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若い世代こそ対世界へ!『PANCRASE 327』感想レビュー

こんにちは
本日は「PANCRASE 327」が立川ステージガーデンにて1部2部に分かれて開催されました。
メインは木下、そのほかにも鶴屋怜のパンクラス電撃参戦、ISAOへの挑戦権をかけたフェザー級トーナメント決勝など楽しみな試合が盛りだくさん。

それでは順に振り返っていきましょう。

【第1部】

第1試合:フェザー級5分3ラウンド
工藤修久vs.平田純一 

工藤47歳、平田49歳というどちらもおじさん同士の戦い。おそらく本日が昭和の日ということで昭和生まれ同士の試合を組みたかったのだと思います。

試合展開
工藤がケージに押し込む展開で途中、工藤の膝が平田のローブローに入り試合中断。なんとか試合再開となり、工藤がまた平田をケージに押し付けテイクダウンし上になる。平田も下から関節を取ろうと攻めるも1R終了。
2R平田の大ぶりのパンチを交わして工藤がバックを取り後ろから膝蹴り。そこから倒してバックマウントからパウンド。その後工藤が腕を取って伸ばそうとするも平田が耐える。
3R工藤がローキックからタックル行くも交わされ平田が上を取る。猪木アリ状態になりスタンドに。工藤が立ち上がりながら片足タックルでケージに押し込んで倒しそのまま試合終了。
結果は、3-0で工藤修久の判定勝ち

まぁこういう試合になりますよね。
アラフィフでこれだけ動けるのも凄いが、正直眠くなりました。
仕方ないですが、オープニングファイトとしての仕事は両者全うできていなかった気がします。

第2試合:バンタム級5分3ラウンド
平田丈二vs.ジェイク・ムラタ

大阪・闇愚羅の平田は、2021年5月に福島啓太に1R TKO勝ち後、9月にTSUNEに判定負け。ムラタは、ZST第3代バンタム級王者で2020年10月に神田T800周一に判定勝ちも、2020年12月のighting NEXUSで森山壱政のリアネイキドチョークに一本負け。2021年10月に井村塁にも三角絞めで敗れており、連敗を脱出できるか。ともにバンタム級ランキングが手薄な今こそランク入りして王者挑戦に近づくチャンスだ。

試合展開
1Rお互い近い距離で様子見をするが、ムラタがパンチを打ちながら組もうとするも平田に切られスタンドの展開に。ムラタのパンチで平田がフラつき組み付いてケージに押し付け凌ぐ。そこから離れ再びスタンドになり平田も左ストレートを返す。ムラタもジャブを的確に当てるが、今度は平田の左ストレートがムラタの顎に入りダウンし、追撃のパウンドで試合終了。
結果は、平田丈二の1RTKO勝ち。

序盤はムラタのペースで、そのまま持って行くかと思ったが、平田の打撃で勝負あり。平田は今回の勝利でランキングに食い込むことでしょう!

第3試合:フェザー級5分3ラウンド
田村一聖vs.三宅輝砂


ランキング6位・第6代フェザー級K.O.Pの田村一聖が10ヶ月ぶりに帰ってくる。ここ最近は振るわない戦績だが、もう一度王座返り咲きの為に練習時間を取っている。ランキング9位の三宅輝砂はまだ22歳だが2021年NBT同級優勝の天才児で王者挑戦を虎視眈々と狙う。この日はフェザー級絶対王者ISAOへの挑戦者も決まるが、群雄割拠の階級で気勢を上げるのはどっちだ!?

試合展開
三宅が飛び膝を狙うも交錯しスクランブルで田村が上を取る。パンチを打ちながら抑えこむ。
2R田村のカーフを打ち、三宅がパンチのプレッシャーをかける。途中田村が組み付きケージ際で攻防。足をかけてテイクダウンを狙うも三宅も粘る展開が続き3Rへ。
3R田村がタックルを狙うも切られ気持ちが折れたように見えたが片足に組み付きケージで組みの攻防。終盤入れ代わり田村が動かなくなったところにバックをとり三宅が極めにかかるも田村が何とか凌ぎ試合終了。
結果は3-0で田村一聖の判定勝ち。

