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マネジメントと画餅QMS ; 航海日誌 No9

 記; QC星人
航海日誌西暦20220324
 
前回、米軍発祥のリスク分析手法(FMEA)自体が、リスクになる懸念を投稿した。このリスクへの抑止として、最新版AIAGVDAFMEA Hand Bookの冒頭では、上層経営陣からのコミットメントが重要であり、FMEA実施に関わるリソース確保や、FMEAへの責任は、経営陣が負うと明記されている部分を再読しての思い出し。
 
ISO9001IATF16949の冒頭にも、似た事が書いてある。品質マネジメントシステムを実施することで、法規制や顧客要求事項を満たせる。つまりは、QMSへのマネジメントが前提。
他には、IATF16949を含めISO9001冒頭の主は、継続的改善、サプライチェーンでのQMSの調和などが書かれるも、不良品が無くなるとは書いてない。近いのが、上記の製品が要求事項を満たすとの表現のみだから、QMSM=マネジトされた場合に、品質が良くなり、不良が減る。
そう思いたくない場合は、QMSMManualに変えるのが良いかもしれない。
それでも、世界共通基準の品質マニュアルは出来るでしょう。第三者機関・認証は、状況次第。しかし、品質改善を目的に導入するならば、マネジメントが必須と国際規格は言っている。
 
処が、製造業で働いていると、QMSISO&IATFの導入で品質が良くなるような発言をする方々がいる。例えば、QMSを守らないから顧客クレームが出た!IATFを守ってないから顧客クレームが出た!それを言う方達は、QMSIATFに、普段、どう関わっていたのか?顧客クレームが出る前、日常でのQMSIATFへの関わり方は?関わっていたならば、クレーム発生前に、ルール違反に気付くのでは?誰がQMSIATFを守らせるのか?
更には、クレーム対策でQMSを改訂する場合がある。その理由がQMSの不遵守ならば、改訂しても守らないのでは?マネジメント不備の責任転換がQMS改訂ですか?画餅QMSは、食べられないけど、書き直しは可能。(これ、キラーワードの模様。フリーズする上級管理職やQMS事務局の方々を複数人お見掛けしました。ただし、自分自身が斬られ、気付けば海外との諸刃の剣?)
 
まさに、品質とは、マネジメント次第と、気付くべき時が、顧客クレーム発生時。
そこを無視するから、品質不祥事が、繰り返されるのでしょう。
 

補足; 日系トラックメーカによる排ガス、燃費偽装は、まさにFMEAを冒涜する行為であり、上級管理職による監督不行き届き。マネジメント不足。更に、残念なのは、過去の品質不祥事とは異なり、世間も、報道も、あまり話題にしていない印象を受けること。日常茶飯事化して、飽きたのか、今や、上級管理職への戒めにもならない現状。高給取りのやったもの勝ち時代が到来か?

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