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週報46(2019.4.22〜4.28)

GWに入りました。いかがお過ごしでしょうか。

今回は平成のラスト週報です。

まずは恒例のこちらから!

◯YouTubeの状況

4月第4週 2249人(前週対比100%、+13人)

5月1日に新曲をアップします。そこでRAVENWORKSのことを新しく知ってくれる人が増えるといいなあと思っています。

○カバー曲「Rain」について

ボーカル・Sou

ギター・星銀乃丈

新進気鋭の二人にお願いして、カバー曲を制作しました。今回は大江千里さんの「Rain」という曲です。ぼく自身はアニメ映画「言の葉の庭」で使用された秦基博さんによるカバーを聞いたことをきっかけに、大江さんの原曲にたどり着きました。



自分は「フェードアウト」が好きです。曲の終わりぎわにボリュームが少しずつ絞られていって、完全に無音になるまでのこの時間に特別の切なさを感じます。例えば「ギターソロ、ここまでしか聞けないけど、スタジオではどんな音を出していたんだろう」といったように、絶対に聞くことができないからこそ色々なイメージが湧くんですよね。ボリュームが変わらなければ全部聞けたのに。ただ、音が小さくなっていくからこそすごく集中して聞き漏らすまいとしちゃいますね。ときには無理やりボリュームを最大にして曲終わりギリギリの細部まで聞き取ろうとして、その矢先に次のロックチューンにうつって爆音が耳に飛び込んで卒倒したり。楽しい思い出がいっぱいです。

そういうわけで、フェードアウトに象徴される、ある種、鍵穴から部屋の中をのぞくような独特の歯がゆさがあります。曲のカバーにはそれに近い楽しさがあって、原曲のコードを少し変えてみたり、楽器の鳴らすフレーズを変化させたり、見ることのできなかった景色を自由にイメージ・創作できる面白さがあると思います。

▲作業画面、「Big Tom」はイントロで流れる電子タムのこと

昭和後期から平成初期の音楽には残響音がたっぷりかけられていて、今でこそタイトな音作りが好まれるのかもしれませんが、リバーブたっぷりの音像もいいものです。時代と関係があるんじゃないでしょうか。体の線を隠すダボっとした服を着ることと、音の輪郭を曖昧にさせるリバービーな音作り、なんとなく通じるところがある気がします。そんな風に、時代の移り変わりに想いを馳せながらカバーの制作を進めました。

「Rain」という曲を知ったのは2013年のことで、繰り返しになりますが新海誠監督の「言の葉の庭」を観たことがきっかけでした。エンディングテーマを聞いて、「こんな素晴らしいポップソングがあったのか」と驚きました。もうそれはかなりの驚きでした。誰の歌か見逃すまいと画面に食い入っていると「秦基博」とあり、なんてすごい曲を書く人なんだ…としみじみ感慨にふけっていた矢先、よく見ると「大江千里」のクレジットが。原曲は大江さんだったのか。二重の驚きです。

いや、よく考えたら大江さんって「夏の決心」の人じゃないか!「ポンキッキーズ」で何度聞いたことか。独特の歌声で強烈に記憶していました。子どもが楽しめる曲を書く一方で、「Rain」のような切ないストーリー、サウンドメイキングも手がけていて、その手広さ、機動力に心を動かされました。

今回のカバースタイルは原曲重視で、アルバム「1234」に収録されている「Rain」を参考に何度も聞き込みました。アルバム中の全曲を大村雅朗(おおむら・まさあき)さんが編曲しています。曲全体が柔らかなリバーブに包まれていて、空間の広さを感じます。劇的な展開はなく演奏隊もほぼ変わらないようです。そのうえ歌は3番までたっぷりとあります。それでも全く飽きないのはやっぱり、歌詞世界の請け負うところがとても大きいのだと思います。

恐らくこれまで沢山の人が「Rain」を語ってきたと思いますが、「Rain」の歌詞はやはり読み手の想像を広げる力がすごく強いと思います。

「人前ではやさしく生きていた」
「道路わきのビラと壊れた常夜燈」
「別々に暮らす泣き出しそうな空を」
「にぎりしめる強さは今はもうない」
「どしゃぶりでもかまわないと ずぶぬれでもかまわないと」

人物描写、情景描写、状況描写…これらの歌詞がメロディと混ざったとき心に働きかける力が強力です。本当にいい曲だなあ。

どんなに素晴らしい曲があって、自分がその曲を知らないで過ごしていたとしても、世間は素知らぬ顔でどんどん先の時代へ行ってしまうということを痛感しました。世界は私達が素晴らしい曲を知る機会など一切保証してくれません。自分で見つけ出すのです。大江さんの「Rain」にたどり着かせてくれた新海さんと秦さんに感謝です。

作編曲家の星君にはギターパートの制作を全てお任せしました。音作りの指示は一切していませんが、原曲の松原正樹さんのギターを踏襲しながら彼なりのカラーを出し、新しい風を取り入れてくれました。エンディングはSouくんと星くんとの掛け合いで、もつれ合いながらフェードアウトして終演。ちょっとチャレンジングなアプローチでしたが、うまく機能してよかったです。お二人に感謝します。

◯令和に向けて

新曲投稿まであと数日。作曲エンジンがいい感じで回っています。今後のプランは、7月にシングル頒布、今年中にアルバム頒布。手持ち曲も増えてきたので、アルバム発表が現実味を帯びてきました。継続は力なりですね!

令和もきっと、いいこともつらいことも、色々あると思います。そんなとき、心に消えない火が灯っていれば、自分が自分であることをやめずに生きていけると思うのです。僕はその火を起こす存在でありたいです。西島尊大は、これからも、人生を前向きに捉えて楽しもうとする人々を応援します。

○また来週…

今後ともRAVENWORKSをよろしくお願い致します。

次回は令和元年にお目にかかります。

一生懸命に働く人も、体を休める人も、どうぞよいGWをお過ごしください。


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