パレスチナの音楽フェス ーいつの間にか始まっているー

まだ明るいが太陽の光は少しだけ和らいだ気がする。ほんのたまに涼しい風が抜ける。

ステージの照明のリハーサルはいつの間にか本番になったのか、それともリハーサルのままなのかよくわからないまま、DJブースにはDJがたち、音楽をかけそのボリュームはどんどん大きくなっていった。


目につくメッセージ性の強いTシャツ。まさかのオフィシャルだった。
パレスチナ難民の帰還権、2002年のジェニン難民キャンプでの虐殺について、そんなメッセージが書かれた、ある種、政治的な意味を持たせるTシャツ、かと言って政治位一辺倒でもない、そんなところが他国のフェスとの一番の違いはここかもしれない。

パレスチナのフェスでパレスチナ人ミュージシャンなのだけど、出身地は様々。イスラエルのアラブ人でハイファからやってきたり(逆は難しいだろうけども)東エルサレムだったり、パレスチナ自治区ラマッラーから地元ベツレヘムであったり。演者、裏方、そして観客のそれぞれの住む場所、IDカードの色の違いを考えながらもみんなパレスチナが好きな気持ちが溢れているMCでこっちが高揚し涙しそうになった。

注>イスラエルのアラブ人(パレスチナ人)と東エルサレムの人とパレスチナ自治区に住むパレスチナ人ではIDカードが違う

Apo and the Apostlesのライブで知ったBasharがフェスにも出ていた。彼はエルサレム出身のミュージシャンでわたしにとっては今回彼のライブを観るのは2回目だった。まだ明るい早めの時間に彼の出番が来た。観衆は”Bashar”コール!西岸地区での人気も伺えた、そして2度目のライブなのでわたしにとっては歌詞を知っている唯一かもしれないアーティストだった。

わたし、この前エルサレムでBasharのライブ行ったのよ!

えー、そうなの?いいなー、わたしもBasharのファンなのよ。

そんな会話が知らないもの同士で繰り広げられた。彼が登場しイントロが始まると会場は最高潮となりみんな手を挙げひらりとクネらせアラブ風の踊りをする、または輪になってダプケと呼ばれる伝統的な踊りに似た動きをするものもいる。

中東でイスラム教の国(キリスト教徒もいる国ですが・・)会場の人たち全員がイスラム教というわけではないが、ヒジャーブをかぶった女性も多数、薄着している女性も多数、お酒を飲む人、飲まない人、踊る人、おとなしく見ている人、それぞれ、それぞれ楽しんでいる。

少しずつ夜も更けてあたりも暗くなりフェスは盛り上がりをみせる。

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