岡田さん完全版

同世代で最速で売れかけていた、なかよしビクトリーズ岡田は2年後にドン・キホーテでもヴィレヴァンでもない 「中間層」に刺さる!?

今回はなかよしビクトリーズの岡田さんをインタビューしてきました。初めてテレビに出演したときの話や一度コンビを解散したときの話など、興味深いお話をたっぷり伺ってきました!

童貞卒業は南米で


坂本:岡田さんはフリーで活動されてるとのことですが、普段何されてるんですか?自宅でライブしてるって伺ってます。


岡田:自宅でライブしてますね。「岡田の家」ってやつ。あとラーメン屋でもライブしたり、呼んでくれたイベントに出たり。一番力入れてやっていきたいのはYouTube。あとTwitterで手書きの日記をやってます。

坂本:仕事は例えばどんなオファーが来るんですか?
岡田:大きいところだとさいたまスーパーアリーナとか。そのときは出演者が3組いて、トップバッターがMay J.さん、2番目がなかよしビクトリーズ、3番目がDA PUMP。誰で誰を挟んどんねんみたいな変な空気になってましたね。
坂本:キャスティングが謎ですね。今までで一番変わった仕事は何ですか?
岡田:最近だとお祭りの営業で銀行の駐車スペースが舞台だったんですけど、国道挟んで客席があって。だから車めっちゃ通るんで、ボケた後につっこみ聞こえへんみたいな。
でも今までの仕事で言ったら、特番の企画で伝説の巨大猿モノスを探しにブラジルへ行ったやつ。あの頃は南米にばっか行ってて、21歳のときロケの最終日にチェリーボーイを捨てました。38歳のナターシャっていうヒスパニック系の方です。
坂本:えー!そこで!?(笑)
立川:今のところ太字で(笑)
坂本:最初から外国人ってすごいですね。それはよかったんですか?
岡田:めちゃくちゃ怖くて、僕英語が本当にわからないんですよ。イッたってなんだったっけと思って、GOって言ったら余計に腰振られて。
立川:Finishとかですよね。
岡田:早く言って!ってめっちゃ怒られました。
坂本:岡田さんのこと全然知らなかったんですけど、結構テレビに出られてたんですね。
立川:まったく出てない方に比べたら出てはいましたよね。
岡田:ちょこちょこでしたけど、この歳で一番最初に売れかけたかもしれないです
立川:他に同い年で誰がいました?
岡田:僕が出てたときに同い年でテレビ出てた人は一人もいないです。今くらいからみんな出だした感じですね、年下とか。だから一番売れていく姿を多分見てる。あ、また抜かされた、また抜かされた、みたいなのを一番経験してる。
坂本:そもそもデビューのきっかけは何ですか?
岡田:きっかけはM1甲子園ていうM1の高校生版みたいなやつ。当時、作家志望の先輩が東京で始めたレジスタリーグってライブに出たら、たまたま見てくださったフジテレビのディレクターさんがオーディションに誘ってくれて。それが通って「新しい波16」の出演が決まったんです。これは本気でやらなきゃまずいぞと。ずっとアマチュアで通ってたんですけど、「ふくらむスクラム!!」って番組の終わりかけのときにホリプロコムの事務所に入れてくださいって言いに行きました。

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高校生の頃の岡田

立川:いわゆるフリーの芸人さんがお笑い事務所に入る場合、ネタ見せっていうのを通過して、事務所主催のライブで良い成績を収めて、それが何ヶ月か続くと晴れて正式に事務所に所属になりますよってなるから、結構稀なケースなんですよ。
坂本:そうなんだ。スカウトみたいなイメージですか?
岡田:そうですね、マネージャーの浅井さんっていう方が入れてくれたっていう感じです。僕ほんまは裏方やりたくて、専門学校への進学が決まってたんですよ。M1甲子園で3年連続地区優勝したけど決勝いけなかったし、ライブでおもろい人たくさん観たから、勝たれへんなと思って。おもろい人たちを支える立場として頑張ろうかと考えてた時期もありました。でも高校卒業したてでレギュラー番組がいきなり決まったから芸人の道を選びました。

