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2023シーズン ザスパ全選手振り返り 中編

さて、早速やっていきます。中編!!!



14 白石智之

より輝ける場所を見つけたと思ったが
今季の白石は数字の上ではこれまでと似たようなものでしたが、確かな前進、確かな成長が見えた1年でした。スタメン出場は一試合もなかったものの、22試合に途中出場。SHだけでなくトップ下も出来るようになった事でプレーの幅、起用法の幅が広がりました。

彼の武器は瞬間的なスピードとドリブルの迫力で、スピードを使って相手を抜き去るなど、前を向いたときに出せる怖さを持っている選手でした。怖さを持っているアタッカーはザスパでは希少価値が高いので、チームに必要な存在であり続けました。今季の白石で大きかったのはトップ下でもプレーできるようになった点で、これによって起用の幅がグッと広がっていました。トップ下ではハーフレーンでボールを受けてから複雑な判断が求められますが、特別大きな問題を見せる事なく落ち着いてこなし、持ち前の瞬間的なスピードを使ってターンするなどチームへの貢献も見せました。

一方で白石の課題は守備にあります。どこまでついていくか?の判断と、どのタイミングで相手に寄せるか?の判断がかなり不安定で、それが白石の出場機会を減らす理由となっていました。しかし、今季の白石はその課題がかなり改善されており、そこまで気になる事がありませんでした。また、SHよりも守備負担の軽いトップ下で起用できるようになったことでそもそもその課題の重大性が小さくなっています。来季以降の白石はもっと出場機会を得られるでしょう。

と思っていたら契約満了。うーーーん。正直、理解はできます。瞬間的なスピードで勝負する白石にとって年齢は不安要素になります。30を越えた白石がどれほど今のパフォーマンスを継続できるのか?と言われれば不安があるのは事実です。とはいえ、今季これだけ成長を見せた白石に期待していた筆者でしたから、ショックでした。昨季終わった時点よりも希望が大きくなった今季だったので、今かよ!という思いがあります。昨季終了時に契約満了を出した方がよっぽど今よりも納得できたでしょう。まぁ、契約の切れ目が昨季だったか今季だったかの違いでしかないのかもしれませんが。まだまだ全然やれるでしょう。これからも応援しています。

15 風間宏希

書くべきものがないほどに
今季の風間について振り返る時に言葉は不必要な気がしています。32歳とベテランの立場である風間に求められるものを完璧にこなしてくれました。開幕から5試合は途中出場だったものの、それ以降は完全にポジションを手に入れて全試合出場を達成。やはりレベルの高いベテランがいるとチームは助かります。
風間の武器はなんと言ってもキックの精度。FKやCKなどプレースキックの質は極めて高く、数字の上では2アシストしかしていませんが、それはセットプレーからのゴールがこぼれ球を詰める形のものが多かったからで、風間の貢献度は数字以上でした。直接FKからの2ゴールはひたすらにエグかった。あんなの止められる訳ないでしょう。また、風間の足下の技術の高さはビルドアップでも役立っており、風間がボランチにいるからあのビルドアップは成立していました。
風間の課題は何でしょうか?やはりスピードなどフィジカル面もっと求めたい気もしますが、風間レベルの技術を持ちながらフィジカル的に高い選手なんてJ1にしかいないでしょう。課題というほどではありません。強いて言うなら回復力でしょうか。今季の風間は全試合起用されましたが、何試合か蓄積した疲労が見えるような試合がありました。特に目に付いたのはHヴェルディ戦で、いつもはしないようなファールが目立ちました。90分の質が落ちている訳ではありませんが、連続起用に耐えられなくなってきた印象はあります。来季はもっとプレータイムを管理する必要が出てくるでしょう。
風間は来年も確実にザスパにいるでしょう。年齢は移籍リスクを引き下げる要因にもなります。来年のザスパは風間を今季の内田のように起用できたらもっと強いチームになれる予感があります。それができるかは中田次第です。来年もよろしく。

