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モザンビーク 6週間で2回目の大型サイクロン被害

モザンビーク、ジンバブエ、マラウィを襲ったサイクロンで多数の被害が出てからわずか6週間後、再びモザンビーク北部を大型のサイクロンが襲った。

3月中旬には、サイクロン・イダイの通過に伴い、3カ国で判明しているだけでも800人を超える死者が出た。被害額は、モザンビークの国内総生産(GDP)の1割にあたる、10億ドルにのぼるとの試算もある。

4月25日には、モザンビーク北部のカーボ・デルガド州周辺を、サイクロン・ケネスが通過。4月29日付のCNNは、死者は少なくとも38人が確認されたと報じている。

カーボ・デルガド州でもサイクロン・ケネスに伴う洪水で、多数の家屋が流された。国連人道問題調整事務所(OCHA)は、政府の暫定的な集計として、モザンビーク4万戸近い家屋が破壊されたと報告している。

わずか1カ月半の間に、アフリカ南部を大型のサイクロンが襲った事実は、サブサハラ・アフリカにおける気候変動リスクの高まりを可視化したものと言えるだろう。

以下は、これまでの2度にわたるサイクロンの経緯だ。

3月3日:アフリカ南東部沖で、のちにサイクロン・イダイとなる、小規模な低気圧が発生
3月5日:モザンビークとマラウィで豪雨。豪雨に伴う洪水も発生
3月11日:モザンビーク沖とマダガスカルの間の海上で、熱帯低気圧が生じる
3月14〜15日:サイクロン・イダイの通過に伴い、モザンビーク中部のベイラ周辺で大規模な地すべりが発生
3月20日:被災地周辺で大雨が続く
4月2日:モザンビークの被災地で1,400人以上がコレラに感染していることが判明
4月8日:モザンビーク、マラウィ、ジンバブエの死者が800人を超える
4月25日:モザンビーク北部のカーボ・デルガド州を、サイクロン・ケネスが通過。国連の推計では、サイクロンのルート上に74万人の住民
4月29日:CNN、サイクロン・ケネスによる死者が38人にのぼったと報道
5月3日:世界銀行、3カ国に対する7億ドルの支援を発表

冒頭の写真は、サイクロン・イダイの被災地からボートで避難してきた人たち。男性が、子ども2人を両腕に抱えている。

Photo by Denis Onyodi(IFRC/DRK/Climate Centre) taken on 21 March 2019, via Flickr
A man carries his two children off a boat that has arrived from Buzi at the Praia Nova beach, next to Beira port.

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