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”祝日”はありがたメーワクか?

フリーランスになって曜日の感覚はあっても祝日に対してとんと鈍くなっているウエシマンです。

過去に転々と様々な職種を経験していると、この”祝日”を素直に喜べなくなってしまいました。

どういうことかというと。

まず、連休や大型連休明けの仕事がキツイ!

これは身体がなまってしまうとかそういうのではなく、そこから一気に物流が動いたりして、その間の溜まっていたモノが一気に押し寄せて大変と言うこと。

物流関係や、納品などを行っている会社、部署に勤める人は心当たりがあると思う。


次に、販売店舗など祝日が営業日の場合は大型連休など返って休めない!

これも地味にキツイ! シフト調整が大変! 前日出たら後日平日に代休取れるかと思ったら、なかなかそうはいかない!

カレンダーの赤い日はなぜ赤いか知っているか?
あれは……血の赤だ!

なんて言っていました。

日給月給の場合、単純にその月の実入りが減る!

現在日本の非正規雇用者の割合は40%!

5人に2人は正規雇用、つまり正社員ではないのだ。

その多くは時間給だったり、日給月給の契約がほとんど。

月額報酬で契約している人はかなり少ないんじゃないかな?

ということは、休みが多いと、それだけ月給に響くわけで、カレンダーが赤いと憂鬱になる人も少なくなかろう。


上記3点を鑑みても、現状の祝日を心から受け入れているのはもはや高校生までくらいではないだろうか?

そう考えると、政府は本当に国民に寄り添って考えてくれているのか、疑問を抱かざるを得ない。

あ、ちなみに私は反政府、反政権を唱えたいわけではない。

「祝日だ!わーい!」って喜ぶ人間の意識に疑念を抱いているだけの話である。


かつて、日本人は「働き過ぎ」と言われていた時代があった。

「月月火水木金金」や「24時間戦えますか?」などの言葉に代表されるように、休まないことこそ誉れとされていた時代が確かにあった。

そしてその意識こそが、日本の高度成長期を支えたといっても過言ではない。

だが、それが円熟期になると、過重労働による労働災害を引き起こしたり、仕事に追われすぎて過労死を招いたり、鬱などの精神疾患に陥る人が多くなったりと、「休まない」ことのデメリットが浮き彫りになった。

私自身、学生時代は土曜日は半ドンで、午前中は授業があったものだ。

それがよかったとか正しかったかはわからない。

ただ世界の標準として、土日を休みに合わせたのは国際的な観点から間違ってはいないだろうとは思う。

さて、ここで、昭和時代と現代との休みの差を試算してみたい。

昭和期(日曜日のみを計算)
365日 ÷ 7 =52.142…

なので日曜日が52日。
これに昭和期の祝日は以下の通り。

元日:1月1日
成人の日:1月15日
建国記念の日:2月11日
春分の日:春分日
天皇誕生日:4月29日
憲法記念日:5月3日
こどもの日:5月5日
敬老の日:9月15日
秋分の日:秋分日
体育の日:10月10日
文化の日:11月3日
勤労感謝の日:11月23日

と合計で12日。これに盆と大晦日~正月で3日ずつ追加したとして合計は

52+12+6=70日

が休みという計算になる。
これは確かに現在の我々の感覚からすると少ない。
年100日以下の休日とかないない! と思ってしまうあたり、私もかなり現代ナイズされてしまったものだ。

さて、それでは現代令和の休みの日を計算してみよう。

令和期(週休2日)
(365日 ÷ 7)×2 =104.285…

それに今年の祝日を足してみる。(太字が昭和から増えた日)

元日:1月1日
成人の日:1月第2月曜日
建国記念の日:2月11日
天皇誕生日:2月23日
春分の日:春分日
昭和の日:4月29日
憲法記念日:5月3日
みどりの日:5月4日
こどもの日:5月5日
海の日:7月第3月曜日
山の日:8月11日

敬老の日:9月第3月曜日
秋分の日:秋分日
スポーツの日:10月第2月曜日
文化の日:11月3日
勤労感謝の日:11月23日

と16日が祝日に制定されている。

これに昭和期と同じように、年末年始とお盆の3日ずつを足してみると。

104+16+6=126日

実に、1年の3分の1以上を休んでいる計算になる。


ここでふと疑問。

あれれ? 休日というものは、豊かであるからこそ満喫出来るものじゃない?