17 山中惇希

もはや期待の若手ではない
今季の山中は得るものの多い1年だったでしょう。昨季はSBで出場機会を得ていましたが、今季はより向いているSHで出場機会を得ました。左だけでなく右もできるようになるなど幅が広がったのは今季の収穫。これは今後の彼のキャリアでとても大きなものになると思います。杉本の加入で出場機会が減ったのはストレスだったかと思いますが、それすらも良い経験だと思います。ホームグロウンにもなりましたし、本当に得るものの多い1年でした。
今季の山中の特に良かったところは守備でした。SHに大きな負担がかかる戦術を採用しているザスパですが、それを十二分にこなす素晴らしいパフォーマンス。シーズン序盤は守備のミスも見られましたが、後半戦にはそのようなミスが減り、ザスパでもっとも守備の良いSHへ成長していました。判断の精度に加えて、そもそもの守備強度が高いのが特に最高でした。これ以外にはレーンをまたがる横の動きができるようになったのは今季の彼が見せた大きな成長の一つです。右SHで起用される中で、相手を背負いながら左足で内側に持ち出すようなプレーをするようになりましたが、これを左サイドでも応用。相手の勢いをへし折るような内側へのカットインは山中の大きな武器となっていました。とても良かったです。
一方で課題はクロスとドリブルの成功率でしょう。クロスは相手GKにキャッチされる頻度が高すぎますし、ドリブルの成功率ももっと上げなければなりません。まぁ、あれだけ守備が良くて攻撃も文句なしだったらJ1なので、長い目で見ていきたいと思います。ホームグロウンである山中が移籍するとなるとザスパの受けるダメージも大きい事情もあり、成長して欲しいが個人昇格だけはなんとしても避けなくてはいけないという複雑な状況です。
ただ来年の山中は確実にザスパにいるでしょう。議論の余地はありません。SBからSHにポジションを上げ、できる自信もできない経験もどちらも手に入れた今季を経て、来年はどんな活躍を見せてくれるでしょうか。山中はもはや期待の若手ではなく、活躍しなければならない重要な戦力です。来年の君に期待しています。もっと良い背番号背負ってもいいんじゃないすかね。大好きです。

18 岩元ルナ

頑張りを続けてほしい
厳しい1年でした。開幕戦でデビューを果たし、これは!と思いましたがそれ以降は完全に出場機会を失い、ベンチからも外れ続けました。天皇杯で果敢なパフォーマンスを見せ、直後のH大分戦で出番を得たもののノーインパクトで終わってしまい、それ以降は出場機会を得ることなくシーズンが終わりました。
スピードを武器にサイドで勝負したい選手なのは大学時代の試合映像を見てわかることですが、なかなかそれで勝負するところまで持って行けないのが現状です。相手DFと接触すると倒れてしまうので、なかなかスピードを生かす事ができません。改善策としては接触しても負けないようになるか、そもそも接触しないようになるかのどちらかだと思いますが、前者の方が現実的な気がします。練習見学では右サイドに立っている様子も確認されており、大槻さんも彼の起用法を模索しているようです。
筆者は岩元の事をとても気に入っているので応援しています。というのも、チーム練習終了後の個人練習で最後まで岩元が残っている様子などを見て強い向上心を感じたからです。頻繁に練習見学に行っている訳ではないのに、最後まで岩元が残っている事が何度もありました。なんとか状況を改善したいと思っているのが伝わってきたので、いつかピッチの上でその努力が花開く瞬間を見せてほしいと心から思っています。頑張れ。
とはいえ、来年も彼がザスパにいるのかはわかりません。最近のザスパは出場機会を得られなかった選手をかなりドライにレンタルに出す傾向にあるので、その可能性もあるでしょう。まぁ、どこに行っても岩元が頑張るのは変わらないでしょうから、筆者も変わらずに応援し続けます。来季もザスパで見たいです。

