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英国ロイヤルファミリーの歴史を、映画の連続で見てみよう

どうも。

昨日はイギリスの戴冠式、コロネーションでしたね。エリザベス女王が極めて長く生きたこともあって70年ぶり。僕の世代にしてみればすごく珍しい、一生にそんなに見れるわけではなかったものを見たことになったわけです。

 おそらく若い世代の人はこれから何度か見る光景にはなると思いますが。ただ、その間も「ゴッド・セイヴ・ザ・キング」。それがクイーンに戻るタイミングはかなり長いことなさそうで、その意味でも貴重な瞬間を生きていたのだなと思います。

 昔はそこまで興味なかったんですけど、最近、このイギリスのロイヤル・ファミリーに関しては興味もってます。なぜか。去年、オスカーの作品賞ノミネート作の振り返りをやった際に、改めて世界で最も映画化された一家であったことに気がついたからです!

 ここで、これを立て続けてトレイラー見ていくことで示していきましょう。

僕の知ってる範囲で一番古いのは12世紀ですね。日本でいう鎌倉時代の直前。その映画が「ベケット」(1964年)。プランタジネット朝のヘンリー2世の時代にカンタベリー大司教を務めたトーマス・ベケットに関しての作品。
ベケット役を、エリザベス・テイラーの夫としても有名だったリチャード・バートン、ヘンリー2世を、まだ「アラビアのロレンス」で脚光浴びて間もない頃のピーター・オトゥールが演じていました。

続いては1968年の映画「冬のライオン」。これはその後のヘンリー2世を描いた作品ですが、ここでもヘンリ−2世をピーター・オトゥールが演じ、王妃アリエノール・ダキテーヌをキャサリン・ヘップバーン。彼女はこれで自身3度目のオスカー主演女優賞を受賞しています。その息子、リチャード1世界を、まだ駆け出しだった頃のアンソニー・ホプキンスが演じています。

続いて、だいぶ飛んで16世紀で「わが命尽きるとも」。これは1966年度のオスカー作品賞を受賞しています。これは、チューダー朝の、ロイヤル・ファミリー史上最もコントロヴァーシャルだったダメ野郎ヘンリー8世が女官アン・ブーリンに対して浮気をし、強引に離婚、再婚をしようとした際に反対して処刑に追い込まれたトーマス・モアの伝記です。この60年代に、ロイヤル・ファミリー描く映画が流行ったようですね。

 続いて、そのヘンリー8世がアン・ブーリンと泥沼関係となり、アンが処刑されるに至るまでを描いた「1000日のアン」。これが1969年の映画。必ずしも評判のいい映画ではありませんが、これもオスカーの作品賞にノミネートされています。ヘンリー8世をリチャード・バートン、彼もこの時代、かなり人気ありましたが、演じています。

このアン・ブーリンに関してはよく映画の題材になっておりまして


2008年に「ブーリン家の姉妹」という形で描かれてます。アンを演じたのはナタリー・ポートマン、その姉だか妹メアリーをスカーレット・ヨハンソンが演じてます。ここでもヘンリー8世、出てきます。

このヘンリー8世、かなり物語の題材になりやすい人でして

1933年にもすでに「The Private Life Of Henry The 8th」として映画化されてまして、この時点で主演のチャールズ・ロートン、この人も歴史的な名優ですけど、オスカーの主演男優賞を受賞しています。第6回とか、それくらい昔ですけど。

ヘンリー8世はアン・ブーリンの後も結婚を続けてまして、妻の数は全部で6人。そのことは

https://www.youtube.com/watch?v=1J00015lLDM

プログレ・バンド、イエスのキーボーディスト、リック・ウェイクマンのアルバムでもテーマとして描かれていたし

ブリティッシュ・ビート期のアイドルバンド、ハーマンズ・ハーミッツが1965年に「ヘンリー8世君」という曲で全米1位にもしています。これ、日本のGSのザ・タイガースのライブ・レパートリーでドラムのピーこと瞳みのるのヴォーカル曲としても知られていました。

ちなみに、ヘンリー8世とアンとの間に生まれたのが、かのエリザベス1世です。彼女を描いた映画も多く

一番有名なのは「エリザベス」(1998年)。かの名女優ケイト・ブランシェットのブレイク映画。これで彼女は一躍オスカーの主演女優賞にノミネートされ、これまで国際的にあまり知られていなかったオーストラリアの女優が注目されることになりました。

