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今を貪欲に生きる

パレスチナ料理研究家として、国際理解授業のゲスト講師に呼ばれました。

この学校は四肢に不自由がある子供達が通う中学校。生徒の中には進行性の病を抱え今日できたことが明日は(体の動かない部分が増え)できなくなるような子もいます。

生徒たちは事前授業で先生方と一緒にパレスチナについて調べました。どこにあって、どんな言葉を使って、どんな文化がある国なのか。


パレスチナの民族衣装について調べている生徒さんがいました。内容が面白くて ”このセンスいいですね!”と先生に言うと

この子は脳に障害があって集中して調べることが苦手なんですよ

まさか!と思うほど深堀していた。苦手であっても”知りたい”スイッチが入った時はその障害をも凌駕するのかもしれない。

先生と生徒たちの調べた資料を一緒に見ている時、

死を待つだけではなく限りある時間に沢山のことを体験して知って欲しい

そう、言われていました。
ここにいる障害や病を抱えた人だけでなく、生きとし生けるもの皆に言えること。いつも健康でいると忘れがち。明日にすればいいやとか、タイミングが来ればでいいやとか。その明日は誰も保証されていないのです。当たり前だけど。

先生が

みんな知りたい!っていう気持ちが本当に貪欲なんです。

とも言われていた。

わたしはできるだけ動画を多く使ってパレスチナの今がどんな風なのか、一緒に見て話して疑似体験とはまでは言えなくてもそれに近いことを心がけた。彼らの知りたい欲求は素晴らしいものだった。

パレスチナ料理研究家と名乗っているからには授業のメインは調理実習。事前授業でパレスチナ料理について調べてくれている子もいて、すでにみんなマクルーバの名前は知っている。

わかるけど味の想像がつかない!

と言っている。それでもいくらかは想像するだろう、想像と実際の比較もできる体験型授業は黒板より絶対楽しい!
パレスチナの家庭料理を実際に作る体験は1時間のDVDを見るよりも一層身近に感じ、国際理解にもつながる。
実習では自由が利かない手を工夫して使って野菜を包丁で切る。それだけで一苦労。参加生徒全員が何かしらの役割を果たし全員で作ったマクルーバ。マクルーバの見どころはやはり最後のひっくり返す!料理名になるだけある!どうしてこの名前なかも寸劇のように身振り手振りで身体を大振りに動かし説明。

みんなでひっくり返して鍋の底をトントントン叩いて、ごはんがストンとお皿の上に落ちてきます。

鍋を取るとケーキのようなマクルーバが出てきて大歓声!


まずは匂いを体感する。実は生徒の中には身体機能の問題で固形物を食べられない子がいる。匂いや手で触れた触感、そういった五感がかなり重要となってくる。該当の子にはミキサーで流動食のようにして食べてもらった。

彼らの初めての体験をお手伝いできたこと、知的好奇心旺盛な彼らの欲求を刺激し、刺激を受け、一緒に時間を過ごせたことは今を生きることを教えて貰った。

わたしが旅を好きになったのも好奇心、知りたい欲求からだった。彼らの知りたい欲求を見て思い出した。

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