岡田軍団を中心に台風が巻き起こる

坂本:今やりたいことって何ですか?
岡田:一般の方と一緒にやる番組とかやれたらいいなと思ってます。今YouTubeで「岡田を追え!」って番組をやらされてるんですけど。
坂本:あれやらされてるんですね。
岡田:ずっと密着されてて、その中の企画で「レンタルいいやつ」っていうのがあるんです。岡田を無料でレンタルするので、好きに使ってくださいみたいな。最初はやらされてる感じだったんですけど、実際に行くと楽しいんですよ。年下の奴に風呂掃除させられて、終わるときにはタメ口だったり。そういう壁がなくなる瞬間がいいなって思います。
坂本:誰にやらされてるんですか?
岡田:「岡田の家」に来てたお客さんだった佐野くん(佐野コウ生)です。作家志望やったから澤井くん(澤井直人)っていう売れっ子の作家さんに紹介して、佐野くんが「岡田さんのこと密着したい」って言い出して。僕の周りはヤバイやつしかいないんですけど、澤井くんも結構ヤバくて「ふくらむスクラム!!」で僕を見て上京してきたんです。20歳くらいの頃、渋谷のミヤマカフェで初めて会って、当時は仕事がないからずっと一緒にいました。
坂本:出会い方がすごいですね。

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放送作家・澤井直人と岡田

岡田:作家さんて基本的にスタンスはツッコミ目線なんですよ。俯瞰でものを見るとか、そういうところに長けてる人が多いんですけど、澤井くんは真逆でめっちゃボケなんです。だから結構否定されてたんですけど、僕はこの人めっちゃおもろいと思ってました。2年くらい前から急に仕事が増えてきてて。
立川:岡田さんの周りがめっちゃ売れるっていう現象がありますよね。岡田経済圏っていうのがあって。
岡田:白武ときおさんのブログの初投稿がそういう内容だったんです。僕はまったく売れてないんですけど、たしかに周りで台風が起きてますね。自分は台風の目やから一切何もなくて。
立川:僕も岡田さんと知り合ってから仕事増えたりしました。人型のお守りみたいな。
坂本:ほんとですか?じゃあ私もあやかりたい。
岡田:ほんまにこれ完全に台風の目やと思った出来事があって。かが屋の加賀に初めて会ったときに「軍団作りましょう」って言われたんです。何度か言われて断ってたんですけど、人づてで「加賀くん軍団作りたいって言ってるよ」って言われるようになって。それ言ってきたのchelmicoのMamikoちゃんなんですけど、影でも言ってるならもう作るしかないやろと。あと四千頭身の後藤は養成所卒業したときからずっと仲良くて、その4人で軍団を作りました。ちなみにあいつのLINEとインスタのアイコンは僕とのツーショットなんですよ。
坂本:めっちゃファンじゃないですか(笑)
岡田:ほんまにこれ完全に台風の目やと思った出来事があって。かが屋が出た「ワイドナショー」のオンエア日、前日に宮迫さんと亮さんの記者会見があって緊急生放送だったからお蔵入りになったんですよ。でも、かが屋のことを松本さん東野さんがめっちゃいい感じに喋っていて、その日の視聴率が番組史上最高で、1000万人弱が見てる状態だったんです。chelmicoはこの日、福岡の「NUMBER SHOT」っていうフェスで10万人くらいの前でライブしてた。さらに四千頭身は「ABCお笑いグランプリ」に出てた。この番組は100万人以上見てたんですよ。一方僕は「岡田の家」の20回記念スペシャルだったんですけど、お客さんが史上最低の1人だった。同じ軍団で周り3人が数万人規模を相手してるのに、めちゃくちゃ台風の目やんと。そんな感じで周りが結構きてますね。
坂本:岡田さんすごいですね。
岡田:元々自意識過剰だから、僕が軍団みたいなのを作ってると、めちゃくちゃブサイクな奴がブランド物を持ってるのと同じように見られるかもって思っちゃうんです。実際言われたことも何度かあります。GUCCIの鞄がかが屋で、プラダの靴がchelmico、シャネルの香水が四千頭身みたいな。でもこの間、澤井くん、佐野くんプラス軍団の人達がサプライズ誕生日会開いてくれて、それぞれ僕に感謝の手紙を読んでくれたんです。めちゃくちゃ感動する内容で。そこから周りのそういう発言が気にならなくなりました。

