムーヴィーの今の問題って、むしろ「いい年した実績のあるハリウッドの俳優たちが、何もそこまで顔を揃えて、一生懸命”コミックの価値を上げよう”なんて、もう見てて逆に恥ずかしいし、今や単なる役者としての出世のための踏み台にすぎない」ということだと僕は思うんですよね。

いみじくも

そのスタン・リーの置き土産のような「スパイダーバース」がコミックの本来のメイン・ターゲットであるティーンの日常感をリアルに紡ぎだし、コミックが本来やるべき作画の実験性などを披露した、いわば「原点回帰」みたいな作品ですごく新鮮味があったものでした。

僕は見ていて、この「シャザム!」が、マーヴェルの「スパイダーバース」に対してのDCの対となる作品というか、そういう感じで観れたんですよね。コミック本来の視聴者層にもっとリアルな何か。これが今後、スーパーヒーロー映画の一つの流れになっていくんじゃないかな、ということを僕は感じましたね。それ以前に、マーヴェルの作品がだんだんコメディ化して行っていたのも含めて、そんな感じがします。それこそ、「エンドゲーム」でアヴェンジャーズのシリーズが終わることで一区切りした後は、どんどん僕が感じている方向に流れていくんじゃないか、という気がしています。

これ、基本、子供の映画なので、あんまり役者的に語るポイントとかはあまりないのですが

ザカリー・リーヴァイというのはいい目の付け所だな、と思いましたね。出世作になったTVドラマの「Chuck」を始め、基本コメディの人。最近だと、「ミセス・メイゼル」のシーズン2から出始めて、ヒロインのミッジのH−トスロブになってますけどね。

あと

今回の敵役のマーク・ストロングって、「キックアス」の悪役の人ですよね。見てて、なんかそれと妙味ダブってですね、「マンガ色が強い作品の悪役なら、この人!」ってイメージに見えてしまって、ちょっとそこも可笑しかったですね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?