思い返してみると、私は幼少期からこの世界に違和感を感じていた。

「ドーム状で透明なガラスに覆われた中で、
人々が、生き物が暮らしているところに私はいる」…そう思っていた。

誰に聞いたわけでもない。

誰かが洗脳したわけでもない。

誰にでも両親がいるように、
最初の一歩目を踏み出したら二歩目を歩き出すように、
ただ当たり前のようにそう考えていた。

そして地球には、または宇宙には果てがあり、
そこがこの世界の端っこだと思っていた。

私はどうしてもその先に行きたかった。
そこへ行けばこの世界の仕組みが分かると思ったからだ。

だから、宇宙飛行士になりたかった。

しかし時々人は残酷なことを言う。
私は残酷なことを言われて諦めたうちの1人だ。

「宇宙飛行士は虫歯がなくて目が良くて、頭が良くないといけない。お前には無理だ」

もしあの時、
「これから虫歯を治療して、一生懸命勉強したらもしかしたらなれるかもしれないな。目は20年後には技術が発達して良くなるかもしれないから頑張ってみればいいよ！」

こんなことを言われていたら、私は今頃NASAにいたかもしれない。

日本代表の、サイキック能力とスピリチュアル能力をもった注目の美人宇宙飛行士になったかもしれない。

…なんてことを書いているが、
私は今の自分が一番自分らしいと思っている。

だから、宇宙飛行士になれなかったことに何の後悔もない。

むしろ今ではあの時親があのように言ってくれたことに感謝している。

私の人生はこうやって始まったような気がする。

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