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ジャミロクワイから風刺系ニュースまで。ブラジル大統領ボウソナロの批判のされ方がすごい!

どうも。

今日はこういう話をしましょう。今日、9月7日はブラジルは独立記念日でした。普通だったら、もっとも、愛国的な気分が盛り上がる日のはず・・・なんですが

「そんな日はクソだ。黒い服を着てやれ」という動きがこの日、盛り上がりました。というのも

僕のブログで定番キャラ化しつつあります。ブラジルのネトウヨ系クソ大統領、ボウソナロ「この日、国民は、黄色と緑の服を着るように」という発言を数日前に行って、不評を買ってたからです。

彼は僕が以前に書いた

日本でもだいぶ話題にされていたようですが、アマゾンの森林火災拡大の問題ですね。あの時に彼のとった反応があまりにひどかったので、世界中から酷評されたんですよね。まず

アマゾンの森林火災の増加の原因となった森林伐採を推進するボウソナロに対してフランスのマクロン大統領が抗議したんですね。その時、ボウソナロが「なんだこいつは。アマゾンの利権でも欲しいのか。この時代に帝国主義者のつもりか。アマゾンをどうしようがブラジルの勝手だ」と言い張ったんですね。

これがブラジル国民の共感を得たか・・・ということですが、世論調査だと73%のブラジル国民が「アマゾンは地球みんなのものだ」という考えに同調したんですよね(笑)。それは、ボウソナロが敵視している2000年代に政権を務めた左派の労働者党政権の環境大臣、マリーナ・シウヴァって人なんですけど、彼女が切実に訴えてブラジルの伐採量を大幅に減らさせて国際的に評価されていました。その過程で国民の間で「アマゾンが世界の環境問題で意味するもの」というのはブラジル国民の間でも浸透してたんですね。加えて今回の報道でも、海の外から「アマゾンは地球上の二酸化炭素20%を作るのに」という声がバシバシ入ってきてました。そうなると、ボウソナロの主張するように、「森林を開拓して農業生産を増やしたい」なんて思う人はブラジル国民でもあまりいませんでした。だいたい、アマゾンで農業とか林業営んでいるインディオに対して「あいつらの保護居住区なんて1センチたりとも増やさせしない」と言ってた張本人ですからね、ボウソナロって。アマゾン地区の産業の保護なんて、考えていやしません。アメリカからの大企業、入れたいだけですから。

この受け答えも報道されました。するともう、国際的セレブで環境問題取り扱ってるような人の抗議も強まるわけです。それは火災が発生してすぐに生命出したレオナルド・ディカプリオもそうだし、スティングやマドンナもそう。ただ、その中で最も過激なメッセージを行ったのが

ジャミロクワイです。ジェイケイっていうより、こっちの方が通りいいと思うんですが、彼が今回、ボウソナロに対して行ったメッセージがかなり話題を呼びました。

ここで彼、なんて呼びかけたかっていうと、「おい、ボールズンアースホール」。これを早く読んで「ボウソナロ」に聞こえさせてるんですけど、「Balls N Arsehole」。つまり「金玉・ケツ野郎」って意味です(笑)。これ見たときは痛快な気分、しましたね。

ただねえ。こう言う動きが出ても、当のボウソナロって自覚足らない人でしてね。

ボウソナロってツイッターとかfacebookよくやる人で、そこでの失言も非常に多いんですけど、そこであるネトウヨがfacebookに「マクロンがあなたに噛み付くのは、あなたが若い奥さんを持ってるのが羨ましいんですよ」というリプをしてきたんですね。マクロン夫人はマクロン氏より24歳年上の66歳。ボウソナロの奥さんは36くらいですからね。すごいくだらない女性蔑視的なリプだったんですが、ボウソナロ、事もあろうにこれを「よせよバカ。クククク」と返答しちゃったんですよね!

これ、世界的な問題になりました。それに飛びついたのが

トレヴァー・ノアです。アメリカで最も尊敬されているテレビ番組のひとつ、コメディ系チャンネル「コメディ・セントラル」の名物風刺ニュース番組「デイリー・ショウ」の司会者です。彼は二代目で、先代のジョン・スチュワートは何度もエミー賞とってる人で「大統領になってほしい」とまで言われるほど尊敬されている人ですが、それを継いだトレヴァーも非常に頭脳明晰な感じで評判いい人です。そんな彼が

このアマゾンの森林火災の問題を取り上げてボウソナロを批判したんですね。

これの6分すぎに、まさに上の話に触れて、「本当にバカげた話ですよ。マクロンが地球のためにアマゾンを守らねばって言ってるのに、ボウソナロはマクロンを”ノートルダム寺院の火事も防げなかったくせに”(これも実際、言いました、苦笑)といい、マクロンの奥さんのことで返すって、、どんだけかけ離れてるんですか」って。

さらにこのシーンの1分ほど前には

「ボウソナロはアマゾンの森林伐採を約束して当選したんだって?じゃあ、アマゾンに火をつけて、”約束したろう、ハッハッハッ”って?それじゃジョーカーじゃないか」とまで言っています。この発言の方が国際的には話題になりましたね。

ボウソナロに関しては、アメリカの風刺コメディで批判されるの、これが初めてではありません。

CBSの「Late Show」でスティーヴン・コルベールからも、HBO版のデイリー・ショー、HBO版のデイリー・ショー、「Last Week」でもジョン・オリヴァーに酷評されてます。もう、ちょっとした有名人です(笑)。

