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2023シーズン ザスパ全選手振り返り 前編

12月も後半に差し掛かり、寒さも拍車をかけるように増してきた今日この頃であります。ザスパは契約更新の発表が始まっただけでなく、高澤の加入が発表されるなど少しづつ来季の見通しが立ってきました。僕を含めて4年前から応援しているサポーターは昔を思い出して高澤の加入を喜んでいますが、高校生など若いサポーターはよくわからないというのが実際の所でしょう。若いサポーター達は高澤のようなかつてザスパで活躍した選手を詳しく知る術がありません。なぜなら、当時の活躍を書き記した文章があまりに少ないからです。あったとしてもGマガですから頼りになりません。僕はこの状況を本当に残念な事だと思っています。今季のザスパは史上最高の1年を過ごしましたが、そんな1年でさえ記録されず忘れ去られるのはあまりに悲しいです。いつかの未来でこのnoteが誰かのためになる事を祈りながら今回は書いていきます。僕の文章が頼りになるかはわかりませんが、視点が増えるだけいくらかマシでしょう。

と、ここまで書いてきた綺麗事は全部嘘です。今回も自分の書きたい欲望をぶつけるために、将来、自分が今年を忘れた時に思い出すために書いていきます。全ては自分のためです。笑

1年間お疲れ様でした。

1 清水慶記

やりたい限りやってほしい
清水がザスパで時間を過ごしたのは今季で6年目。一度クラブを離れたことがありましたが、合算すれば今のザスパにおいて最も在籍年数が長い選手となっています。そんな清水にとって今季はとても苦しい一年になりました。リーグ戦での出場がなかったのは昨季と同じですが、天皇杯での出場もなくリーグ戦でのベンチ入りすら一度もなかったのは彼がザスパに来てから初めてのことです。

GKは息が長いと言われるポジションではありますが、練習見学で清水のプレーを見ている限りでは段々と厳しくなってきている印象があります。これまで清水が見せてきた武器はキャッチなどの基礎動作のレベルの高さとクロス対応の安定感にありました。しかし今季の清水は明らかにキャッチが安定しておらず、年齢による衰えが顕在化しているように見えました。清水のように経験を重ねている選手は自分の変化を自覚していると思いますが、それを踏まえてどんな決断をするかは筆者にはわかりません。

チーム内での清水の振る舞い、1試合も出られない選手が珍しくもないGKというポジションの特殊性、群馬出身で前商出身という事実を踏まえれば来季以降契約したとしてもザスパ側にメリットがあるでしょうし、ザスパ側から契約満了を言い渡すことはないでしょう。ここから先は清水がやりたいと言う限りは契約する形になると思っています。是非やりたいだけやってください。応援しています。

2 城和隼颯

新しい「ザスパの顔」になるために
城和は前半戦と後半戦で全く対照的な一年となりました。前半戦での出場は6試合11分のみ。全ての試合でベンチ入りしているものの苦しい立場に置かれていました。転機となったのは23節で、畑尾の負傷により後半から出場し、それ以降は質の高いパフォーマンスを見せスタメンの座を完全に奪取しました。振り返ってみれば良い一年だったと思います。

城和の武器は足下の技術の高さで、ボールの扱いが上手いだけでなく体の向きと違う方向にパスが出せるので、パス一つで状況を改善できます。また、技術の高さはボールを運ぶシーンでも生かされており、金沢戦で見せたような運ぶドリブルができるのはザスパCB陣において城和だけです。これらは昨季も見せていた武器でしたが、今季はこれに加えて空中戦での強さが新しい武器になっていました。高さでミッチェルデュークを完封した町田戦は城和にとって今季のハイライトの一つでしょう。これに加えて精神的な強さも印象的で、出場機会が得られなかった前半戦でも腐ることなく自身の向上のために努力を重ねていたことが後半戦の活躍からも見て取れます。また、畑尾、岡本が負傷している間にキャプテンマークを巻くなど、チームメイトから信頼されている事もわかりました。積極的な声かけをする様子もあり、チームの柱として大きな存在になりつつあるようです。

一方で城和の課題はロングキック。その精度とスピードには改善の余地があります。相手DFの背後を取るようなボールが蹴れないCBがいると、裏を取られるリスクがなくなりますから相手がどんどん前に出てきてビルドアップは苦しくなります。城和の武器である足下の技術を生かすためにもロングキックの精度とスピードはもっと向上させなくてはなりません。ここは頑張りましょう。あとセットプレーで点取れるようになりたいね。

