「光る君へ」への長い道のり ~『第15回 「おごれる者たち」振り返り』(その4)(ネタバレ)~[2600文字]
大河ドラマ「光る君へ」 第15回『おごれる者たち』 の振り返り、その4です。
※以下より、第15回のストーリーを記述しています。未視聴の方は先に第15回をご視聴ください🙇。
■[第15回『おごれる者たち』 振り返り]その4
為時〔岸谷五朗〕の屋敷ー。さわ〔野村麻純〕が遊びに来ている。
さわ「私、このごろまた、家にいるのが嫌になる病になりましたの」
まひろ「えっ?」
さわ「父と今の母の間の子たちがだんだん大きくなり、私がますます邪魔になってきたようで・・・」
まひろ「お父上まで?」
さわ「ええ。それで気晴らしに旅に出ようと思いますの。まひろ様も一緒に参りません?」
まひろ「どちらに?」
さわ「近江の石山寺です。私をあの家からさらってくれる殿御に会えますように、祈願に参りますの」
まひろ「そういうお寺なの?」
さわ「そうらしいです」
夕方ー。まひろは為時に石山詣での許しを得ようとする。
まひろ「さわさんと石山寺にお参りに行ってもよろしいでしょうか?」
為時「いいではないか。気晴らしになるなら。・・・何を驚いておる。そのくらいのかかりは、なんとかなろう」
石山寺詣でにでかけるまひろとさわ。
まひろ「風が気持ちいいですね」
さわ「本当ですね。いいお天気でよかったです。わあ~もうすぐ石山寺ですよ。行きましょう!」
まひろ「はい」
ふたりの従者も後に続く。
さわ「私たち、このままず~っと夫を持てなければ、一緒に暮らしません?」
まひろ「え?」
さわ「年老いても助け合いながら」
まひろ「うん・・・。それは、まことによいかもしれません」
さわ「石山寺では、そちらをお願いいたしましょうよ」
まひろ「殿御との縁ではなく、私たちの末永いご縁を?」
さわ「そうでございます!末永いご縁でございます」
笑い合うふたり。
その夜、石山寺ー。
ナレーション:「当時、石山寺詣では都の人々の間ではやっていた」
まひろとさわも誦経(経文を声に出して読むこと)をする。
さわ「(誦経に飽きて)今宵は、もういいんじゃないですか?」
まひろ「まだ始まったばかりですよ」
さわ「飽きた・・・」
藤原寧子〔財前直見〕「シッ!」
若い2人を睨みつける女ー藤原寧子。
まひろ「『蜻蛉日記』をお書きになった方でしたか。道綱〔上地雄輔〕様のお母君。幼い頃から『蜻蛉日記』を幾度も幾度もお読みして、その度に、胸を高鳴らせておりました」
『蜻蛉日記』の作者、藤原寧子と話すことができて舞い上がるまひろ。その横で、まひろを見つめるさわ。
寧子「まあ・・・。随分、おませなお姫様だったのですね」
まひろ「はい。でも幼い頃は分からないことも多かったです。兼家様が、何日かぶりに訪れたのに、門をお開けにならず、「嘆きつつ ひとり寝る夜の
明くる間は いかに久しき ものとかは知る」という、切ないお歌を送られた意味なぞ・・・。今は痛いほどわかりますけど・・・」
驚いたような顔で、まひろを見つめるさわ。
寧子「心と体は裏腹でございますから・・・」
道長との月明かりの逢瀬を回想するまひろ。
寧子「それでも、殿との日々は私の一生の全てでございました。私は日記を書くことで己の悲しみを救いました。あの方との日々を日記に書き記し、公にすることで妾の痛みを癒したのでございます。不思議なことに、あの方はあの日記が、世に広がることを望みました。あのお方の歌を世に出してあげた。それは私のひそかな自負にございます」
寧子「そこまでして差し上げても、妾であることに変わりはないのだけれど。あなた方は、おひとりなの?」
まひろ・さわ「はい」
寧子「命を燃やして人を思うことは、素晴らしいことですけれど、妾はつろうございますから、できることなら、嫡妻になられませ。高望みせず、嫡妻にしてくれる、心優しき殿御を選びなされ」
そこに道綱〔上地雄輔〕がやって来る。
道綱「母上、遅くなりました」
寧子「道綱、そなたがなかなか来ないので、このお二人に、お世話になっていたのですよ」
まひろを見る道綱。
道綱「母がお世話になりました」
まひろ「まひろにございます」
さわ「さわにございます」
まひろ「日記に出てきた道綱様にもお会いできるなんて、来たかいがありました」
まひろの言葉によろこぶ道綱。道綱に見とれているさわ。
その夜ー。几帳で仕切った部屋で、まひろとさわが寝ている。眠れないまひろは、縁に出て月を眺める。
まひろ「(心の声)書くことで、己の悲しみを救った・・・」
部屋に忍び込む道綱。背を向けた寝姿を見る。
道綱「(小声で)寝てしまわれましたか?」
さわ「(寝言で)道綱様・・・」
褥(しとね)にはいり、さわを抱く道綱。道綱の体に手をまわすさわ。
道綱「あれ?・・・すまぬ。間違っておった。すまぬ!」
離れる道綱。
さわ「まひろ様だと思われましたの?」
道綱「あ、いや、そうではなく・・・。そうではなく!私には妻がおる。妾もおる。故に、そなたを抱こうとしていたことは間違っておったと、今、気づいたのだ」
さわ「偽りを・・・」
道綱「偽りなどではない!この上、悲しむ女子を作ることはできぬ。まひろ・・・あ・・・さと」
さわ「さわにございます!」
道綱「許せ!」
出ていく道綱。
翌朝の帰り道。
まひろ「こちらで、一休みしましょうか」
ひとり先を歩いて行くさわ。
まひろ「さわさん?」
道の先で振り返るさわ。
さわ「私には、才気もなく、殿御を引き付けるほどの魅力もなく、家とて居場所がなく・・・。もう死んでしまいたい!」
駆けだすさわ。
まひろ「さわさん!」
追いかけるまひろ。突然さわが立ち尽くす。
川べりに無数の死体。
ナレーション:「このころより、都の近辺では、疫病がはやり始めていた」
次回、どうする小麻呂 (´-`)。
えっ? ( º言º)
以上で『第15回 「おごれる者たち」の振り返り』は終了です(´-`)。
最後までお読み頂き、ありがとうございました🙇。
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