それからさらに言うと

今、ブラジルで、今年のカンヌ映画祭で審査員特別賞を受賞したブラジル映画「Bacurau」 が公開されているんですね。この映画は、昔ながらのブラジルの雰囲気を残す、北東部(地図で出っ張ってるとこ。アマゾンにも比較的近いです)の田舎に、政治家の陰謀で召集されたアメリカやヨーロッパから集められた秘密部隊が連続殺戮を行うんですけど、ブラジルの北東部の田舎の人は伝統的に自衛には慣れてるのでボコボコにやり返す、っていう、「笑えるホラー映画」なんですが、これが

ボウソナロが最も主張する、「銃の自由化」に対しての強烈なアンチテーゼなんですね。こいつの銃規制緩和案って、「一般人がマシンガン持って歩いていい」とかっていう、考えられないものですからね(さすがにそこまでは議会で却下されましたが)。「それが実際に起こったら、どうなるか」の暗示みたいな作品だし、「愛国心を煽るくせにバックに欧米つけたがる」みたいな典型的なアメリカ共和党かぶれみたいな姿勢を見せたがるボウソナロの姿もかなり揶揄されてますね。この映画、今、ブラジルで最も世界的に評価されているクレベール・メンドンサ・フィーリョって人なんですけど、彼はこのブラジルの北東部の田舎出身で、常にこういう視点持ってますね。ちなみに北東部は、去年のブラジル大統領選でボウソナロが唯一、労働者党の対立候補に負けた地域です。

そして、この「Bacurau」、どうやらフランスで大評判らしいんですが

フランスのヌーヴェルヴァーグを盛り立てたことでも知られる伝統的な映画雑誌「カイエ・ドゥ・シネマ」の最新号の表紙になっているんですが、表紙にデッかく「ボウソナロの世のブラジル」ってしっかり書かれてしまってます。フランスでも、かなりの有名人のようです。

そんなボウソナロですが、最近も止まりません。

先週も、元チリの女性大統領で、現在、国連で人権問題の高官やってるバチェレさんという人が「ブラジルの警察官による殺人数が増加している」と問題にしたところ、ボウソナロ、「こんなこと言うのは悪人の味方だからだ」といった後、「親父をピノチェトに殺されたくせに。あのおかげでチリがキューバみたいにならずに済んだんだが」と言って大炎上。チリの左からも、真ん中からも、右からも抗議の声が上がりました。ピノチェトって、チリ国民、万単位で殺して「危険な独裁者」扱いされてる人です。1982年にオスカーにノミネートされた「ミッシング」を始め、何度も国際的な映画で描かれた、非常に悪名高い右翼軍事政権で、チリ国民のトラウマになってます。

今日の独立記念日でも、ブラジルのエヴァンジェリスト系の最大の宗派の教祖をセレモニーで横(左)につけてましたからね。「一体、どんな国にしたいんだよ」って感じです。

他にもいろいろありますよ。汚職やったのが完全にバレバレの長男かばうために警察のトップ変えさせようとしてるとか、英語が片言しか話せない三男をアメリカの極右勢力とマジらわせたいために駐米アメリカ大使にゴリ推しで任命しようとして国民の7割に反対されてるとか。毎日、ひどいニュースが日々更新されています。

でもね、

それでもまだ、批判できるだけマシなのかな!

と思うことはあります。ボウソナロ批判、国の中でも外でもものすごく活発だし、ネット上の風刺なんて誰でもやってる当たり前のことですからね。国民の支持率も、こないだ就任8カ月で30%切って、「支持しない」が40%に届くとこまでは行ってますからね。

 あと、ここは住んでいてですね、

「強い権力に対しての批判」はあっても、ヘイト・スピーチなるものは皆無です!

ここ、結構大事だと思います。ネトウヨが左翼を攻撃することはありますが、それはネット上だけの話で、特定の人種とか国の人を公の場で集会みたいにして行うなんてものもありません。ブラジルでそれやったら、「人種差別禁止法」に適用されて逮捕されますからね。ボウソナロで心配されたLGBT差別ですけど、それに対しての暴力事件はあるけど、就任前より増えたという話は聞いてなしですしね。

まあ、ハッキリ言いますけど、日本での韓国人へのヘイトの話とか、出版界とか政権までがそれを利用しているなんて話は、ブラジルも含め、国際的にはあまり知られてません。「ボウソナロ、度を過ぎたバカだけど、マスコミとか国民見てたらホッとはできるんだよなあ」と思うんですけど、日本はあそこまでバカな感じで目立つ政治家はいないけど、マスコミとか世論の方が実は危ない気がしますからね。

まあ、それもこれも今

この人がスッポリ、他の国のこと、隠す勢いで話題になってますからね(笑)。これ、28年勤めた下院議員で居眠りばっかりしてたことへの風刺で頻繁に使われる写真ですけどね(笑)。本当に、「寝てた方がまだ世界のためにいいよ」と言いたいとこですけどね。


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THE MAINSTREAM(沢田太陽)

音楽ジャーナリスト。90年代にNHK-FMで番組を制作した後、99年よりフリー。2004年にインディ・ロック・マガジン「Hard To Explain」を立ち上げる。2010年よりサンパウロに移住。同年に洋楽・洋画・海外ドラマ専門ブログ「THE MAINSTREAM」をはじめる。
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