目に見えないものの適正価格について

近頃、フリマアプリの成長で、不用品の始末の選択肢が増えただけでなく、ハンドメイドのアクセサリーや小物を売り出す作家の方が増えている。非常に素晴らしいことだと思う。売り上げあたりに手数料がかかるとは言え、それでも自分で店を構えるよりはるかに低コストで品物を出品できるし、購入する側としても、無数にある雑貨屋を巡ることなくお気に入りの一品を購入することができる。(もちろん、ふらっと立ち寄った雑貨店での「出会い」はそれはそれで良いものだ)しかし、同時に問題も起きている。「この材料なら原価はいくらのはずで、こんなに高いわけがないから値引きしろ」という客の登場だ。作家の方々からは煙たがられている。多分、素材の代金しか見ていなくて、作家さんがその技術を得るために行った投資や、そもそもその作品を制作するのにかかった時間などを考えていない、つまり「ハンドメイド品を買い慣れていない」ために起きる問題だと思う。しかしこれを説明してもなお食い下がる例もあるらしいので難しい話だ。

ところで日本の通信料金は異常に高いと言われている。少し昔の、地下鉄だから電波が入らない、とか、山奥だから基地局がない、とか、そういう問題が山積みになっていた当時なら、設備の拡張とかである程度値段がかかるのは当然のことだし、こうして24時間いつでもネットワークに繋げる環境を維持するために、日夜労力を惜しまない方々がいることも承知している。しかし「契約期間違反金」とか言われるものに関してはさっぱりわからない。私が素人だからかもしれないが、なんとなく足元を見られている気がするし、言葉が悪いが「押し売り」という印象もある。そもそもインターネットは空気で通信している訳ではなく、見た目上無線でやりとりできている気でいても、辿っていけばどこかの線に繋がっているし、さらに辿れば海底ケーブルで世界とやりとりをしている。末端の基地局をこまめにアップデートしたところで、結局海底に回線が埋められているということは、そんなに頻繁に急激な成長をする訳ではないように思われる。もちろんインターネットが生まれたばかりの頃と比べれば安価になり、各家庭単位でも高速通信ができる程度のコストになったのは承知している。要は、頻繁に技術革命が起きていた時代を過ぎたにしては高くないか?ということだ。

これら2つの話題を目にすると思うのが、目に見えないものの値段を適正か否か見極めるのがいかに難しいか、ということだ。単純に自分の理解不足であるようにも思えて、なんだか不勉強を晒すようでなかなか言い出せなかったりする。私も後者に関してはそう思う。しかし、だからと言って自分の中にある「違和感」を無視していいわけでもないと思う。その時「不勉強だなあ、この人」と思われるだけで済むか、本当にぼったくられていることに気づかないふりをし続けなければならないか、ということなら、私は前者の方がはるかにマシだと思う。

大事なのは、専門家何人かに聞いてみて、自分の不勉強だとわかったら素直にきちんと「勉強する」ことかな、と思う。これを怠っていつまでも「不勉強な人」で居続けないように気をつけたい。

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