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映画「Good Luck To You, Leo Grande」感想 エマ・トンプソンが最高!彼女自身の限界打ち破る新型ロマンティック・コメディ

どうも。

昨日に引き続き、今日も映画評、行きましょう。

今回はこれです!

この「Good Luck To You,Leo Grande」という映画。これは今年のサンダンス映画祭で話題になった映画です。国によってはhuluが配信してるようなんですが、僕の住んでるブラジルでは前評判が高くてですね、映画館で積極的にプロモする方針で動いてて、結構話題になってます。

どんな映画なんでしょうか。早速あらすじから見てみましょう。

 

主人公はナンシー・ストーク(エマ・トンプソン)という女性です。年齢的には還暦といったところでしょうか。彼女はひとりホテルの部屋で緊張しています。

 そこに超イケメンの黒人青年がやってきます。彼の名前はレオ・グランデ(ダリル・マッコーマック)。年齢はどうやらナンシーの半分にも満たない若さのようです。

 夫を亡くしたナンシーはとにかく緊張しっぱなし。それもそのはず、彼女はかなり久しぶりの性体験を、自分がネットで雇ったこの男娼、レオ・グランデで行おうとしているわけですから。とにかく緊張しっぱなしの彼女は声が上ずり、話もひとりで脱線しっぱなし。

 しかし、レオ・グランデは嫌な顔一つせずに、優しく、どんなに時間がかかろうが見守るだけです。結局、最初の日はほとんど何もせずに終わります。

 ホテルでの面会は何度か続きます。ナンシーはひとりで舞い上がり続けますが、レオの優しい手ほどきで、徐々にことは進んでいきます。


 いよいよ本格的にふたりは性のコミュニケーションを徐々に濃く行っておいくことになります。ただ、この恋に本気になりすぎたナンシーは、レオの実際の素性のことを知ってしまい、それを告げられたレオはこれまでの冷静さが嘘のように取り乱してしまい・・・。

・・・と、ここまでにしておきましょう。

 これ、これまでになかなかないパターンだと思います。これですね。


ヒロインのエマ・トンプソンが今年で63歳。一方の相手役、レオ・グランデを演じるダリル・マコーマックは今年で30歳。文字どおり「息子ほど年の離れた間柄」というヤツです。しかもこの場合、彼女の方が、コールガールならぬコールボーイを雇って、これまでの映画であまり積極的に描かれてこなかった「熟女の性欲」をかなり積極的に描いた作品になっています。


また、このダリル・マコーマックっていう俳優が、そうした年配の女性のファンタジーを叶えるようなセクシー・ガイでね。彫りの深い整った顔立ちに、筋骨隆々のセクシー・ボディですからね。しかも、ここ最近の映画の傾向で、その対象がカラード、黒人なのもミステリアスなムードを高めてますね。

 僕としては、このプロットラインが面白そうだから見た、というのもあるんですけどでも、それよりは

エマ・トンプソンの大ファン、という要素の方が大きかったです。

もう、すっごい最高なんですよ、彼女。この人といえば

今から30年ほど前は、ジェイムス・アイヴォリーのイギリスの上流社会描いたお上品な映画のヒロインやって、オスカーの主演女優賞もとってました。「ハワード・エンズ」とか、その頃ですね。

が!

 僕が好きなエマは、こういう感じじゃありません!

 僕が好きな彼女というのは

オバさんになって、所構わず、ハメ外すようになって以降からです(笑)。

もう、とにかく、この人、可笑しいんですよ。

ハリー・ポッターでのこの役くらいから、変わり始めたのかなあ。

変な役、増えましたからね。「ブリジット・ジョーンズ」での超テキトーなボケかます産婦人科医のとぼけた会話とか終始爆笑ものでしたからね(笑)。

 もう、最近はすっかりコメディ専になってて、役柄も「楽しいおばさん」ばかりになってますからね。

https://www.youtube.com/watch?v=2FToFWPIIo4

トーク番組でも、基本、笑わせることしか考えてません。こんな風なまとめ集までありますからね(笑)。


この映画のプロモーションでも、こんな感じですよ、この人(笑)。そばにいる人、楽しそうだなあ、といつも思います(笑)。

 で、この人、ずるいのは、パッと見、すごい上品そうなんですよね。それも、30数年前にとった杵柄なんですけどね。昔は、この人、ケネス・ブラナーの夫人でもあったからすごく気品あるっぽく振舞っていて、今もそういう演技もできるんですけど、それと、笑わせに入った時のエンターティナーっぷりとのギャップ。これ、両方使われたら、かなわないですよね(笑)。そんな彼女の絶妙な演技レンジは、この映画で最高に発揮されているし、それこそがこの映画が描こうとしている「熟女の中に潜む野生的な性欲」を表現するのに、これ以上ない説得力を与えています。

 彼女自身が輝いてるから、この映画、実質3人しか出演者いないのに、見ていて全然飽きないんですよ。その意味でもこれ、エマのための映画だと言えると思います。

 そして、この稀代の名女優の演技により、ロマンティック・コメディにまた一つの可能性が与えられているのも個人的にすごくうれしいんですよね。本当にひところ絶滅しかかったこのジャンル、ここのところ「リコリス・ピザ」、「私は最悪。」、そしてこれ、と、息を吹き返したような作品が続いています。頼もしい限りだし、まだ工夫次第で、このトラディショナルなジャンルはいくらでもよくなることが証明されているような気もしています。

 日本での公開状況はわかりませんが、この映画を見る際は、ぜひ、エマ・トンプソンの才能を確認していただきたいと思います。








 








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