楽しもうとしてるのに楽しみきれない、でも意外とそんな人が多い

立川:今後の目標って何ですか?
岡田:目標は2021年くらいに自分の考えが認知されてればいいなと思ってます。僕はデビューからほんまにまっすぐお笑いやってたんですけど、ちょうど3年くらい前に何もしてない時期があったんです。コンビを解散して、事務所を辞めたから一年間干されてて。
坂本:干されてたっていうのは、出ないでくださいみたいな感じになるんですか?
岡田:そうですね、一年間テレビとか全部禁止。
坂本:本当にそういうのあるんですね。
岡田:その頃一瞬だけ組んでた相方が、パリピみたいな感じの人だったんです。その人に誘われて、ハワイのホノルルマラソンに出ることにしたんですけど、当日事件が起きました。前日行ったピザ屋さんにゼッケンとかパスポートとか全部入ってた鞄を置いてきちゃったんですよ。でもその店開くの11時とかで、マラソンに間に合わない。死ぬほど練習したからとりあえず走ったんですけど、記録はなし。ゼッケンにGPSが付いてて、データ上ではピザ屋にいることになってたから、アンチマラソンの奴やんみたいになってました。
結局鞄は戻ってきたんですけど、それ終わってやっぱ自分にはパリピみたいな感じは無理だと思ったんですよ。でもそれをバカにするのも逆にださいし、どっちでもないなと。だからふわっとしたスタンスでいることにしました。そういう人周りにいないなと思って。
そのときたまたまCreepy Nuts の「どっち」って曲を聴いたら、自分と同じことを言ってはるなとなと気付いたんです。「ドン・キホーテでもビレッジ・バンガードでもない」って、何やこの人って。ほんならすごいラッパーなんやと。こういう人って言ってないだけで結構いるんちゃうかなと思うようになって、鳥山大介くんに話したら共感してくれて。彼と「自意識過剰なふたり」ってイベントをやったらすぐ満席になって、アンケートとったら結構同じ人がいるってことがわかったんです。

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鳥山大介

坂本:わかる。私もクラブに行ってみたけど楽しみきれなくて、多分それも同じ。
岡田:元々どっちでもないみたいな、そういうのがやっと時代に合ってくるんじゃないかなと。例えばオリンピックめっちゃ楽しもうぜっていう人やオリンピックなんやねんっている人がいる一方で、その中間の自分がいることが2021年頃に刺さるんちゃうかなっていう勝手な予想ですけど。
立川:芸人の特徴として自意識過剰とかその自分だけがこう思ってるとか喋ってみると意外と共感されるって結構あるにはありますね。若林さんとかバカリズムさんとかが顕著な例だったりして。
岡田:自分は楽しもうと頑張るけど、めっちゃ失敗してる姿を見せるのが理想。ハロウィンめっちゃ思い切って参加したけど、センター街歩いて無限大ホールのとこまで行って折り返してスクランブル交差点まで行っただけやんみたいな、そういうような経験のある人に刺さったらいいな。
立川:今まで言われて嬉しかったことって何ですか?
岡田:まさに今日なんですけど、TBSのディレクターさんから急にほんま久々にLINEきたんです。「大人になってきたな」「可愛がられるから可愛がる方へ」「その感じなら大丈夫だよ」みたいな。これ嬉しかったです。この人結構厳しくて、ボロカス言われてたんですよ。最近徐々に褒めてくれる人増えてきました。それまではほんま誰も褒めてくれなかった。あと、作家の大平さんにも「その感じで大丈夫ちゃうか」って言われて嬉しかったですね。ただ、「心のパンツもっと脱ぎや」とも言われて。これは今年の名台詞です。かっこつけるなやって意味で。失敗とか隠さずに、等身大でいこうと。
今年初めて父の日にメール送ったんですけど、それも今までは心のパンツめっちゃ履いてたから送れなかったんですよね。「大丈夫か?自殺するのか?」って言われたんですけど。
立川:なるほど。ちなみに話戻るんですが、性癖的には南米寄りの人が好きなんですか?
岡田:なんで急に性癖の話やねん。
立川:この話からちゃんとメモり始めましたから(笑)
坂本:いやなんか締めがほしくて…
立川:気合入れるときに聴く曲とかあります?
岡田:chelmicoの爽健美茶のラップ。歌詞がいいんですよ。2番の歌詞が良い。今まさに僕が長々話したことが書いてありますので、こちらをチェックしていただければ、と書いといていいです。いいまとめになったな。「なんて言われたって関係ないね」とか「私はわたしの足で立ってる」とか、かっこつけてないからいいですよね。

立川:こんな感じで、締められそうですね。
岡田:大丈夫ですか?
坂本:もちろんです、お後がよろしいようで。

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サンドイッチを頬張る小猿

【なかよしビクトリーズ岡田プロフィール】

中学時代の友人・下村達也と「オレンジサンセット」を結成。高校卒業後、フジテレビ系列「ふくらむスクラム!!」「いちばんスクラム!!」にメインキャストとしてレギュラー出演。一度の解散を経て、オレンジサンセットを再結成。現在はコンビ名を改名し、「なかよしビクトリーズ」としてフリーで活動中。


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