見出し画像

マライアだけじゃない!クリスマスの時期に必ず全米チャートを再浮上するあの人たちは誰?

どうも。

いつもなら全米チャートのタイミングなんですが、今週はちょっと趣向を変えてお送りします。

ビルボードのシングル・チャートで1位になったのはマライア・キャリーの「All I Want For Christmas Is You」。もう完全に季節労働者化しているマライアですね。

ただ、この時期、ヒットしているクリスマス・ソングはマライアだけじゃありません。

ここ数年、サブスクが音楽の主流になって以降、毎年起こってることなんですけど、毎年同じクリスマス・ソングが決まって上位に入ってきます。

それが誰の、本来ならいつの曲なのか。気になりません?なので今回は、そんなクリスマス・ソングが出たのはいつで、歌ってるのは誰か。気になりません?なので今回は、「あの曲を歌ってるのは誰?」を紹介していこうかと思っています。

まずはこれから行きましょう。


今週のビルボード・シングル・チャートで4位まで上がってきてます「Jingle Bell Rock」。これは1957年、カントリーから当時のロックンロール・ブームに便乗したカントリー・シンガー、ボビー・ヘルムズの曲です。

ボビー・ヘルムズという名前は僕も申し訳ないんですが、ここ最近のリバイバル・ヒットになるまで知らなかったんですけど、この曲自体は昔から知っていてですね

ホール&オーツが1982年にカバーを発表してるんですけど、それで「こんな曲、あるんだ」と知ったのが最初で、その他でも別のヴァージョンでよく聞いたので「ああ有名な曲なんだな」となんとなく思ってたんですけど

近年有名になったのは2004年の映画「ミーン・ガールズ」でリンジー・ローハンが歌ったシーンがすごく有名になりましたよね。これはアリアナ・グランデの「thank U Next」のMVでもオマージュで使われましたから、それで知ってる人もいるかと思います。

では、続いての曲、行きましょう。

今週の全米シングルでついに2位まであがってきました「Rocking Around The Christmas Tree」。これは「Jingle Bell Rock」の翌年、1958年のヒット曲なんですが、これを歌ったのは

画像3

ブレンダ・リー。カントリーからロック、ポップスに転じたアイドルで、この曲をレコーディングしたのは14歳のときだったんですね。彼女は初ヒットが「Sweet Nothin'」という1959年の曲で、ここを皮切りに1963年くらいまで人気があったんですけど、この曲は1960年にクリスマス・ソングとして14位まであがるヒットになってますね。

それが

ハナ・モンタナ時代のマイリー・サイラスにカバーされて再び脚光を浴び

ジャスティン・ビーバーのカバーがさらに後押しして、若い人に知られることになりました。カバーの効果、大きいんですね。

続いていきましょう。

今週の全米チャート7位に入った「The Most Wonderful Time Of The Year」。これを歌ったのはアンディ・ウィリアムス。この人はテレビ司会者もこなしたジャズシンガーで、「アンディ・ウィリアムス・ショー」はアメリカの60年代を代表する番組だっただけでなく、当時、リアルタイムでNHKでも放送されていたほどです。この中でも歌われていますが、この曲はそもそも

画像4

1963年に出た「Andy Williams Christmas Album」というアルバムのメインの曲だったんですね。これはクリスマス・ロングセラーになりまして、1963年からの3年間は毎年クリスマスの時期に1位、70年代前半までは必ずクリスマスに再浮上する定番アルバムとして知られていました。


そして全米チャート5位に入ったのは「A Holly Jolly Christmas」。これを歌ったのはバール・アイヴスという人です。

この人はもともと、フォーク、カントリー系のシンガーとして活躍していたところ、映画にカウボーイ役として出てあたったことからハリウッドで俳優としても活動しまして

画像1

1958年には西部劇「大いなる西部」での演技でオスカーの助演男優賞まで受賞してるほどの俳優です。

そんな彼がなぜクリスマス・ソングで有名になったかというとですね

1964年のクリスマス・スペシャルとしてテレビ放映された番組「Rudolph The Red Nosed Reindeer」、いわゆる「赤鼻のトナカイ」の人形劇のテレビ版。これがアメリカではカルト番組化しまして、その挿入曲として有名です。バールはこの劇中でナレーターをつとめているのですが、そのついでに曲も歌って有名になった、ということです。

今度はシングルでなく、アルバムも見てみましょう。

それが「A Charlie Brown Christmas」。これがアルバム・チャートで今週8位なんですが、これは

画像2

ジャズ・ピアニストのヴィンス・ガラルディのトリオによる演奏です。

これはですね

1965年にテレビ放映された、スヌーピーのファンにはもうおなじみ中のおなじみの特番「A Charlie Brown Christmas」のサントラとしてリリースされました。

これ、スヌーピーだけでなく、次第にジャズ・ピアノの人気作にもなりまして、相乗効果が生まれたんですけど、クリスマス期に思い出される定番となりまして、こうして今、ヒットしているわけです。

再浮上クリスマス・ソング、これだけじゃないですよ。さらにチャートを見ていけば

シングル・チャートの11位にはメキシコの盲目のシンガーソングライター、ホセ・フェリシアーノが1969年に発表したヒット曲「Feliz Navida」。スペイン語でメリー・クリスマスの意味なんですけど、これも50年の月日を超えて再ヒット。

さらに

ロネッツの「Sleigh Ride」が12位です。ロネッツといえばフィル・スペクターの秘蔵っ子で、人気絶頂の1963年のクリスマス・ソングとして発表されてます。スペクターはこの頃にクリスマス・アルバムを発表し、これがコンン位置まで高く名盤評価されてますけど、その中の重要な1曲です。

こうしてみていくとわかるんですけど、アメリカで重宝されるクリスマス・ソングは1950年代後半から60年代です。

チャート見ると、この他にもビング・クロスビーの定番「ホワイト・クリスマス」から、ディーン・マーティン、ナット・キング・コール、ペリー・コモみたいなロック以前のジャズシンガーは歌う曲も入ってはいるんですけど、リズムの問題もあるのかなあ、なんかロックンロール以降の曲で、しかも懐かしみもある50s後半以降がやたら愛されてますね。

そんな中

「最近のクリスマス・クラシック」として愛されているのが今週18位に上がってきたケリー・クラークソンの「Underneath The Tree」。これ、2013年の曲なんですけど、やたら人気あるみたいで、クリスマス関係のプレイリスト、どこでも入ってる曲です。僕もそれで覚えました。

これ、マライアの曲にも通じるんですけど、やっぱり、クリスマス・ソングの古き良き黄金期のマナーに沿った曲調なんですよね。やっぱり、クリスマスにはモダン・アレンジよりも定番のリズム、曲調がアメリカでは好まれるようですね。

スポティファイでプレイリスト検索すれば、これらの入ったもの、本当にたくさん出てくるので、クリスマスのBGに最適だと思いますよ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?