城和の引き抜きのリスクはありますが、後半戦しか出られずプレータイムを稼げなかったことから他クラブからの評価もそこまで高くないでしょう。来季もザスパにいるだろうと思っています。今季のプレーや振る舞いを踏まえると、来季は恐らくキャプテンか副キャプテンをやるはずですから、新しい「ザスパの顔」に相応しいハイパフォーマンスを期待しています。頑張って。

3 畑尾大翔

90分の質は落ちてない
城和と全く対照的な一年となったのが畑尾。開幕戦から22節の清水戦までリーグ戦全試合にフル出場。素晴らしいパフォーマンスを見せていましたが、23節のA徳島戦で負傷(恐らく筋肉系のトラブル)し、途中交代。それ以降はベンチスタートが中心となり守備固めとしての投入やCFとしての起用などが中心となっていましたが、9月末に行われた金沢との再開試合で頭部を負傷。その影響でシーズン最終盤はベンチからも外れることがありました。

畑尾の武器は完成度の高さとロングボールです。今季の畑尾がCBとして出ている間にミスをしたシーンは記憶にありません。空中戦だけでなく対人守備やビルドアップなど全ての局面で質の高いプレーを見せてくれました。スピードがある選手ではありませんが、ラインを下げることに躊躇がないザスパの守備においてそれが問題になることはありませんでした。また、ロングボールは畑尾の武器で、相手の裏に蹴るだけでなく、アウトにかけてサイドの選手に届けるなど器用に蹴り分け、チームとしての武器となっていました。加えてセットプレーでの強さも畑尾の武器の一つで、前半戦だけで3得点を奪っています。後半戦も怪我なく試合に絡んでいればもっと得点は増えていたでしょう。これらは明確な畑尾の武器です。

一方で畑尾の課題は回復力です。これは昨季も見せていたものでしたが、90分のプレーの質が下がる事はないものの、連続起用していると筋肉系のトラブルを起こしてしまいます。加入初年度の2021年はこんな様子は見られなかったので年齢的なものが大きいのでしょう。年齢が原因であるならばこの課題の改善は期待できないので、今後はもっと畑尾に優しい起用法をしていかなければなりません。信頼できるCBが畑尾と城和の二人しかいなかった昨季とは違い、今季は酒井がいたのでもっと上手くやることはできたと思いますが、それは畑尾の責任ではないのでここではこれ以上書きません。

来季もよろしく!と思っていたらまさかの契約満了。流石に契約満了は想定していませんでした。フロントとしては畑尾の代わりとなる選手を獲得できる見通しが立っているのでしょう。残念ですが、まだ全然やれると思うので引き続き応援しています。大宮に行きそうな予感。

4 川上優樹

時代じゃない。
結局、川上は1分たりとも出場機会を得る事はできませんでした。ボールを扱う技術を求められるザスパCBにおいて最も技術的に拙い川上が空中戦も対して対して強くないという事実は本当に重いことでした。守備でも攻撃でも貢献できない川上の何が足りなかったか?と問われれば、全てとしか言えないでしょう。J2で通用するものを何も持っていないように見えました。

彼が18歳の高卒ルーキーであれば漠然と期待する事もできましたが、彼は今季が4年目となる大卒の選手なので未来に期待するのも難しくなってきました。もはや足下の技術が拙いCBが活躍出来る時代じゃないと思います。秋田みたいな極端なサッカーか、プレースピードの下がる下のカテゴリーならやれるのでしょうか?これはわかりません。これからの未来が明るいものになったら嬉しいです。

5 川上エドオジョン智慧

必然のキャリアハイ
今年のエドを一言で言えば素晴らしいとしか言いようがありません。エドにとって今季はプロサッカー選手として7年目のシーズンでしたが、キャリアハイとなる27試合に出場。プロ初ゴールも決め、来期以降の自信に繋がる一年となったことでしょう。元々右SBの選手ですが、シーズン序盤は左SHとして左大外レーンで活躍。岡本が負傷すると右SBに位置を変え右ハーフレーンで頑張りました。大外レーンに立ったりハーフレーンに立ったりと様々な経験をしたことで選手の幅も広がったことでしょう。来年以降が楽しみです。