解説の大沢ケンジも言ってたけど、3R明らかに田村が気持ちが切れたので、寝技でなく打撃で行けば三宅は勝てたかもしれない。
田村は執念のタックルでようやく連敗脱出。
体力とか気持ちの面でかなり危なっかしいが、まだ頑張ってほしいです。

第4試合:ライト級 5分3ラウンド
平信一vs.粕谷優介 

ランキング9位の平はZST第2代ライト級王者で暴走ジャーマンならぬ暴走パンチで昨年10月大会をKO勝利で飾った。一方UFCで2戦した経験もありその実力は皆が認めるものの勝ち負けを繰り返す粕谷。平に分が悪いとも見れるが暴走ファイトに振り切れるなら十分勝機はある。暴走ファイト平か?保守正当・粕谷か?

試合展開
平が組みにいくも、粕谷が逆に倒して抑え込みマウントを狙う。マウントを取り平が逆を向くとバックマウントからチョーク。平も後ろを向きながら積極的に殴る。粕谷が腕を取ろうとするも平が凌ぎ、その後は上から平がパウンドを打ち粕谷が出血。
2R粕屋が早々にタックルしバックを取り、平の身体を伸ばしてチョークスリーパーが見事に入り平がタップアウト。
結果は、粕谷優介の2R一本勝ち。

粕谷の組力のつよさにびっくりしました!グラウンドコントロールもさすがのテクニック。
対する平も気迫すごくていい選手だなと思った。両者また試合が見たくなるような、良い試合でした!

コーメイン:ライト級 5分3ラウンド
松岡嵩志vs.冨樫健一郎

4月29日の昭和の日に、THE昭和FIGHTERが集結!41歳の冨樫健一郎が16ヶ月ぶりにCOME BACK。ランキング規定により1年以上パンクラスで試合をしていないので外れているが、以前は1位だった誰もが認める実力者、そして曲者だ。ランキング8位松岡は3連勝後に前回手痛いKO負けで、ここから再浮上するしか無いがそれにしてはシンドい相手。

試合展開
1R早々に松岡のワンツーで富樫がダウン。松岡がパウンドでラッシュするも富樫が組み付いて凌ぐ。そのあとも松岡のパウンドを喰らいながらギリギリで凌ぐも終始パンチをもらい続け1R終了。
2R富樫の左ストレートが当たるも逆に松岡の右ストレートを貰い、凌ぐために組み付き、そこで富樫の流血でドクターチェックが入る。その時点で富樫の顔が腫れ上がった状態に。試合は続行となり、富樫が前に出るも松岡の右ストレートで再度ダウンしパウンドでレフェリーストップ。
結果は、松岡嵩志の2RTKO勝ち。

これは、かなり危ない試合でしたね。本人にちゃんと意識があって試合をやる気あってもレフェリーは1R早々に止めても良かった。それくらい見ていて心配になる試合でした。
松岡は本当にきれいな打撃打つなーと思ったので、またライト級で上位陣との戦いを見たいです。

メインイベント:フライ級 5分3ラウンド
上田将竜vs.有川直毅

2021年10月の小川徹とのタイトル戦で判定負け。本人にとって不甲斐ない試合内容で落としたことで引退も考えたという上田。対する有川は、2021年6月にPANCRASEで山中憲次に判定勝ち、2022年1月には「GLADIATOR 016 in OSAKA」に参戦し、藤田健吾に判定勝ちするなど自信を深めた。鶴屋怜の参戦で活気づくフライ級で、王座挑戦にリーチを掛けるのは復活の将・上田か? 毅然とした態度で臨む有川か?

試合展開
有川が出入りしながらのパンチで、上田がローキックを打つ。その後上田が左フックをうちながらタックルに行きケージ際で組みの攻防。進展なくブレイク。有川が入ってきたところに上田の左フックがカウンターで入る。有川もローキック連発で流れを断ち切る。
2R上田がパンチを打ちながらのハイキックやテイクダウンをフェイントにパンチを当てるなど流れを作っていく。有川も前に出てパンチを出すも上田のカウンターを貰う。
3R上田が左ジャブで距離を取りタックル狙うも切られ、有川がカーフで攻める。上田がテイクダウン狙いケージ際の攻防になるがお互い決定打にかけ、最後は離れて打ち合いになり試合終了。
結果は、2-1で上田正竜の判定勝ち

