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今ガザで空爆が起きている、壁の向こうにもロケット弾が落ちている、その時わたしは

5月4日の夕方エルサレムの友人ハサンからメッセージがきた。

”今、友達と飲んでるからおいでよ!紹介する”

場所は西エルサレムの新市街で細い路地にある今っぽいバー。そこにいる誰がイスラエル人で誰がパレスチナ人で誰が外国人(アジア人除く)が見分けがつかない。

こっちだよ!紹介する、ノーラ。
はじめまして!よろしくねー。

ノーラの映画はイギリスアクセントのように思えた。でもパレスチナ人だったけど。

何飲む?そこのカウンターで注文できるよ、今はハッピーアワーだから1杯分で2杯飲めるよ!

カウンターのメニューにはタイベビールもあった。パレスチナビールだ!

ねえ、ここパレスチナビールもあるよ!すごくない?
ヒューマニティーだねー。スイートだよ。だからこの店が好きなんだ。

そういう店もあるんだ、しかもエルサレムで。

僕はエルサレムが好きだよ。西とか東とか関係ない、エルサレムが好きなんだ。エルサレムがぼくの地元だ。

彼はエルサレム、東エルサレム出身。ご両親はオリーブ山の付近に今もご健在だ。

ハサンはイスラエル人?それともパレスチナ人?

そう質問したのは、ノーラだった。

僕はイスラエル人じゃない、パレスチナ人ってのも微妙かな。
エルサレムっ子ってことでいいんじゃない?どう?

一旦これで落ちついた。一度も質問したことがないけど、たぶん彼はイスラエルパスポートを持っていると思う。パスポートと民族とアイデンティティー全部バラバラじゃだめなのかな。それは全部が一致しているわたしの想像を超えるものなのかもしれない。

そんなことを思いながらみんなでパレスチナビールで乾杯をしていた。

その頃がガザでは・・・・

帰宅し、スマートフォンの画面を見るとアラート履歴があった。このアラートはガザからイスラエル側へのロケット弾発射を意味している。

ガザと南イスラエル双方打ち合い。70キロ程度しか離れていないエルサレムでにいる、わたしは楽しくビールを飲んでいた。イスラエル人ではなく、パレスチナ人と。

夜中もアラートが鳴り止まない。ガザからこれだけロケット弾が発射されているとなるとイスラエルからの報復は目も当てられないくらいなはず。何度もアラートで起こされ目が覚めてしまった。

facebookを見るとガザの友人たちが爆撃の様子をポストしている。

あー。やっぱり。

それでもガザからのロケット弾も止まらない様子。思わずアラートの通知をオフにした。


エルサレムは青空が広がっていた。1週間前までは少し肌寒かったのが嘘のように肌に刺さる太陽の光。空は高く静か。

70キロは車で2時間もあれば到着する。福岡から熊本とか東京から横浜とかそんなもんだろうか。エルサレムは日常が続いていた。新聞を見ると戦争の文字がある。ガザ戦争。それでもダマスカスゲートの前には野菜を売りに来る農家のおばちゃんがいて、旧市街の外も内もラマダンに向けて飾り付きが急ピッチで進んでいる。

ガザ大変になってるね。

パレスチナ人の友人とガザについて話してみた。

本当に。悲惨よ。
エルサレムの人たちはどう思っているのかな?
そりゃね、東側の人たちはこころを痛めてると思う。2014年の時もみんなで募金活動したりしたけど、でも結局どうすることも私たちにはできない。

ガザが空爆を受け、南イスラエルにロケット弾が飛んでいた時、わたしは抜けるような青空のエルサレムにいてダマスカスゲートを歩いていた。理不尽でやるせないこれが現実だった。

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