19 岡本一真

免許皆伝
今季の岡本は怪我さえなければ文句のつけようがない1年だったでしょう。夏にヘルニアで離脱したことで3ヶ月近く試合に出られない時期がありましたが、試合に出れば素晴らしいパフォーマンスでチームに貢献しました。起用されたポジションはずっと右SBでしたが、ボール保持時に大外レーンに立つ試合もハーフレーンに立つ試合もあり、選手としての幅の広がりも見せました。
岡本の長所は基礎的な能力の高さにあります。彼は走る、跳ぶなどの身体能力から止める、蹴るの技術的な能力までサッカーにおける基本的な能力が高い選手です。これらは今後の岡本のキャリアにおいて大きなアドバンテージになるでしょう。また、対人守備での強さも岡本の武器で、SBとしての守備を当然のようにこなしてくれるのもありがたいところ。また、今季の岡本はハーフレーンで起用された事でビルドアップの関わり方がかなり上手くなった印象があり、相手を背負いながら逆をとってターンするなど成長が見られました。足下の技術があり、狭いスペースでも難なくプレーする岡本はボランチの方が向いているように見える事すらありました。あと、4ゴールはシンプルに立派です。20歳という年齢も相まってワクワクしか感じない1年でした。
一方で課題はクロスの精度です。ゴールは4つ決めていますがアシストは0。クロスが山なりになる事が多く、ここはもっと伸ばしていかなければならないでしょう。筆者としてはここが伸びるかどうかで今後の岡本のキャリアが決まると思っています。現代はSBにも直接的にゴールに関わる能力を求められる時代ですから、そこを伸ばせなければボランチとして起用される未来が待っていると思います。もちろんボランチだって良いポジションですが、日本代表を目指す時に岡本の175㎝という身長がネックになってしまうでしょう。遠藤航(178㎝)が小さいとされてしまう時代ですから、岡本も必然的にそうなるはずです。キックの精度、クロスの精度を高めてSBとして羽ばたいていった方がより高いところまで飛んでいけるような気がします。頑張ってね。
岡本は今季限りで確実に移籍するでしょう。もはや岡本がザスパで、というよりJ2で得るものはありません。J1への挑戦が適切でしょう。宮原が移籍しそうなヴェルディや毎熊が移籍しそうなセレッソ、山根が移籍しそうなフロンターレとかが良いのではないでしょうか。なにはともあれ、これからの岡本の未来に期待しています。達者で。

20 中田湧大

自分の選択を正当化するために
開幕戦にフル出場し、これは覚醒の1年になるか!と思いきやそれ以降は一切の出場無くシーズンが終わってしまいました。秋田の特殊なサッカーに対応するために背の高いボランチが使いたかったという事なのでしょう。
中田の長所は足下の技術の高さにあります。止める、蹴るのスキルがあり、安定した技術を用いてチームに貢献できる選手です。183㎝というサイズも魅力で、これは今後の彼のキャリアを助けるでしょう。また、ティアモ牧方でのプレーや今季の天皇杯で目に付いたのは視野の広さで、ボールを持っていない時もジェスチャーで周囲にメッセージを伝えようとする様子が頻繁に見られました。これも今後大きな武器になるのではないかと期待しています。
一方で課題は明白で、アジリティ、スピードなどフィジカル的な能力の低さです。これに関しては若いので仕方ない部分もあるのですが、まだまだ183㎝の体を使いこなせていない印象があります。体が完成していないのでしょう。これは引き続きトレーニングを積んでいく他ありません。また、メンタル面もちょっと心配で、天皇杯ではウォーミングアップでサボるような様子も見られました。他の選手が4回ステップするところを3回で終わりにしたり、右→左→右→左とやるところを右→左だけで終わりにしていました。それ以降の練習見学では気になる様子がなかったのでベンチスタートだからと意識的に強度を下げていたのかもしれませんが、他の選手みんなが取り組んでいることを勝手に(?)一人だけ違う事をやるのはどうなのかな?と思っています。チーム内で許可が出ているならそれで良いのですが。ここはちょっと心配でした。
来年から中田はザスパのホームグロウンになりますから、今後も長い間ザスパにいることになるでしょう。当然来年もいるはずですが、そろそろ継続的な出場機会を掴みたい。来年の中田は大学4年生の年齢になる訳ですが、来季も試合に出られないとなると大学進学した方が良かったのでは?となってしまいます。高卒でプロ入りした自身の選択を正当化するためにも来年は頑張って欲しいです。とても応援しています。

21 櫛引政敏

今シーズンのMVP
櫛引にとっての今季はキャリアでもベストになりうる1年だったのではないでしょうか。開幕戦から絶対的な守護神として君臨し、振り返ってみれば全試合出場。シュートストップはJ2でも圧倒的なレベルにあり、J2ベストイレブンに選ばれるべきだと思うほど素晴らしいパフォーマンスでした。

