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最終回を迎えた北野詠一氏の『片喰と黄金』。ゴールドラッシュに沸くアメリカを横断するロードムービーのようだ!

どうも上島でございます。
北野詠一氏の『片喰と黄金』がすごい! 面白い!

というのは過去の記事でも散々書き散らしてきたことではありますが、ここにめでたく最終回を迎えたので、哀しみを抱えながらもアメリアの物語に終止符が記されたことを、ただよろこびたいと思います。

『片喰と黄金』は元々はウルトラジャンプで連載が始まったのですが、様々な事情により、コミックDAYSでの配信となしました。
移籍してからも、きちんと最終回が迎えられたのはよろこばしい限りです。

反面、もっとアメリアの活躍や人々の交流も見ていたかったという残念さもあるのですが、後日譚にて短いながらも見せてくれたのはうれしいですね。

とにかく、アイルランド飢饉で、たった1人の従僕を残して全てを失った農場主の娘アメリアが、アメリカ合衆国でのゴールドラッシュの噂を聞きつけ、一攫千金を狙うというお話。

アメリアは行く先々で様々な人と出会い、そして様々に困難な局面に遭遇します。
時には現在の倫理観からは看過出来ない決断をアメリアは迫られます。
それでも時に鮮烈に、時に生き汚く、その雑草のような生命力で、周囲を巻き込んでアメリアは度を続けます。

そして、カリフォルニアに辿り着いたことで、この話は終幕を迎えます。

最終話を読んで思った事

この話はアメリアのサクセスストーリーではなく、アメリアとコナーのロードムービーだったのだと気付かされる。

まだ法整備が整わないアメリカ大陸で、アメリア自身も差別を受けたりしながら、「黄金を見つけて大富豪になる」という目標に向けて突き進む。

幼く、栄養失調で痩せ細った少女が、自らの生命力を振り絞り、野望の為にひた進む姿に、大人の男たちが生きることの大切さや、自身の夢について語ることの気恥ずかしさから解放されていくのが清々しい。

最終的にただ付き従うだけだったコナーも、自分の希望を見出し、アメリア自身も大富豪になったその先にも目標があることを見つけ出す。

それはきっと、黄金を見つけ出すことよりも尊いことなんだと思えるのだ。

私はこの作品を素晴らしいと思う。

いつまでも輝き続ける私の黄金を見つけた思いだ。


冒頭はコミックDAYSで読めるし、気になったら是非コミックスも手に取って読んで欲しい。



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