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ルンバと別れました

ルンバを購入した目的

なんて言ったって自動掃除ロボットであるから、もちろん購入した目的は 自分の時間を増やすため だった。
スマートにスイッチを押すだけで、あとは「いってきます」と言って家を出ても部屋の掃除をお任せできる代物である。
安いランクとはいえ、自分にとってはまあまあ高価なものだった。

ルンバとのコミュニケーション

うちにルンバが来てしばらくは、敷居でまたがる二つの部屋をどうにかルンバだけの力で移動させたり、『ここから向こうは行かないで光線』を出す付属品をどう置けばいいか色々試したり、リモコンを使って思ったところに移動させたりもしていた。

まあ能力的に言ってしまえば、ベッドの下を掃除してくれるのが嬉しいことと、音がうるさいことと、部屋の大きさの割にいつも45分ほどかかってしまうことが大きく、まとめると45分間うるさいのをベッド下の掃除のために我慢しているようなものだった。
その不満点の一つのうるささは宅配の荷物が来たことを気付かせてくれないほどで、荷物が来そうな時間は掃除を諦めるというルールも出来た。

ちょっと出来の悪い部下が出来たようなもので、顔も付いていないのにまあ可愛く思えたり、猫がルンバに乗って遊ぶことを期待するも、猫は一定の距離を保つばかりで相変わらず飼い主の期待に添うようなことはしてくれない。

ルンバとの生活を考え直しはじめる

まあこれは買った当初から当然わかっていたんだけど、最大の不満点というのがルンバ自体のゴミがたまる部分は他の掃除機で吸い取らなければならないという謎な仕様だった。

ルンバがうちに来る前から他の掃除機があり、ルンバが掃除を終わらせるタイミングでゴミため部分のゴミをその掃除機で吸ってあげるという、なにか介護をしているような気持ちに毎回させてくれた。
そしてもう最近ではそのもう一台の掃除機で、敷居をまたぐもう一つの部屋を掃除してしまうという流れになっていた。

そしてその生活が2年ほど続いた時に、ふと気付く。
ルンバって自分の生活に必要?

最初の目的は確か、自分の時間を増やすためだったはず。
いや、それ以外にあるだろうか。
猫とも遊んでくれないどころか、自分の排泄◯すら自分で処理できないやつなのだ。

でも最大の難関、ベッドの下はどうする?
ここでちょっとだけ考えたが、意外にもあっさり対案は見つかり、次の日にはドラッグストアでクイックルのワイパーを買っていた。

ルンバとのお別れの日

丁寧に全体を拭いて綺麗にし、いつもお世話をしているゴミため部分はアルコール除菌までしてあげる。
そして付属品、マニュアルも探しだし、近所のリサイクル店へ。
600円でした。まあ2年間使ったし掃除に45分かかるしこんなものか。とあっさり帰路につく。

ところがさっきのリサイクル店から電話が。
え?ルンバが泣いてるの?迎えに来てほしいの?
と思って電話に出ると、店員さんの手違いであと3000円も買い取り価格が上がったらしい。

ルンバよ、店員の前で何か芸でもしたのか。よくやった。
今までありがとう。

というわけで、今、掃除は10分ほどで終わっている。
自分の時間を増やすためだったが、時間を費やして経験が増えただけだったな。
ありがとう、可愛い出来の悪いルンバ。

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