なかなか様子見の展開が多く、見ていてもしんどい試合でしたが、上田が復帰戦を飾りフライ級のベルト戦線に踏みとどまった。

【第2部】

第1試合:ウェルター級73kg以下契約5分3ラウンド
近藤有己vs.鈴木一史

この試合はライト級(-70.3kg)契約でしたが本日の体重申請時点で近藤選手は78kgあり、ライト級での試合は困難と考え対戦相手の鈴木選手側と協議し、鈴木選手側が「73kg以下」まで譲った為、ウェルター級キャッチウエイトとします。
2023年のパンクラス設立30周年へ向け、第5&8代K.O.P.の「不動心」近藤有己は踏み出す。対する鈴木一史もWARDOGライト級第3代王者として1年半ぶりの勝利を志す。

試合展開
1R早々に鈴木が組み付き、近藤を持ち上げて倒しトップキープ。後半に近藤が何とか立上がりパンチでプレッシャーをかけ、近藤のワンツーが鈴木に綺麗に入りでダウン。追撃のパウンドを打つも鈴木が何とか凌いでスタンドへ戻り2Rへ。
2R近藤の左があたるも、鈴木がシングルレッグからテイクダウン。肩固のプレッシャーから上から肘を打つ。近藤が回転して返してスタンドに戻るも、再度鈴木がテイクダウンする展開。
3R近藤がプレッシャーをかける。近藤のローキックをつかんで鈴木が組み付くも離される。近藤の左フックが当たるが鈴木も組み付く。しかし近藤に逆に倒されトップキープする近藤の腕を取ろうとするも決まらず試合終了。
結果は、3-0で近藤有己の判定勝ち。

昭和マッチ第3戦目。
46歳近藤有己の勝利!完全に粘りがちでしたね。
しかも未だにコンスタントに試合をしているというのがすごいです。

第2試合:フェザー級 5分3ラウンド
4-MAN TOURNAMENT 決勝戦
岩本達彦vs.透暉鷹

フェザー級絶対王者ISAOへの挑戦権をかけたトーナメントマッチ「フェザー級4-MAN TOURNAMENT」の決勝に進んだのは、寝業師Ryoから一本奪ったランキング2位 で2020年NBT同級優勝の岩本と、もともと出場予定だった亀井が負傷により主催者判断で出場見送りとなったため、ランキングランキング3位で修斗2019年同級新人王、リザーブマッチで一本勝利した透暉鷹に決定!果たしてISAOに挑戦するのはバトルタワー岩本か?タフガイ透暉鷹か?

試合展開
岩本がジャブを当てリズムをつかみそうだったところに、透暉鷹が組んでテイクダウンしサイドを取り抑え込む。そこから透暉鷹が1発重たいパウンドを打ち込むと岩本の動きが止まり、それをチャンスと見て透暉鷹が追撃したところでレフェリーが止めに入る。
結果は、透暉鷹の1RTKO勝ち。

まさかのリザーバーからの逆転優勝!!
たしかに透暉鷹はパンクラスのフェザー級の中でもフィジカルはトップクラスであり可能性はありましたが、まさか本当に優勝するとは!
ISAOもフィジカルえぐいので、なかなか厳しいと思うが今回の勝ち方を見ると期待しちゃいますね!

第3試合:バンタム級5分3ラウンド
井村塁vs.TSUNE

デビューからわずか7戦目のバンタム級暫定王座挑戦で、強者・中島太一に初黒星を付けられたランキング2位井村の再起戦は、中島とほぼ同試合数を経験しているランキング7位ベテランTSUNE。しかも井村の発展途上箇所の打撃が得意と来ている。Nexusenseの地元・立川で晴れ姿を見せたい井村だが、TSUNEがその打撃で吹き飛ばすか?井村の伸び代が上回るか?

