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占領のその先に

アートには力があることが証明された。


占領地パレスチナ、封鎖されたガザ地区。ガザ地区に入域できる人は医療関係者、国際機関のガザ担当者、外交官、ジャーナリスト。いずれの人も許可が必要だ。

逆はというと、ガザ住民がガザから出る自由はない。重い病気があってもその許可はなかなか下りないらしい。確かに、日本国のスカラシップでの留学生でイスラエル軍からの許可が下りず日本に来れなかった人を知っている。詳細な条件があるのかないのか知らないけど、よく聞くのは女性よりも青年に許可が下りる可能性が断然低いということ。

2019年2月10日、ガザからMohammed Al Hawajri、Raed Issa、Sohail Salem 3人のアーティストが来日した。奇跡的にラファハゲートが開いたのだ。そしてシナイ半島を通り何十ものチェックポイントを通過しエジプトカイロ空港から成田へ向かった。予定より1ヶ月ほど遅れた来日だった。

2019年2月25日、私たちは京都で会った。
Mohammed Al Hawajriの作品はヨルダン川西岸に住むアーティスト経由で知っていた。数名のアーティストのポートフォリオを見せてもらいその中に彼はいた。抜群に目立ってわたしの脳裏に焼きついた。それ以来ファンでフォローしていたところ、共通の友人のアーティストがいたためSNSで交流をしていた。

夢の中にいるみたいだ。

Mohammed が発した言葉。
陳腐な言葉かもしれないけど、本当にわたしもそう思った。SNSでわたしたちは距離を越え、分離壁を越え、チェックポイントを越えた。それはSNS上のことだった。でも今、目の前に現実として会っている。ガザからまさか出られるなんて。

わたしたちはまだ冬が残る京都の街を歩いた。

彼らはいつもふざけていた。川に飛び込む振りをしてみんなを驚かせたり、ちょっと待って!2minutes!!と誰かが言うと、いや彼には5minutes必要だよ!とか言ってみたり。急に一緒にダプケを踊ってみたり。いつもいつも冗談を言っていた。

今は珍しい、公衆電話。そこに入って誰らかとずっと話している。Mohammed。とっても込み入った話。でも全部お芝居。作り話。

彼らにはユーモアがあった。占領下に生きる知恵なのか強さなのか元々の性格なのか、もしかしたらそんな仰々しいことは考えていないかもしれないし、意図的にしているかもしれない。

笑いや芸術は腹の足しにはならない、スポーツも。でも生きる上で必要不可欠な心のビタミンになる。


本日2月27日は京都大学で
明日2月28日は東京大学で彼らのトークがあります。

3月1日にカイロ経由でガザに戻ります。過去にはカイロ空港で入国を拒否されことも。カイロからガザまでの近いくて遠い道のり。無事に彼らが家族と会えてそしてわたしとも再会できますように!


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