櫛引の武器はやはりシュートストップです。セーブ率などの数字からもわかるかと思いますが、止めるチャンスのあるシュートは全て止めてくれるのでザスパとしてはとても助かる存在でした。そして、今季の櫛引のパフォーマンスは彼の持つ雑さに支えられているように見えました。実際、櫛引のセービングは雑さが目につきます。雑というのもボールの触り方であったりポジショニングについてではなく、判断の雑さです。ボールをこぼすリスクを踏まえて無理にキャッチしないという範囲を超えて、ちょっと厳しそうだからとりあえずキャッチにいかない、最低限ゴールラインを割らなければなんでも良いと思っている様子がプレーから見て取れました。こう書くと慎重にリスク回避的な判断をしていると読めるかと思いますが、慎重というよりは雑というのが個人的な感覚です。キャッチとキャッチしないの境界線がかなり曖昧で、その曖昧さが櫛引の醸し出す雑さに繋がっているように見えました。表現として適切か分かりませんが、100点ではなく、赤点の回避に積極的というような印象です。いつも100点を取りに行く山田が近くにいたので櫛引のそんな姿勢は特に目に付きました。ただ、櫛引にとってその雑さは強みであり、雨の中での試合など、ミスが起こりやすい状況ではこの櫛引の特性がかなりポジティブに働いていました。H山口戦とかはまさに。最低限ゴールライン割らなければいいよねと割り切っているから感じられる雑さは確実性の低いピッチで上手く働きます。とても良い1年でした。

一方で課題はビルドアップでしょうか。櫛引は決して下手な選手ではありませんが、ミスキックが頻回していたのは事実です。ただ、櫛引のレベルでシュートを止めてくれるGKにビルドアップまで高いものを求めるのは求めすぎな気もします。

なんとなく、来季もザスパに残ってくれるような予感がありましたが、どうなのでしょうか。青森山田の恩師である黒田さんのいる町田にはシュミット獲得の報道が出ていましたが消えました。ザスパに残ってほしいけど、年齢的にJ1に挑むラストチャンスになりうるので、移籍しても仕方ないかなぁ。櫛引が今季のザスパのMVPだった事に議論の余地はないでしょう。来年もよろしく!残って!

22  高橋勇利也

具体的な期待を
今季も高橋は苦しい1年で、なかなか試合に出られずに終わってしまいました。ただ、昨季と違うのはサポーターに幻想を抱かせた事。元々左SBの選手でしたが、ボランチにコンバートされた今季はシーズン中盤に出場機会を獲得し、2ゴールを決めて「高橋のキャリアはこれからだ!」と幻想を抱かせるだけのパフォーマンスを見せました。しかし、その直後に大怪我を負ってシーズンが終了。なんとも悔しい1年だったでしょう。
印象的だったのは決定力でしょうか。高橋が今季スタメン出場した試合はわずか4試合。出場時間もたった384分です。にも関わらず2ゴール決めた事実が高橋の決定力の高さを表していると思います。それ以外に書くことはそんなにありません。怪我してしまったので練習でも高橋のプレーをほとんど見れてませんので。
今季がプロ3年目のシーズンとなった高橋ですが、ここまで何度もキャリアを切り拓くチャンスがありました。大槻さんもコメントに出していましたが、昨季のシーズン開幕前のキャンプで左SBの1番手として期待されていたのは高橋でした。しかし、そのチャンスを負傷(YouTubeに投稿された動画でもその様子があります)で逃すと、今季も同様にボランチとして勝ち取ったチャンスを負傷によって逃してしまいました。加入してからの2年間をほとんど試合に出られずに過ごした高橋は契約満了になる可能性もあったでしょう。しかし、そんな高橋が今季もザスパにいられたのは181cmで左利きというプロフィールを持っていたからで、そして、恐らく来季もザスパにいられるのは今季の高橋が「高橋の未来は明るい(かもしれない)」と幻想を見せたからです。幻想を見せたのは高橋の実力ではありますが、もう25歳です。幻想ではなく具体的な期待を持たせるような活躍を見せなければなりません。来季の高橋は本当に勝負の1年になります。来季のどこかで訪れるであろうチャンスを掴んでほしい。具体的な数字の伴った実績を積み上げてほしい。その実力を証明してほしい。高橋に期待している人は多いはず。そして、高橋はもっとできるはずです。 来年こそはよろしく。