ただ休日を増やしたからといって、これは豊かになったの?


そりゃあ、精神的にも肉体的にも多少は楽にはなるだろう。

だけど、冷静に考えて欲しい。

6日分の仕事を5日間に押し込まれて、仕事の密度としてはキツくなっているはずだ。

じゃあ、それに対して企業は雇用者に対してベースアップを図っているのか?

答えはNOとしか言いようがない。

そんなの、大卒の初任給が顕著に物語っている。


じゃあ、なんの為にこんなに祝日を増やすのか?

ぶっちゃけ、これまでの「働き過ぎの日本人」のイメージを払拭する為に「日本は国としてこんだけ休みを国民に提供していますよ~、だから働かせすぎたりしていませんよ~」というポーズにしか見えないのだ。

いやいや、その分、有給をしっかり取らせるように方針を転換出来ないものなのかね?

この祝日の多さこそが、逆に有給が取りにくくなっている一因になってやしないか?

さらに企業によってはこれに加えて、ゴールデンウィークだ、シルバーだ、盆だ、正月だと、休みを取るところも少なくはない。

大企業であればあるほどそうだ。

ところがだ。

大きな企業であるほど、非正規雇用の割合が多いので、その分彼らの実入りは少なくなる。

逆を言えば、企業はそれだけ非正規雇用に払う額が減るのだ。

だから企業にはありがたい?

いや、それは短絡すぎやしませんかってんだ?

それだけ、労働力を遊ばせているんだ。

その分、しっかり給料を払って、その分、しっかり休ませるんだよ。

例えば日給月給でも最低月20日分は保証すればいい。

それでしっかり有給も使える。

そうすればリフレッシュも出来るし、みんな大手を振って休める。

大型連休に副業を探す人もいなくなる。

そういうの考えないの?

今の企業なり組織はとかく金を使わない、払いたくないが優先されすぎていて、結局組織にとって何が大事なのか見失っていないか?

カレンダーが赤い。

国が決めたんだから仕方がない、みんな休め!

で働いている側も、休みだわーい!


なんか違わないか?

ていうか、昭和期に比べて日本の生産が落ちるのも、これだけ休んでいたら当たり前でさ、それと比較するのもおかしいし、だったら、給与体系や、バカンスの取り方はもっと抜本的に変えていかないと、おかしいのだ。

なのに一般社員の給与所得は減る一方。

これじゃ国家も企業も成長なんて出来るわけがないよね。


なんてことを考えると、この祝日ってシステムは本当にいいのかね? と考えてしまう。

そもそも、天体運行とかと、その時期の祭事に絡め手の制定だったはずなのに、毎年コロコロ変わるのもなんとも解せない。

とにかく月曜日に休みを入れたい公的機関の怠惰の表れのような気がしてならないのだ。

天体運行に合わせる春分、秋分が、1日ズレるのは仕方ないとして、そもそもの謂われを無視してなにがなんでも月曜日に移動って考え方はとても日本的ではないように思う。

最たるは10月10日の、かつて体育の日だ。

これは旧東京オリンピックの開会式の日であり、その日が観測史上最も晴れの日が多いからという理由でその日に決定された。

え? 滅茶苦茶いい理由やん!

日本が長い歴史の中で、天候を観測してきた結果、一番晴れが多くて、しかも歴史的な五輪開会式の日にみんなでスポーツを楽しめる日にする。

それって滅茶苦茶いいですやん?

でもそこから動かすってなんなん?

なんで動かすの?

なんで動かさないとあかんのん?

いろいろ理由があるにしても、こんな立派な所以を蔑ろにするのは、なにか違うような気がするのだ。


そんな祝日の話。みなさんはいかがお考えでしょうか?

ほんの少しでも、この休みがみなさんにとって有意義でありますように。

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