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Spotifyの宣言、僕の捉え方

どうも。

昨日、ネット上は話題が多かったですね。

はい。Spotifyが今後の方針を示した声明を出しました。

それの要点をかいつまんで言うとですね

・今後は過去12ヶ月で1000ストリームに到達しない楽曲に対しての支払いは行わない

・これにより、全体の62%における楽曲の支払いが行われなくなる

ということが、まず、言われました。

さらに

・「非音楽」「スポークン・ワード」「機械た音」「ホワイトノイズ」「効果音」などで「ノイズ・コンテンツ」と見なされた場合に、2分以上なら10再生で2再生カウント、2分ならカウントなし

というルールになりました。

これで昨日、僕のXのTLがものすごく荒れました。たしかに、「パッと目にしたら、ちょっとショッキングに見える内容」ではあります。

では、ここで、少し検証をしてみましょう。

まず、「1年で1000アカウントいかない楽曲の支払いなし」に関してです。

Spotifyの場合、再生1回につき、0.003~0.005ドルの計算です。つまり、今の円のレートに直すと、0.46~0.77円です。そう考えると、1000ストリームで貰える額は460円から770円になります。

これを例えば10曲入りのアルバムを出してて、それが1000ストリームにどの曲も届かなかったと仮定した場合、4600円から7700円が貰えないという計算です。また、そういうアルバムを5枚Spotifyに置いてある人だと仮定すると2万3千~3万8500円の計算になります。

まあ、たしかに、そういう1000ストリーム以下の曲数の登録数が多い方であればあるほど厳しくはあるとは思います。ただ、厳しい言い方をしてしまうならば、それを仮に貰っていたとしても、普段から音源ストリームでは生活できてはないですよね。50曲の音源を登録しているような人でさえマックスで40000円行かない感じだと、ちょっとした臨時の手当て程度にしかなっていないですよね。

だからSpotifyとしては、「普段から、それで食べてある人ではないだろう」との判断でこういう方向に踏み切ったのかもしれません。もちろんお金というものは、その額がどんなに少なかろうとあるに越したことはありません。ただ、これを切ったからと言って、今まで食べていけていた人が食べていけなくなるほどの打撃かと言えば、僕はそこは少し疑問が残ります。

あと、なんでSpotifyがこの対策をしなくてはならなくなったか。そこを考える必要があります。「AI対策」。それもあるとは思います。ただ、それ以前にですね、Spotifyってどうやら配信の障壁がかなり低いようなんです。話を色々と聞いてもですね「音源の事前審査とか、ちゃんとやってるの?」と疑問になることが前から多かったんです。

この記事によるとですね、2023年の1年間で、Spotifyで一度も再生を記録されなかった曲が全体の楽曲数の24.8%もあったんですって!

メチャクチャな話ですよね。いったい、どんな登録の仕方してたらそんなことになるのかと。これ、思うに、普通のやり方だったらデビューできそうにない、インディともいえない素人の音源まで個人受託で請け負ってますね。

僕にもひとり、心当たりある人がいましてですね。全くミュージシャンでもなんでもなかった、もっと言えばバンド活動さえやってなかった人の音源、しかも聴いたら、これが・・って感じのものがあがってるの、この目で見ましたからね。あれ見たとき、「Spotify の管理、一体どうなってんだ?」と思いましたからね。

だから本当は、配信として流す前に審査ちゃんとやるべきだと思うんですけど、それをちゃんとしないから、その結果、無限の酷い音源まで混ざってしまっているのが現状なのでしょう。おそらくSpotifyとしては、そういう人の登録を拒まない代わりにストリームの数で取り締まる、という考えだったのかな、と思いましたね。

でも、ある意味でそれは良心的な対処でもあるとは思うんですよね。だって、町のレコード屋で個人受託とかしてないでしょ?そういう他だと相手にされないようなものまで受けてしまっているから、その対策としての支払い止めの意味はあると思います。

続いてノイズ・コンテンツですが、これに関しては僕は真意はわからないです。

ただ、上の話の流れから推理するに、しょうもない音源で、ストリームもほとんどないもののデータとったもので、多かった例としてあげてるのにすぎないのかな、とは思いました。

この件で思い出したのは、検閲とかではないですね。むしろ、僕の知人がかつてやってた「デモテープの作り方」というものですね。メジャーレーベルの新人開発やられてる方がいらっしゃって、その方が仕事柄年中デモテープ聴いてたんですけど、その中で聴く気がしなくなるようなものがあまりにも多かったんですって。なので「こういうデモテープは聴かれない」の例を具体的に示したんですね。うろ覚えしてるのは「長すぎるイントロはつけるな」とか、そんな感じでしたけど、Spotifyの人たちも実際のところは受け付けるのうんざりしてる人がすくなくないのかな、という印象ですね。

「Spotifyは作品内容を検閲したいのか」というのは僕は真偽はわかりません。ただ、それはないような気がしています。

だって、アンビエントに関してはプレイリストそのものも多いし、ノイズ・ミュージックやポエトリー・リーディングを排除したり、低く扱ったりする意向もない気がします。だって、そのなかの有名な作品、たとえばルー・リードの「Metal Machine Music」も、1曲目なんて20万越えるストリームがあって、他でも8万とか6万のストリームがある。1000よりは圧倒的に上ですよ。

あと、ノイズでの有名アーティストも、ポエトリー・リーディングで有名な人も、「This is」という、アーティスト・コンピレーションのプレイリスト持ってる人もいます。それにSpotifyって世界に音楽に詳しい人たち集めてるわけです。そんなに簡単に音楽愚弄できるとは思わないんですけどね。

僕が印象として思うのは、言葉が足りないというか、誤解される言い回ししてますよね。リスナーは1000回のストリームでどれだけ金が入るかとか知らないし、「ストリームのすくない曲で、内部でいかんともしがたいと思ってるもの」としてたまたまあげたジャンルを嫌っているかのように見えてる感じですよね。そんなに他意はなかったのではないのかな、という推測です。

まあ、強い拒絶反応を起こすほど酷いこととは僕個人的には思わなかった、単なる言葉不足だと思った今回の騒動ですけど、根本的な問題は何ら解決されてないなとも思いますね。

やっぱ僕としては、Spotifyに一番取り組んでほしいのは格差是正ですね。それこそ上は10億ストリームあって、下は1000にも至らない、富める人はどこまでも富み、儲からない人は生活的に苦しいシステム。これ、もう、ぶっちゃけ、全ての人に平等に同じ比率では格差は永久に埋まらないと思います。

僕が希望するのは、ストリーム数に応じた比率ですね。たとえば1000万ストリーム未満だったら0.01ドルと従来の二倍にして、1億ストリームまでが従来の比率、1億以上が従来の20%減とか、たとえばそんな感じで。思い付きで言っているのでそのつもりでとらえてほしいし、これでも欠点はあることはもちろん承知ですが、これくらいはやってほしいかなあ。

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