試合展開
序盤はお互い打撃戦で、井村の右ストレートがTSUNEに当たり、そこへ追撃しようとしたらTSUNEのカウンターの左ストレートで井村にヒットし、さらに追撃のパンチをもらい井村がダウン。TSUNEがトップから肘をうち、井村が下から腕を狙うもケージを蹴ってうまく逃れる。再度、腕を狙うもそれも逃げられ、TSUNEからのパウンド連打を受ける。
2R井村が早々にタックルでTSUNEをケージに押し付ける。TSUNEに返されると下から三角と腕十字を狙うがこれも外され、上からパウンド。
3R井村がタックル狙うも切られたため引き込む。TSUNEがトップキープし井村も下から三角とフロントチョークを狙うもTSUNEが凌ぎ試合終了。
結果は3-0でTSUNEの判定勝ち。

TSUNEはこれでこれで3連勝中!安定感が凄かった。井村の寝技にもしっかり対応できていたし、タイトルマッチへ近づく勝利だった。
井村は前戦の中島太一戦まで負けなしだったが、ここにきて実力者に2連敗。しかしまだ若いし極めの怖さもあるので、次戦も期待しています!

コーメイン:フライ級5分3ラウンド
秋葉太樹vs.鶴屋怜 

「強い奴とやってないから、ホントに強いかわかんないよな」鶴屋怜に付いて回るネガへの回答がこの試合だ。ほら、知りたいんだろ?ランキング3位の秋葉に新星・鶴屋がどれだけ戦えるのか。

試合展開
1Rグローブタッチからいきなり鶴屋がタックルを仕掛ける。そこからスクランブルの展開となり逆に秋葉が鶴屋の腕を取るも、逃れてバックをとる。バックチョークを狙うも秋葉も鶴屋の腕を掴み防ぐ。そこから秋葉もバックを取り返すが、スクランブルの中から鶴屋が立ち上がり、再度鶴屋が秋葉のバックを取り返す。そしてそこからチョークが入り秋葉がタップアウト。
結果は、鶴屋怜の1R一本勝ち。

スクランブルを制した鶴屋怜の見事な一本勝ち。そして鶴屋のグラウンドコントロールめっちゃ強くて自信に満ち溢れている感じがすごいね。PANCRASEの上位陣にこの勝ち方できるのもヤバイ。
そしてマイクではタイトルマッチ希望。
この強さなら見てみたいかも!

メインイベント:ウェルター級5分3ラウンド
木下憂朔vs.村山暁洋 

アマチュア5戦無敗・プロ4勝1敗、若干21歳のWonder Boy木下憂朔が関東2戦目。迎え撃つ村山はダブルスコアの42歳だが、元王者の老獪でタフで、試合の流れを瞬時に判断してポイントを抑える能力をもって年齢差を帳消しとするか。木下は、2021年11月のRIZIN TRIGGERで住村竜市朗を打撃で上回りながらもケージ掴みのフットスタンプで反則負け。苦い授業料を払っている。木下にとって村山戦は、今回こそ格闘家として飛躍する為の貴重な授業となるか。難関を突破し、木下が合格するか、それとも格闘高偏差値の村山が壁となるか。

試合展開
1R早々に村山が組み付き木下をテイクダウン。そこからバックをとる。しかし木下が体を向かい合って強引に立ち上がる。スタンドの展開となりそこから木下が飛び膝蹴りを出すと、村山の顔が下がったところに膝がもろにヒットしダウン。追撃のパウンドでレフェリーストップ。
結果は、木下憂朔の1RTKO勝ち勝利。

流石ワンダーボーイ!!一瞬ヤバいかもと思ったけど、そんな不安をもろともせずにこの豪快な勝ち方!
そしてマイクでは9月にタイトルマッチを希望。これでチャンピオンになれば海外進出も見えてくるのでは?
早く海外に行って欲しいです!

■若い世代こそ対世界へ!

ここ最近は対世界において日本人選手の負けが続いている中で、20代前半の若い世代の台頭が目覚ましい!
本日勝った木下憂朔や、鶴屋怜然り、負けてしまったが井村塁も非常に期待が持てる存在。
中堅どころが苦い経験をしている中で、若い世代がしっかりと上の世代に対抗してきているのは非常に日本MMA界においてはいい流れになっているはず。

そんな中、今週の日曜日には、修斗世界フライ級王者の平良達郎22歳がUFCデビューを果たす!
10戦10勝0敗と無敗の平良が、どれだけ通用するのかを体現してくれるので、非常に楽しみです!!
UFCプレリムファイト1試合目なので、YouTubeで無料で見れるので是非見ていただきたいです!
試合は朝5:00からなので当日は頑張って早起きします。。

そんなわけで今回はこの辺で!

お疲れ様でしたー




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