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消えた村 リフタ / Lifta

エルサレムと聞いて思い浮かぶのはきっと旧市街の嘆きの壁や黄金に輝く岩のドーム、そしてイエスキリストが磔刑にかけられた聖墳墓教会だったりするだろう。
もちろん、この場所は祈り人みんなにとってまた祈らないわたしにとっても尊い美しい場所だ。
この旧市街から歩いて30分ほどだろうか、エルサレムの長距離バスターミナルを過ぎ行くと右手に見える緑。段々に下がっているオリーブ畑(畑というより雑木林)や石造りの廃墟群、それがLiftaだ。

世界中の人でそれが極東アジア人であってもきっと知らない人はいないであろう、ホロコースト。しかしナクバと聞いてピンと来る人がどれくらい、いるのだろうか。
ナクバ、アラビア語で大惨事とか大災事とも訳される。1948年、そう第二次世界大戦の3年後に統治をしていたイギリス軍が撤退しユダヤ人国家イスラエルが建国された。建国の5月14日ナクバ大惨事が起こった。
Liftaはナクバに伴うきっと数百数万の物語の1つの断片に過ぎない。その多くの物語の一片ですら苦しく、部外者のわたしですら深く傷つく。
2017年秋、最後のユダヤ人入植者がLiftaを去った。2018年現在、イスラエル政府が管轄する公用地となっている。


どっかピクニックできる場所ないかしら?
Liftaはどう?自然も多いし、天然のプールもあるわよ。プールには入らなくてもいいけど、静かでいい場所よ。
そう教えてくれたのはエルサレムに住むユダヤイスラエル人の若い女性だった。
へー、その場所は何?
何だろう、公園みたいな感じかな。
そっかー、行ってみる。
それがわたしのLiftaの初めてだった。
なんて自然が豊かなところなんだろう。オリーブの木、アーモンド、フィグ、いたるところにはハーブが自生している、ディル、ローズマリー、ミント。ここで自給自足もできるんじゃないの?そう思った。

帰国後、手にした本の中にLiftaの文字を見た。

その本のタイトルは”ユダヤ人国家のパレスチナ人”というものだ。

ますますわたしはLiftaという村に興味を持った。

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