エドの武器はアスリートとしての能力の高さとそれを生かしたブレーキの上手さにあります。167㎝で68kgというプロフィールからもわかるように体は鍛えられており、スピードやアジリティなどフィジカル的にとても優れています。特にアジリティは目を見張るものがあり、加速力はザスパの選手の中でもトップレベルでした。また、急加速したスピードを急減速させるのが上手いのもエドの武器。ドリブルしながら急減速することで相手のプレスの勢いを止めるのはエドにしかできない特別なプレーでした。また、基礎的な技術力が高いうえに守備でも課題を見せず、大きな欠点がない選手でした。

そんなエドの課題はゴール前での貢献度の低さでしょう。サイドの大外レーンで戦う選手として目の前の相手を抜くドリブルはもっと求めていきたい部分です。また、クロスがミスキックになることも多いため、ここの精度ももっと見せなければなりません。ただ、エドは周囲の選手と関わりながら状況を打開するプレーが上手ですし、今季中にこれらのエドの課題が大きな問題になったことはありません。あくまで今後ザスパやエドがもっと上のレベルを目指していく時に求めていかねばならない部分なので長い目で見ていきたいと思います。

今オフのエドの移籍リスクはかなり小さいと見ています。年齢的にも25歳と凄く若い訳ではありませんし、J2において安定したプレーをしたのであって突き抜けた選手だったわけではありません。移籍初年度ですから契約も残っているでしょうし、移籍金を支払うほど欲しがるクラブは多くないでしょう。筆者としては今後のザスパにはエドのような選手を集めて欲しいと考えています。J2において圧倒的な選手ではないものの、信頼出来るパフォーマンスができる選手。このレベルの選手を集められればザスパはもっと上に行けるはずです。エドが徳島で試合に出られなかった事実はなかなか理解しがたい部分もありますが、巡り合わせが悪かったのでしょう。彼の実力を考えれば、今季のキャリアハイは必然でした。来季は更なる活躍を期待しています。

6 内田達也

武器は「性格」
開幕してからの2試合は出場がありませんでしたが、それ以降はほぼ全ての試合で途中出場。ほぼ全試合途中出場というのは大槻さんから一定以上の信頼を勝ち取っている証ではありますが、一方でスタメンを勝ち取ったのが24節の熊本戦だけという事実が内田の立ち位置を象徴しているとも思います。

ここまで最初に選手の武器に触れてから課題を書いてきましたが、内田は順番を逆にした方が書きやすいのでまず課題から書いていきます。内田の課題はボールを扱う技術の拙さとアスリートとしての能力の低さです。こう書くとサッカー選手としての能力が低いのか?と思う方がいると思いますが、その通りです。内田は能力だけで見たらJ2で活躍するレベルには達していません。簡単なボールをトラップミスしますし、フリーで蹴ったパスはズレます。足も遅く、アスリートとしての能力も高くありません。

そんな内田がどうしてJ2でこれほど出場機会を得られたのか?その理由は内田の武器にあります。まず、内田はとても頭が良い選手で、自分が求められている役割をよく理解しています。今季の内田を見ていて以前よりミスが減った印象を受けましたが、それは内田が大槻さんの戦術や求められている役割を理解したからだけでなく、チームに戦術が浸透したことで内田の認知的な負荷が下がったからです。戦術は選手を上手く見せることがありますが、今季の内田はその典型のような選手でした。また、戦術が内田を助けているのは事実ですが、内田のプレーが良かったのはこれだけが理由ではありません。語弊を恐れずに言えば、内田自身が自分が下手であると認めているから良いプレーができていました。恐らく、内田は自分自身が技術的に拙いことを自分で理解しています。だからこそ、誰よりも首を振って事前に情報を集めようとしていますし、事前に良い状況を作ろうと丁寧にポジションを取ります。プロの世界で自分が下手だと認めることは簡単なことではないでしょうが、それが出来ているのは内田の謙虚さ、人間性があるからです。彼の武器を一言でいえば「性格」でしょう。

そんな内田は来季も確実にザスパにいるだろうと思っていましたが、まさかの契約満了。確かに彼の選手としての能力が不足しているのは事実です。筆者としても、もっと上の順位を目指すためには内田をベンチ外に追いやるほどの選手層が必要だとは考えていました。しかし、大槻さんの信頼がありましたし、このタイミングで契約満了になるとは思ってませんでした。ショックでしたが、強くなるためには必要な判断だったと思います。次のクラブでの活躍に期待しています。大好きでした。

