6/6──1日の流れ
オレたちの噂を聞きつけて集まってくれた連中はみるみるうちに増加して、気付いた頃には100人を超えていた。
オレたちが藁にもすがる思いで求めた協力に、彼らは心強く応えてくれた。頼りになるぜ。
オレはプレイヤーに対してトミーから届いたこんな一枚のメールを投稿した。
このメールを受け取ったのは今日の午前11時を過ぎた頃だったんだ。だっていうのに送信された時刻は14時7分になっていやがる!
フォロワーの連中も「これは未来から届いたメールなんじゃないか?」「今日の14時7分に何かが起こるんじゃないか?」って話題で持ちきりだったな!
未来から届いたメールなんてまっぴらごめんだぜ! オレたちが住んでるのは現実世界だ! しかし現実にメールは未来から届いてしまってる……。
オレたちが頭を抱えた矢先、一つの光明が見えた!
あるプレイヤーが、驚きの閃きを見せたんだ!
プレイヤーたちの言うとおりにメールを14文字と7行に並び替えると……
ウィッス、ジェイリー! 元気
ィ? オイラ今大学まで遊びに
キてんだけどさァ。例の大切な
ぺージが全然見つからないもん
で、オイラはお手上げだ! 悪
ィ! 今日のところはさっさと
アジトに帰らせて貰うぜ!
なんと「ウィキペディア」という単語が浮かび上がった!
するとウィキペディアの『トマソン』の記事の中にオレたちトマソンに繋がっていると言うリンクが結び付けられていることが判明した! そのリンクを辿った先には一本のYoutubeの動画があったんだ!
動画はひたすらに京都造形大の階段を登っているものだった! 動画の最後には何やら怪しげなモニュメントの中に置かれた怪しげな封筒が!
きっとその場所に新たな手がかりがあるはずだとプレイヤーは推理したが、あんな階段を上るなんてたまったもんじゃない!
プレイヤーの命運はあの階段を上る覚悟を持った勇者(※ARGでは現地調査に出向くアクティブなプレイヤーのことをそう呼んだりするぜ)に託された……!
そうすると間も無く実際に現地へと出向いた学生プレイヤーが現れた! あんな長い階段を登ってくれたんだな! 感謝するぜ!
あの封筒の中身は4枚の紙きれだった! 一枚は行方不明のトミーが残したらしい置き手紙、それから謎の暗号文だ!
オレたちに立ちふさがった謎をプレイヤーはもろともしなかったぜ!
暗号文の内容は「だいかいだんした」「駐輪場」「Three Nine Four──394」であることが判明したんだ!
京都造形大の大階段の下には隠れた駐輪場がある。きっとそこに何かがあると推理したプレイヤーは早速あの長い階段を引き返し……(本当にご苦労様だったぜ)
トミーの暗号文に残されたピンク色の自転車──フラミンゴを見つけた! そのカゴの中にはトミーのプライベートなものが入ってるという鍵のかかった箱があったんだ!
プレイヤーは瞬く間にその鍵のナンバー「394」を割り当てて箱を開いた!
その中にはまたもや2枚の暗号文が!
しかも今度は謎の電源コードと、どうやらパソコンのバッテリーらしい代物が! どうしてこんなものがこんなところにあるんだ?!
またまた暗号文を瞬く間に解読したプレイヤーは暗号文の答えがNA410──人間館4階の教室に繋がっていることを割り出した!
山の次は山の麓へ、その次は4階だって?! 学生プレイヤーの諸君は本当にお疲れ様だぜ……。
NA410を訪れたプレイヤーの前にまたまたまた立ちふさがる謎の暗号文! しかもバッテリーの抜かれたノートパソコンまで一緒だ!
パソコンを立ち上げると、トミーと命名されたユーザーアカウントが存在していた! だがもちろんアカウントにはロックがかかっている! プレイヤーは早速暗号文の解読に取り掛かった!
全くプレイヤーたちは優秀だな! 瞬く間に暗号を看破しやがった!
浮かび上がった文字は「Gary Leah」……トマソンの命名の元になったある人物の名前だった。
現地に出向いていた学生プレイヤーがパソコンにその解読文を打ち込むと……
ビンゴだ! パソコンのデスクトップにはインスタグラムのネームタグが貼り付けてあったぜ!
アカウントには27の投稿がされていたぜ。謎の穴あき文? その後ろに透けた0から77までの数字が浮かんでいるぜ……これはいったい何を示してるっていうんだ……?
全くもって規則性のわからない画像たちは、今まで立ちふさがる謎を鮮やかに快刀乱麻してきたプレイヤーを大きく悩ませているぜ。プレイヤーたちの間でたくさんの憶測が飛び交っているんだ。
現地組も平日だっていうのに授業の合間を縫いながら教室に残りながら頑張ってくれていたみたいだ! センキュー!
今日の流れはひとまずこんなものか? また動きがあれば随時チェックしてくぜ!