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選挙に行くべきなのはわかる、けど

選挙に行くべきなのはわかる、

けど「そこまでの気力がねぇっすわ、」という人も少なからず居るはず、と、独身時代に選挙に行く気力が無かった私は思うのだ。

(先に言っとく、結婚してからは投票してるよ。)


独身時代、私は最大で三つのバイトを掛け持ちして居た。早朝のコンビニ勤務、曜日の決まった整骨院勤務、その空いた曜日を埋めさせてくれた靴屋勤務。まるっと休み、という日はそうそう無かった。たまにコンビニで働いた後何も入ってない、という日がある程度。学も無く正社員経験も無くメンタルもお豆腐だった私は、そうやって細切れで働くことだけで精一杯だった。

家賃はよく滞納、家賃の取立ての人が来たこともあった。当然、年金や税金は申請をして後払いとかにしてもらっていた。給料は全部足して、いい時で14万くらい。どのアルバイトもほぼ最低賃金だった。

こういう「手帳を取得したりするレベルじゃあなくとも、社会生活がかなりギリギリスレスレで送れている感じで病んでいる」という人は、きっと多分ものすごく多い。そういう人に限って、頼れる親御さんもいなかったりする。通院するお金も無かったりするから、診断名もつかない。よって国からの援助的なものは皆無なのに、常にストレスで体のどっかこっかがおかしかったり、仕事を続けられなかったりで、非常に苦しい思いを強いられるのだ。

そんな状態にあると、期日前投票にだって行けない。

私がそうだった。選挙当日には当たり前に仕事、だからといって期日前投票があると言われても、それに使う時間があるなら家で休んでいたい。社会を変えるには投票、と言われても、頑張れないものは頑張れない。まったく投票しないやつは…!という批判を目にする度「投票できる余裕がある人とは違うんだよこっちは、」と感じていた。第一、期日前投票できる場所が私の時にはえらい遠かったのもある。自動車も原付も免許の無い私は、バスで市役所へ向かうしか無かったけれど、バスに揺られてまでして仕事の前に投票してくるというそこまでの気力は本当に無かった。

先日、とある作家さんが「早くネット投票できるようにならないかね、」と仰られていた。もっともだと思う。部屋でスマホをいじりながらポチっと投票できたなら、それこそ若い層の投票率なんてぐんと上がるだろう。

この時期は選挙の話題が本当に多い。ツイッターのTLを眺めていたら、それまで政治のことなんか少しも言っていなかった人が、いきなし政治家の名前を出していたりする。私はこんな無名でも一応バンドマンなので、どこの党を応援するとか誰に投票するとか、そういうことは口にしない。賛否両論あるだろうけれど、自らに定めているセルフイメージと照らし合わせて、私は政治のことには極力触れないバンドマンであることにしている。

(念のため、政治のことを語っている人を悪く言うつもりはありません。私はこうしている、というだけです。)

そもそも選挙に行く気力が無い人には、どこの党が何をしてくれるかよりも、投票し易いシステムの構築の方が重要なんじゃあないのかなあ

そんな風に思いながらTLを眺める。だってマニフェストなんて大概破られる。だからこその投票、と言われても、仕事から一刻も早く帰ってシャワーを浴びて安いお酒を煽ってYoutubeかツイッターでも眺めてひたすらごろごろしたい人レベルに疲れているたちには「それどころではない」のだ。それはどうしても、過去の私が理解している。画面の向こうの政治家はあくまで「画面の向こうの人」、同じ「画面の向こうの人」であってもヒカキンさんとかの方がよっぽど、たくさんの人の心に栄養を与えてくれていることだろう。

だからといって私は「投票なんてムダ!」と言いたいワケではけして無い。無いけれど、せめてネット投票ができるようになればな、と感じている。

ネットで有名な、

お前の目の前の箱は何の為にあるんだよ」、

その言葉をまさに、選挙制度に対して突きつけたい。なんてね。

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