見出し画像

日本で気に入った新作アルバムが2枚あった

どうも。

今日は洋楽のアルバムの配信日で、2枚すごく気に入ったものがあるんですが、その話は後日にするとして、今日は、その2日前に日本でリリースされたものに気に入ったアルバムがあったよ、と言う話をしましょう。

この2枚です。

画像1

実は2つとも、今回初めて聞いたアーティストです。なので、読んでいらっしゃる方の方が詳しいかもしれませんが。右からいきましょう。

画像2

右は崎山蒼志の「Find Fuse In Youth」というアルバム。簡単に言うならば、インディ・フォークというかオルタナティヴ・フォークというか、フォークが基調ではありつつもロック的な要素を取り入れることで、かなり異質な聴感を与えるタイプですね。僕は1960年代のアシッド・サイケ・フォークのドノヴァンだとか、あとベックですね。そういう人は大好物なので、彼はすごく惹かれましたね。ギターのリフのカッティングのセンスがいいのと、あと、すごくこわれた感じの声ですね。カネコアヤノはじめて聞いた時も思ったんですけど、こういう風に自分の声がうまい具合に解体できるようになってるんですね、最近の人は。で、彼、まだ18歳というから、すごいセンスです。

はじめて聞くとかなり驚きもあるんですけど、ただ、よくよくインディ時代の2枚と比べて聞くと、今回が最高傑作でないこともわかってしまいました。そこのところが、過去音源がすぐ聞けるサブスクならではです。

なんかメジャー・デビューということで、余計なことしてる曲、あるんですよね。それがシングルになって、アニメのタイアップがついた曲のようなのですけど、「そんな曲、前にやってないだろ?」といった感じの、悪い意味で作らされたようなJポップやってるんですよねえ。これが非常に惜しい。残りの曲がいい&グリッチ・テクノみたいなことやっててさらなる成長を感じさせた曲もあっただけにね。ただ、才能に間違いは無いと思います。


この曲は特にすばらしいですね。将来が楽しみです。

そして、それ以上にガツンときたのが

画像3

上の左側にあげた、このNot Wonkというバンドの「dimen」アルバムですね。彼らに関しては、「そういえば前に名前は」という感じだったんですけど、今回初めて聞きました。

だけど、この人たち、いいですね!いわゆる90sの英米のスタイルに近い、正統的なオルタナティヴ・インディ・ギターバンドなんですけど、音楽的にやりたいことに溢れてる感じがしっかり伝わってきます。アルバムの中でいろんなことやってますけど、何がいいって

声!

この曲に顕著なんですけど、もう、自分の出せる精一杯の高いキーを声震わせながら絞り出すように歌う。これ、ジェフ・バックリーとか、サウンドガーデンのクリス・コーネルみたいな歌い方なんですけど、日本人でこの歌い方にトライする人、はじめて見ました。一番近いなと思ったのは、ウォークメンってバンドのハミルトン・ライトはウザーって人ですね。

今まで日本のバンドがやってこなかったことですね、これ。すごく面白いと思います。こういう音域で歌おうとしてこなかったことで、日本のバンド音楽の表現もおのずと制限されるところもあったと思うんですけど、そういう限界を取っ払おうとする心意気が立派です。歌い方としてはまだ完成はされてなく、ピッチが微妙なところもところどころあるんですけど、そういうリスクもおかしつつもトライして成長につなげることの方が大事です。そういう意味で、すごく評価したいですね。

あと、このアルバム、いろんな曲調があるんですよね。2、3枚目の頃のレディオヘッドみたいなものから、シューゲイザー、キュアーを思わせるメランコリックかつさわやかなインディ・ポップ、ネオソウルのフィーリングのあるもの、さらにザ・ポリスの「見つめていたい」のコード進行抜き取ってそこから新たに作り変えた曲まで。ひとつのバンドのアルバムで、3人組のバンドで、よくここまでやろうとしたなというか、彼らだけでなく、日本のロックバンドのコンフォート・ゾーン破ることに挑戦したような、そういう気概がありますね。

で、過去の音源も聞いてみたら、なんか「最終的にナンバーガールみたいになりたいメロコア、エモのバンド」みたいな感じでしたね。それはそれで悪く無いんですけど、この一つ前から表現がガラッと変わり始めて、今回、一気にグッと高みに上がった感じですね。今後がすごく楽しみです。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?