23  平松宗

いるべき場所に立てれば
一言で言えば、可哀想な1年だったと思います。シーズン中盤までは主にCFで起用され、途中出場が多いながらも全試合に出場し、チームに必要な戦力として貢献していました。風向きが変わったのは長倉が移籍してからで、まさかのトップ下起用が始まります。それ以降全ての試合でスタメン起用されましたが、ほとんど上手くいっておらず、低いパフォーマンスを見せ続けました。平松は器用な選手ではなく、得意と苦手がハッキリしている選手ですのでそもそもそんな起用法したって無理じゃない?でしかありませんでしたが、平松は平松なりにできることを全てやっていたので批判するつもりはありません。
平松の良いところはやはり体の強さで、ゴール前でポストプレーをすればチームに時間と余裕を与えてくれます。184cmとサイズもあり、H栃木SC戦でのゴールは今シーズンのハイライトでしょう。また、真摯な人間性も素晴らしい所で、シーズン後半のように明らかに苦手な仕事を任されても腐ることなく努力している様子が見られたのは平松の人間性を表しているように思います。
課題としてはそれらの武器の成功率でしょうか。できることが少ない以上、得意であるヘディングはもっと競り勝たなければなりませんし、ポストプレーも百発百中で成功しなければなりません。できるプレーの幅の狭さは確かに課題ですが、それよりも得意な事を絶対成功するようになる方が優先順位は高いでしょう。もっともっと強くなってほしいです。
数字を残すことはできませんでしたし、後半戦の印象が悪いでしょうから移籍する事は無いと思っています。来季こそは平松が得意な仕事に集中できるCFで起用される試合を沢山見たいです。大槻さん頼むよ。

24  酒井崇一

確かにキャリアハイ。ただ、J1ではどうなるか。
今季の酒井は素晴らしいとしか言いようがない1年だったでしょう。A甲府戦で出場停止で欠場した以外はA藤枝戦の1試合を除いて全ての試合にフル出場。振り返ってみれば40試合に出場しました。これまでの酒井の最多出場が2021年の21試合だったので、大幅な更新。公開練習ではチーム練習に参加せず1人で軽めのランニングをこなす様子もあり、初めて経験するであろう大きな疲労と付き合いながら過ごした1年だったかと思います。絶対的な存在として大きな貢献を見せてくれました。
酒井の武器はやはりアスリートとしての能力の高さで、アジリティがあり、足も速く、ヘディングの競り合いでも強さを見せました。この酒井の武器は後天的に身につけるのが難しいものであり、今後のキャリアにおいて酒井を助けるでしょう。184cmであれだけ動けるのは凄い。また、チームに求められたアーリークロスをチーム練習終了後にひたむきに練習し続けるなど真摯にサッカーと向き合う人間性も素晴らしい所だったと思います。
一方で課題としてはビルドアップで貢献ができない所でしょうか。以前のnoteでも書きましたが、後半戦の酒井は相手プレスの奪い所に設定される試合が何度もあり、その度に苦戦していました。酒井は決して下手な選手ではありませんが、あくまでビルドアップで問題を起こさない程度であり、ビルドアップでチームに貢献するというレベルではありませんでした。酒井のように守備でチームに貢献できる選手に求めすぎのような気もしますが、J1とか日本代表とか上を目指すにはそれくらい余裕でできるようにならなくてはいけません。頑張れ。
来年も酒井がザスパにいるかどうかは不透明です。ビルドアップに主眼を置かないチームであればJ1でもやれそうですが、そうでなければかなり厳しいでしょう。ほとんどのクラブがCBに足下の技術を求めているJ1でどれくらいやれるのでしょうか?来年もザスパに残った方が良い気がしますが、それは酒井が決めること。どんな未来であれ応援しています。京都とかいいんじゃない?ホームグロウンだし。頑張って。

27 奥村晃司

君のキャリアはこれからです。
奥村は今季もとても苦しい1年を過ごしました。振り返ってみれば出場したのは2試合だけ、出場時間は14分ととても厳しい1年でした。
奥村の武器はキックの技術で、関東2部でアシスト王になった実績は伊達じゃないと思わせるだけのものを持っていました。昨季のH横浜FC戦で見せた放物線は彼のキャリアのハイライトの1つになるでしょう。
一方で課題としてはやはり守備。シンプルな守備強度だけでなくどこから行くか、どこまでついて行くかの判断が全く安定せず、なかなか大槻さんの求める基準をクリアする事ができませんでした。特に深刻だったのは強度で、本人も不足を分かっているからこそ荒くなってしまい、レッドカードでもおかしくないようなファールを連発してしまう様子が昨季の時点から見られていました。奥村なりの問題意識があっての事だったのであまり批判したくはありませんが、それはやばいっしょというスライディングが多すぎた印象があります。また、ザスパがSHに大きな負担がかかる守備のやり方をしていたことも奥村にとっては逆風だったでしょう。
契約満了となってしまった奥村ですが、J3であれば王様としてやりたい放題できるのでは?と勝手に想像しています。まだまだ奥村のキャリアはこれからです。幸多からん事を祈っています。

後半は明後日投稿する予定!きんようび!

強い気持ちで。

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