7 川本梨誉

確かな才能、確かな成長
川本にとって今季は成長の一年となりました。2000分以上のプレータイムを得たのは投資的な意味合いが多分に含まれた起用だったように見えましたが、この1年で大きな成長を見せてくれたと思います。シーズン開幕してすぐは左SHとして起用されていましたが、シーズンが進むにつれてトップ下、CFなど様々なポジションで起用されるようになりました。

川本の武器はアスリートとしての能力の高さと前を向いたときに見せる攻撃性能です。どちらもザスパの中では頭一つ飛び抜けたレベルにありました。川本のように体を動かせられる選手は他にいませんし、川本のようにドリブルで相手に怖さを見せられる選手も他にいませんでした。今季のザスパにおいて最も才能がある選手だったと思います。特に後半戦のザスパにおいて数少ないボールを前に進められる選手だったので、そういった点でもかなり助かりました。川本が持っている武器は後天的に身につけるのが難しいものなので大事にしてほしい。武器を失うことなくキャリアを続けていけたらどこかでJ1にたどり着けると思います。

シーズン当初の川本の課題は後ろを向いた時の選択肢の少なさで、特に開幕直後の左SHとして起用されていたころはその課題が悪目立ちし、サイドで後ろからパスを受け、何も出来ずに潰されるというシーンが繰り返されました。CFとして起用されるようになってからもこの課題はそのままで、簡単にボールを奪われるシーンが多かったためにかなり印象が悪かった記憶があります。しかし、川本はシーズンが進むにつれて背負った状態から前を向く技術を手に入れたためこの課題は克服したと言っても良いでしょう。背負いながらのドリブルなど他に身につけて欲しいプレーは他にもありますが、この1年での成長としては大きなものでした。これ以外の課題は視野の狭さで、ゴール前で前を向くとシュート以外のプレー選択をすることが出来ません。もう少し視野が広ければチームとしてのゴール数が増えていたと思いますが、22歳という年齢からくる未熟さと、レンタルでの加入という立場を考えると自分の数字に固執するのも仕方ないと思います。清水に戻るためには数字が必要だもんね。

来季の川本についてはわかりません!わかりやすい数字を残すことは出来なかったので争奪戦という形にはならないでしょうが、レンタルの選手なので清水の意向次第です。川本の才能は明らかなので、保有権を獲得してほしいというのが筆者の願いです。来年は川本のための一年になる予感があります。来年も残ってね。

9 北川柊斗

「何でも出来る」と「何をやらせてもいい」は違う
まさかこんな使われ方するとは!という一年でした。本来のポジションのCFではなく、右SH、右WBとして出場機会を得ることがほとんどで、勿体ない起用法をされ続けました。シーズン開幕前に公開された練習動画から右SHとして練習している様子は確認されていましたが、ハーフレーンに立つ右SHとして起用されるのだとばかり考えていました。実際は大外レーンに立たされることが多く、北川にとってはこれまでに経験したことがない立ち位置だったと思います。この起用法が上手くいった試合は記憶にありませんが、それは北川の特徴に合わない起用法をしていたからなので北川のせいではありません。

北川の良いところは何でもできる事にあります。180㎝と極端に大きい訳ではありませんが空中戦に強く、スピードもあり、ポストプレーも上手です。ザスパ加入当初はこれといった武器がない選手でしたが、昨季になって良い意味でマルチストライカーへ成長した印象がありました。

大外レーンに立つ選手としてはドリブルで相手を抜く能力が不足していましたが、それは北川がそういう選手ではないだけです。そんなものは北川の課題ではありません。確かにサイドに空中戦に強い選手がいればチームは助かりますし、背負うプレーはサイドでも求められます。でも、北川を大外レーンに立たせるのは間違いです。確かに北川は何でも出来ますが、何をやらせても良い訳ではありません。幅が広がったのではなく良さが薄まっていました。大外レーンから内側にボールを運ぶドリブルができるようになったのが成長だったでしょうか。あれは北川がサイドで生きる為に身につけた技術だったでしょう。

スタジアムでは北川を契約満了にするべきと話しているおじさんがいましたが、そんなのありえません。今季の北川のパフォーマンスが低かったのはサイドで起用されていたからで、北川の責任ではありません。チーム事情も少なからずあったでしょうが、低い評価を下すのは不当でしょう。CFで起用すれば2桁ゴール取れたと思うんですよね。来年に期待しています。

