放射線治療を受けてみた (3):1回目-5回目

2017年の秋に子宮体がんと診断され、手術の後28回の放射線治療を受けました。この記事は治療1回目から5回目までの記録です。治療開始以前の経緯については、以下の2本の記事をご覧ください。

がんの告知から療養生活まで
放射線治療の準備期間

*     *     *

治療1回目

平日には毎日同じ時間帯に通院し、放射線治療を受ける日々がいよいよ始まる。照射予定時刻の60分前にトイレに行き、その後300ミリリットルの水を飲む。そして急いで病院に向かう。

治療用の機械の上に乗ると、足を固定されてから放射線技師の皆さんによる位置合わせが始まる。先日つけたマークを手がかりに、ミリ単位で身体の位置・高さを調整していくのだ。初回ということもあって結構な時間がかかる。しかも照射が終わるまでは同じ姿勢を保たなければならない。

担当医の先生によると、治療に伴う症状は照射の回数が増えるにつれて強くなっていくらしい。治療が終わった後は疲れてしまい、病院内の喫茶室に行ってカプチーノを飲んだ。それから会社に戻って仕事。

治療2回目

会社で打ち合わせをしていたら照射の60分前になってしまったことに気づく。あわてて会議室を抜け出し、措置をしてから通院。放射線科の待合室では順番待ちの患者さんやその家族が、テレビでオリンピックの中継を観ている。

放射線治療は毎日同じ時間帯に行うことになっている。そのため待合室では、同じ患者さんとその家族の方々と毎日顔を合わせることになる。私の前後に照射を受ける患者さんたちはいずれも高齢の方で、奥さんや娘さんと一緒に来ている。

今日は比較的スムーズに位置決めができた。照射後、骨盤まわりから胃の上部までのいくつもの場所についた照射用のマークの上書き。身体の中心部のマークはそれほどでもないが、脇腹のマークはすぐに薄れてしまうようだ。その後は会社に戻って仕事。

治療を受けてから2時間ぐらいするとお腹にガスがたまってきた。そういえば昨日もそうだった。

土曜日

治療は休み。臀部がひりひりするが、別に皮膚には乾燥も炎症もない。

これは放射線治療の影響ではなく手術で卵巣を取ったためだと思うのだが、わけのわからないタイミングで急に身体がほてるということがときどきある。まあ、5分もすれば収まるのだけれど。

日曜日

相変わらず臀部がひりひりする。そして何を食べてもおいしく感じられない、というか、食べものの味をあまり感じなくなってきている。照射の影響なのだろうか。分からない。

治療3回目

私の骨盤は左側に少し傾いているらしく、治療のときにはいつも左側の微調整に時間がかかっているようだ。放射線技師の皆さんは何度も確認しながら、ミリ単位で前後左右の位置を調整していく。照射は特に問題なく終わった。

今日はどういうわけが朝から空腹感が強い。だからと言ってたくさん食べられるわけでもない。食事がおいしく感じられないのは相変わらず。そして寝不足ではないのに、どういうわけか頭がぼんやりしている。臀部のひりひりも相変わらずだ。

治療4回目

今日の位置決めはスムーズに終わった。昨日上書きしたマークはまだ有効であるらしく、書き足しはなし。

治療の後は病院の最寄り駅まで歩き、電車に乗り、そして会社の最寄り駅から会社まで歩くわけだが、会社の最寄り駅につくころには疲れ果てている。いつもは1日あたり5000歩から8000歩ぐらい歩いているのだが、通院の日は1万2000歩以上歩かなければならないのだ。放射線治療は少なくとも私の脚力強化には役立っているように思う。

帰宅後、『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』(新井紀子著)読了。AIの限界と現在の日本の教育の問題について書かれた良書だ。

治療5回目

朝から頭がぼんやりとしている。ひどい寝不足のときのような感じだ。集中力が落ちているのを感じる。

照射後、看護師さんから体調について質問される。今の状態を伝えると、つらいようだったら先生に相談して薬を処方してもらったほうがいいとのアドバイス。たしかに頭のぼんやりはしんどいのだが、今日の時点ではまだ処方してもらわなくてもいいと答えた。

会社に戻ってから、割と長めのミーティングに出席。自分以外の参加者が英語しか話さない人たちで、しかも議題は自分のプロジェクトに直接的に関わってくる内容。重要なことを聞き逃すと厄介なことになる。集中力がいつもよりも落ちているときに、こういう打ち合わせがあるとちょっと大変だ。


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