これはヘンリ−8世の逝去後の混乱からエリザベスが女王になる頃までが描かれていますが

そのエリザベスと王位後継を争ったスコットランド女王メアリーの側からその時のことを描いたのが「二人の女王 メアリーとエリザベス」(2018年)。メアリーをシアーシャ・ローナン、エリザベスをマーゴット・ロビーが演じてます。

メアリーに関しては、未見ですが70年代にヴァネッサ・レッドグレイヴを彼女役にして映画が作られてもいたようですね。


エリザベスの一生は、ケイト・ブランシェット版の続編(2007年)でも描かれていますが

架空の話として、晩年のエリザベス女王が「恋に落ちたシェイクスピア」でも出てきます。演じるのはジュディ・デンチ。1999年3月に行われたオスカーは、ケイトが主演、デンチが助演で、2人のエリザベスがノミネートされたことでも話題となりましたが、デンチが助演を受賞。ケイトは「恋に落ちたシェイクスピア」のグウィネス・パルトロウに予想外の敗戦。これが「
シェイクスピア」の配給を担当していた、後にMe Too運動で実刑食らってしまったかつての名物プロデューサー、ハーヴィー・ワインスティーンの行った巨額キャンペーンによるものだったことは有名な話です。

https://www.youtube.com/watch?v=SojHxpqswV8

 続いて、だいぶ飛びますが、18世紀の初頭、あまり映画で描かれることのないスチュアート朝最後の王様、アン女王を描いた「女王陛下のお気に入り」(2018年)。極めて情緒、精神的に不安定だったアン女王をオリヴィア・コールマンが演じてオスカーの主演女優賞を受賞しています。多いですね、オスカーの受賞。

ヘンリー8世とエリザベスでかなり盛り上がったチューダーを継いだスチュアート、あまりよく知らないので、もっと映画で見たいとこではあるのですが、題材乏しいのかな。

19世に飛びまして、今度はハノーヴァー朝ヴィクトリア女王です。彼女の若い頃を描いた「ヴィクトリア女王 世紀の愛」は2009年に公開され、エミリー・ブラントが演じてます。「プラダを着た悪魔」で注目された2、3年あとで彼女もここから主演増えましたね。

一方、こっちはヴィクトリア女王が晩年、インド人男性と密かに恋に落ちていた話を描いた「ヴィクトリア女王 最期の秘密」。これは2017年。ヴィクトリアを演じたのはジュディ・デンチ。そんなに知られてる映画とは思わないんですが、僕、これは映画館行って見てますね。

続いて20世紀前半、ヴィクトリア女王のひ孫にあたりますウィンザー朝ジョージ6世が1936年に、兄エドワード8世の突然の退位により、言語障害があったにも関わらず急に王位を継承せざるをえなくなったことを描いた「英国王のスピーチ」。これは2011年のオスカーの作品賞、ジョージ6世を演じたコリン・ファースの主演男優賞など独占しました。この時はデヴィッド・フィンチャーの「ソーシャル・ネットワーク」が当初大本命だったのですが賞レースの途中から大逆転。ここにもワインスティーンが絡んでます。この時、僕はすでにオスカー・ウォッチャーだったんですが、かなり憤慨しました(笑)。

 そのジョージ6世の孫がチャールズ3世なんですが、彼女が結婚していた
ダイアナ妃の結婚時の精神的葛藤を描いた「スペンサー ダイアナの決意」(2021年)。これで主演のクリステン・スチュワートが主演女優にノミネートされましたね。この映画でアン・ブーリンの亡霊の話が出てくるんですけど、これまでこのテの映画見てきた効果がこういう時に現れました(笑)。

そして、そのダイアナの急死の直後の1997年のロイヤル・ファミリーの内幕を描いた「クイーン」(2006年)。ここで先代のエリザベス女王を演じたヘレン・ミレンがオスカーの主演女優賞受賞しています。この時は、確か横浜に越したばかりのシネコンで今の妻と結婚前に見ましたね。この時は、退いて間もなかったトニー・ブレアが首相になる直前が描かれていて「ずいぶん最近の話だな」と思ったことを思い出します。

あと、最近のネットフリックスのドラマ・シリーズ「ザ・クラウン」を始めテレビドラマを含めたらもっと見れます。

これらを片っ端から見ていけば、世界史勉強するより英国王室、詳しくなれますよ。






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