10 佐藤亮

チームのために走り、己のために足を振る。
佐藤にとって良い1年だったでしょう。今季の佐藤は右SHを中心に起用され、途中コンディションを崩してベンチに座る試合もあったものの全試合に出場し、6得点9アシストと数字を残しました。

佐藤の武器は左足の精度と献身性にあります。9アシストという数字からもわかる通り、左足の精度が高く、ピンポイントで人に合わせる質の高いボールを蹴れます。フリーでボールを持てば高確率で質の高いクロスが入ってくるのでチームとして武器の1つとなっていました。また、守備での献身性も素晴らしいポイントで、守備負担の大きいSHでサボる事無く守備に取り組み続けました。ザスパの守備はSHがサボったら崩壊する仕組みになっているため、佐藤の献身がザスパの好調を支えていました。

一方で課題はアスリートとしての能力の低さにあります。佐藤は瞬間的なスピードがないため相手をドリブルで抜けません。ビルドアップの局面でもボールを前に進められませんし、ゴール前でも対面の相手を抜くプレーがほとんど見られませんでした。試合前に走りの意識付けの動きをしている様子もあり、スピードを上げるためのトレーニングを積んでいる事は伺えましたが、トレーニングして今の状況ということは伸び代もそこまで残っていないように思います。これは佐藤が今後のキャリアで向き合い続ける課題になるでしょう。
また、これ以外に気になったのは利己的なプレー判断。今季の佐藤は自分が数字を残すことに強くこだわっていたように見えました。周囲の仲間がフリーでもカットインからシュートを狙うシーンが多く、そして、そのシュートはことごとく止められ続けました。今季の6ゴールのうちペナルティエリア外からのゴールはA甲府戦の1点のみ。このゴールシーンもカットインで相手を剥がしきれず、パスを出して最終的にこぼれてきたボールを蹴り込んだ形でした。振り返ってみれば、あれだけ繰り返していたカットインからのシュートは1度も成功していない訳です。献身的な守備はあるものの、チームの勝利より自分の数字を優先しているように見えてしまう試合があったのが実際の所でした。もっと余裕と視野を持ってほしかったですね。

彼は今季限りで確実に移籍するでしょう。ザスパ加入時の会見でも北九州にいた昨季途中から移籍を考えていたとはばからずに口にする佐藤ですから、上昇志向が強いのは明らかです。早くJ1に行きたいのが本音でしょう。アスリートとしての能力が足りないので活躍するのはちょっと難しそうですが、強い気持ちで乗り越えてほしい。頑張ってね。

13 武颯

来季については不透明

一言で言えば微妙な1年でした。秋田からレンタルで加入し、契約上の関係で開幕の秋田戦は出られなかったもののそれ以降はスタメンとして出場機会を得ました。ザスパのシーズン初ゴールは彼が天笠のミドルに詰める形でもたらされ、シーズンを通して中心的な選手として活躍すると大きな期待感を感じさせました。しかし、6節のA清水戦で相手にアキレス腱あたりを踏まれ負傷交代し、14節のH山口戦まで離脱。復帰してすぐゴールを決めたものの22節のH清水戦以降は2ヶ月以上試合に絡めず(これも恐らく怪我)。開幕当所の期待感は途中から消えてしまいました。怪我が癒えてシーズン終盤は出場機会を得ていましたが後半戦のスタメン出場は3回のみで、最終的に微妙な立ち位置でシーズンを終えました。

武は背中で相手を押さえ込むのが上手い選手で、ゴールキックの競り合いで勝てないまでも引き分けてセカンドボール勝負に持ち込むことができます。スピードもあり、ポストプレーも上手で良い選手でした。

一方で課題はあまりにオフサイドが多いこと。裏に走るタイミングが早いというよりはそもそも走り出す位置がオフサイドのように見えることもあり、これは連携というよりも武自身の課題であったように思います。怪我の多さも課題かもしれませんが、インスタなどからは個人的にトレーニングを行っている様子も確認されており、ケアに問題があるとは思えません。運が悪かったと思います。

来年以降についてはわかりません。そもそもレンタルで加入している選手なので動きは流動的です。高澤の加入&北川の契約更新で残らない匂いが強くなってきましたが、どうなるでしょうか?


さて、ひとまずこれくらいで小休止。まだ13番の武までなので先は長いです。予定としては明後日に中編を投稿します。文章は完成しているので乞うご期待。

強い気持ちで。


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