2018年一番のチャレンジングな出来事

はっきり言ってわたしは運動が嫌いだ。小学生の時も中学生の時も、お腹が痛いとか頭が痛いとか体操服を忘れたとか言ってできる限り体育の授業に出なかった。自慢できることではないがそれくらい運動が嫌いだ。現在進行形で。
2018年3月、そんなわたしがパレスチナマラソンに出場した。パレスチナがあんだけ好きって言いながらパレスチナマラソンに出たことないなんて!そんな軽い気持ちだった。わたしが申し込んだのはハーフマラソン、約21kmだ。運動は嫌いだが歩くのは好きなので、マラソン本番の数日前1日中歩いてみた。記録は16km。たった16km、愕然とした。わたしは21kmも走れるのだろうか。あんなに歩いてたった16km、21kmって何時間かかるんだ!マラソンの前日、ゼッケンを受け取りにスタート地点となるベツレヘムのマンガースクエアを訪れた。受付の人に、ハーフで申し込んだのだけど、走りきる自信がなくなって10kmに変更できないか尋ねてみた。もちろん答えはNO。友人に無理だと思ったら10kmコースに行けばいいよ、参加することに意味があるのさ。そう言われたけれど欲深いわたしは完走のメダルが欲しかった。せっかく走るんだから。
マラソン当日、マンガースクエアはすごい人だった。スタート地点がどこだかわからないくらいに。
開会式典が始まった。司会の女性はこう言った。
”このマラソンには7000人も参加者がいます。みんなパレスチナのために走りましょう。これはパレスチナのための平和的なアピールになるでしょう。パレスチナのために”
7000人の出場者、そして観覧者たち。ここにいるみんながパレスチナが好きでパレスチナの解放を思っている。わたしを含め海外やエルサレムなど分離壁の向こう側から来ている人たちはチェックポイントを少なからず1度は経験しているし、分離壁の高さを体感している。それに対して一人一人は何ができようか?ここで走ることの意味づけが他のマラソンとは少しことなってくる。一人一人の体験が走ることで大きなアピールとなる。胸が高鳴り涙した。まだ走る前だというのに。
坂道も、分離壁の横もチェックポイントの側も難民キャンプも通過してなんとか21kmを2時間50分で走りきり、念願のメダルは手に入れたが運営のグダグダ具合にパレスチナらしさを見た。来年は運営がもっときっちりしていますように。わたしも完走できますように。

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