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モザンビーク、ジンバブエ、マラウィのサイクロン被害は長期化が予想される 170万人被災の推計も

アフリカ南部のモザンビーク、ジンバブエ、マラウィを襲ったサイクロン・アイダイの被害が、拡大を続けている。

UN Newsが3月20日にツイッターで公開した動画によれば、世界食糧計画の報道官は、「モザンビークだけでサイクロンの進路に170万人がいたと推計している」と述べた。

モザンビーク政府はこれまでに、同国中部の都市ベイラ周辺で約200人の死者を確認しているが、1千人を超える死者が出る可能性があると予測している。

今回の災害で心配されるのは、サイクロンによる、洪水や土砂崩れといった直接的な被害にとどまらない。

ベイラ周辺の地域では、電線、水道、井戸、道路といった主要な生活インフラが壊滅的な被害を受けている。

今後、特に懸念されるのは、飲料水が確保できないため、下痢など水を原因とする病気だ。サイクロン後の水たまりから発生する蚊を媒介とするマラリアなどの伝染病の拡大も懸念される。

BBC、ルモンドなどの現地入りしている海外メディアからは、主要道の寸断も伝えられている。このため、サプライチェーンの被災による、食糧不足も懸念される。

被災した3カ国は、いずれもサハラ砂漠より南の地域を意味するサブサハラアフリカにある、世界でも最貧国の一つだ。

政府機関もぜい弱であることから、今回のような大災害から独力で速やかな復興を遂げる姿は想像しにくい。国連だけでなく、日本を含む先進諸国、各国のNGOなどによる支援が必要になることが想定される。

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