見出し画像

「世代最強俳優って、実はジェイク・ジレンホールなんじゃないか」と、ある時期から思っている理由

どうも。

今日はこういう話をしましょう。

ある時期からバタバタとしていたんですが、先週末にやっとこれを見に行きました。

「スパイダーマン ファー・フロム・ホーム」。これ、エンタメ青春映画として、すごく楽しめたんですが、僕の目線はこの日とばかりに釘付けでした。

ジェイク・ジレンホール!

彼がこのテのビッグバジェットのスーパーヒーロー映画に出るのはこれが初めてだったわけですけど、いや〜、「うまいな〜」と、思わず唸りながら見てましたよ。

もう、いかにも彼っぽい役なんですよね。一方では、主役が十分つとまるくらいの爽やかさがありながら、その裏であくどい事を平然とやれる狂気もしっかり演じることができる。今回のミステリオって役は、そんな彼の演技バランスの真骨頂だな、と思って見てたし、彼以上にこの役を巧みに演じらえる人って、いそうでいないよなあ、と思ってすごく感心してました。

ただですね、僕がジェイクの事を、「実は40歳以下のハリウッドの俳優で最強の俳優なんじゃないか」(現在、ジェイクは38歳)と思い始めたのはこれが最初では決してありません。今日はその事を僕なりに分析してみようかと思います。


ジェイクって、ハリウッドだと、一応、「主演級」の役者ではあります。ただ、これまで主役を務めた映画がどれも「人間ドラマ」タイプのもので派手なヒット作に出ていない印象と、悲しいかな、それがオスカーみたいな大きな映画賞の受賞につながることがなかったために、何か、もう一つ地味な印象を持たれがちです。

が!


とは言えですよ、ジェイク・ジレンホールって、若かった時点で、この3つの映画で主演してるんですよね。

21世紀のカルト青春映画の傑作「ドニー・ダーコ」に、ヒース・レジャーの伝説の名演と作品の内容ゆえのオスカーでの不遇で名声を高めた「ブロークバック・マウンテン」、そしてデヴィッド・フィンチャーの「裏最高傑作」としての呼び声が高い「ゾディアック」。いずれも、映画史で長く語られることになりそうな映画に、彼、3本も主演してるんですよ!これは僕、すごいことだなと思ってまして。しかも、これを20代のうちに全てでしょ。

2010年代だと、ここまでカリスマ的な名作出演はないんですけど、それでも

「エンド・オブ・ウォッチ」での警官役だったり、今や名監督になったドゥニ・ヴィルヌーヴの大ブレイク前の傑作「プリスナー」での刑事役なんかはやっぱり強く記憶に残りますね。とりわけ後者は、彼が「これでもか」とボコボコにする誘拐容疑者役のポール・ダノの演技があまりにキモかったことも手伝って、鬼気迫る取り調べが実にエグい怪演になってましたね。

そして、そんな彼の演技の最高到達点といえば

やっぱり、2014年の「ナイトクローラー」ですよね。この映画、ものすごい、どインディでの制作だったにもかかわらず、この演技が大絶賛されて、この年は確かゴールデン・グローブでノミネートされて、オスカーで主演男優のノミネート逃した時にかなりのブーイングが起きたものでした。

この映画は、いわば「ジレンホール版タクシードライバー」とでもいうべき映画で、「一歩間違えば犯罪者、一歩間違えば英雄」という、かなりフラジャイルなバランスの上に成り立った難しい役だったんですけど、この上の写真でもそうですけど、終始、目の焦点の定まらない、何かを超越してしまった、かなり危ない顔の表情で背筋が凍る感じでしたね。

「何をどうやったら、この顔つきになるんだろう?」と、見ながら狐につままれたような気分になりましたからねえ。

だから、やっぱり、この映画を見たときですね。そして、そのときに、「そういえば」と思い出したのが、先述の、あの3本の映画なんですよね。「ああいう傑作に若いうちに3本も主演して、今、この演技ができるってやっぱ、相当これ、すごいよな」と、このときに思うようになりましたね。

その後もジェイクは

テロにあって足に障害を負いながらもリハビリで復帰を目指すマラソン・ランナーの感動作「Stronger」みたいな感動作で、正統派な役をやったかと思いきや

韓国の鬼才監督、ポン・ジュノのファンタジー・モンスター映画「オクジャ」では、場違いなまでに妙にテンションの高い狂気の動物学者を演じるなど、芸域の広いところをアピールし、それから今回のミステリオの役に至ったわけですね。

芸域も広いんですよね。

ボクサーとか兵士とかマッチョな役を演じたかと思いきや、

かなり内向的で臆病な文学青年も演じられるし。

で、これですね、例えば、彼と比較的近い世代の俳優と比べてみてもですね

例えば、「名優」ということでいえば、クリスチャン・ベールとか、ホアキン・フェニックスを思い浮かべるんでけど、今や両方とも、「クセの強い役」「狂気」というところの印象が強く、逆に「フツーな役」って最近ないですよね(笑)。

シリアスな役者ってことでいえば、マイケル・ファスベンダーとかトム・ハーディも思いつきますけど、この2人だと、「軽妙さ」って特に求めないじゃないですか。その意味で、うまくはあるんだけど、「振り幅」そのものがそこまで大きいとは思えない。

何気に2010年代にオスカーに3度もノミネートされているブラッドリー・クーパーだと、爽やかさだとか熱演の時はジェイクとかぶる時があるんだけど、この人に「狂気」な演技は求めにくいでしょ。

ジェイクと実際に同い年でいい俳優と言ったらライアン・ゴスリングですけど、彼の場合だと、どちらかというと、役に自分を合わせるというよりは、どの役でも基本似たような感じの、いかにも「ライアン・ゴスリング」な、「冷めた仕草で熱く見ろ」みたいな演技だったりするし。

・・と、そう考えていくと、いないんですよ、ジェイクみたいな俳優!

実際ですね、今回のこの企画やるにあたって、「他にもこういう僕みたいな意見、ないかな?」と思って、ネットで検索かけたんですよ。そしたら

こんな感じで、「現世代ベストの俳優」と考えてる人がアメリカ人に特に多いことがわかります。

それに加えて

まだ若い俳優なのに、こうやって「ジェイクの歴代ベスト演技は?」と問うランキングも結構あったりします。

そう考えたら、ジェイク・ジレンホール、十分に成功した俳優ではあると思うんですけど、まだまだ過小評価されていると思うし、ましてやオスカーへのノミネートが助演男優賞1回というのはあまりに少なすぎますよね。おそらく。2020年代以降に、こうした功績が一気にドドッと認められそうな気が僕にはしてます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?