パンデミックと国民性

空気の乾燥しやすい季節の中各地方で新型コロナウィルスの感染状況が拡大しています。国内では都市部の飲食業の店舗などコミュニケーションスペースの感覚が短くなり易いスポットの密度が高い地域を中心に感染者や感染者集団(クラスター)が発生している傾向にあります。

第二波、第三波と世界各地の感染者増加により社会も人間同士の関係性もウィルスの広がりとともに変容し、従来の価値観が通用しなくなりました。

折しもEUの協調が綻びを見せ始め、大国間の軋轢は強まり、SNSも助けて自国第一主義と排他性を普及させ、多様な価値観の受容を掲げる国連の目標とは矛盾を生んでいるようにも思える状況下に、新型ウィルスの感染拡大が大いに国家間だけでなく各国民の間でも分断を加速させました。

では、なぜウィルス感染は拡大したのでしょうか。

様々な検証や考察が存在しますが、はっきりとした原因究明までには至らないものの、最初の大量感染者発生が中国国内であることが多数の情報機関の一致した見解です。

そして、中国国外へと感染拡大していった最大の要因は中国当局の情報操作によるものだといわれています。

もちろん中国政府の指導部は、情報操作も新型ウィルス発生が中国国内であるという指摘に対しても否定する立場を示しています。

現在中国は内政的に多くの問題に直面しており、求心力を維持したい政府首脳部は、少しでも負の事実が表出することに神経質になっていますが、逆にその姿勢が国内の反発を生み、政府としての対応が国内外で批判を浴びる事になり、国際的な信用を失っています。

また、国内の圧政だけでなく、近隣諸国への侵略的な政策や軍事行動も新たな紛争の種になりつつあり、無秩序な態度を強めているように見受けられる場面も少なくなくなってきました。

先進国とされる国々の中で、隣接する領域を侵しながら経済活動を計画している国家はこの国以外で他になく、国際社会の安定を脅かす存在として許容範囲を超えた行動が目立っています。

この中国の強気な行動が、どういう背景によるものなのでしょうか。

ここからは筆者独自の見解ですが、中国は古くから、統治と分裂を繰り返し、広大な領域を持つ大国にも関わらず、他国からの侵略と支配を許してきた国家でもあります。

その歴史的背景から、中国人の一種のコンプレックスの克服にも似た遺伝的思考を伴い、対外進出の実現へ潜在的な渇望が下支えしていると考えています。

中世のモンゴル帝国は、中国史の中でも最大の領域を持ちながら、支配者はモンゴル民族という屈辱的な経験をしました。その後近代に入ると、日本やロシアなどによる侵略や、対外戦争での多くの敗戦を経験し、中国人の心理的な被支配層としての自尊心を削がれる期間は、比較的長く存在していたように思えるのです。

誤解を恐れず擬人化しますが

「私ってルックスも育ちもいいのになんで恋人ができないの!!」

という状態なのです。言葉を選ばずに申し上げれば、

“ずっと都合の良い関係で終わっている美人なお嬢様”“ずっと「いい人」と言われご飯を奢らされるイケメン御曹司”

なのです。

本人からすると、ちゃんと恋人が欲しいし、自分自身の能力を知りたいですよね(一部例外もいらっしゃいますが)。

この蓄積したコンプレックスが中国の攻勢を強めている源泉で、他国の領域への進出を正当化する傍証としての役割を担うのが、「都合の悪い事実の隠匿=情報操作」なのです。

何も政府の対外政策に限ったことではなく、単純にあるあるネタとして軽く流して欲しい程度の情報なのですが、中国人は他人との距離感が良くも悪くも近いということがよく話題に挙げられます。以下、中国人同士のエピソードとしてご紹介します。

お互い全く知らないのに、一方がトラブルに合い困っている時に、もう一方がその様子を見て声をかけてきてくれたそうです。その後、おかげで解決したので深く感謝を伝えたところ、高額な報酬を要求され当人同士のトラブルになったそうです。

多くの意見の標的になりそうなエピソードですが、日本ではあまり耳にしないトラブルです。ちなみに日本の対人口ボランティア経験者比率は世界でもワーストレベルです。

他愛ないあるあるネタを国民性と断じるのには抵抗がありますが、妙に納得感を覚えるのは筆者だけでしょうか。

そして、特筆すべきは欧米とブラジルなどの広大な国土を持つ国々での感染者増大です。

アジア地域の感染率や重症化率に比べ、他の地域は非常に高いとされ、専門家の仮説では、民族の遺伝的相違に起因するという主張が立証されつつあります。

途上国では特に貧民層への医療提供が不十分なことが、感染者の増加に拍車をかけていますが、欧州のように先進国が陸上で隣接し合っている地域で感染者が増加している大きな理由の一つも、地理的な要因の他に国民のマインドによるものが大きく影響を及ぼしているというのが筆者の主張です。

特に欧州の先進国では、マスクをせず高い人口密度で人々が都市部にいる映像を目にしました。

その事実を知ってか知らずか、ロックダウン解除後も同じ状況が維持され、その結果、再度のロックダウンを行わざるを得なかった国もあります。大きな経済的損失を経験したにも関わらずです。

感染対策を講じず、生命のリスクより個人の思考や感情を優先させる欧州の人らしいと感じてしまいます。

近世に至るまでに欧州は様々な革命や紛争を国内外で起こしてきており、アメリカが国際的に台頭するまでは世界の中心として、強い影響力をそれぞれの国が秘めている地域でした。

この経緯が、自国の影響力に対する麻痺を発症させ、ドイツに至っては二度も敗戦国という憂き目に遭っています。

すなわち、自らの行動に責任と自覚がない上に、自国ファーストが欧州に蔓延していると思わずにはいられません。

昨年末から続くブレグジット(イギリスのEU脱退における諸問題)は効果的な相互理解を見出せないまま停滞を続けており、このままでは双方ともに経済状況が大きく後退することが見込まれています。イギリス国内においては、再び北アイルランド戦争の危機をたった半世紀足らずで迎えることになりました。

総じて断言できるのは、自らが招いた危機に盲目になるという国民性を欧州諸国、特に先進国自身が持っていることさえも気づいていないということです。

そして、その犠牲を貧民層の多い国々に強いているという帰結を謙虚に受け入れることが容易でない姿勢は、奴隷制度が始まって以来変化がないとも認定せざるを得ません。

二度の世界大戦と冷戦を経験し、多くの犠牲を伴って収穫できたものは何だったのでしょうか。

新型ウィルスが猛威を振るう今、各国の国民性と感染状況を瞬時に結びつけるには早急すぎるし多くの反発を受けるでしょうが、あえて世界中の一人ひとりに訴えさせて頂きます。

自分自身の行動が、他人の生命を脅かしていないか。

自分に他人の生活基盤を奪う権利があるのか。

ノンストレスで世界中が安定した社会を維持できることが幻想であることに気づいてください。
















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