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突然「ミソフォニア」 のことを考え始めて漫画を描こうとしたけど、失敗した話!

タイトルで全貌が分かるようにしたら、
ラノベみたいなタイトルになった…(汗)

前置き

2月18日に「cakesクリエイターコンテスト2020」の存在を知り、
「これは…今こそ私のクリエイティブ魂を見せるとき…!?」と思い、以前からアイデアを考えていたミソフォニアのことを漫画にしようと決めました。
…結論は、タイトルの通り失敗したのであまり大きなことは言えないのですが、前書きとしてミソフォニアのことをまとめたものがあるのでそれを掲載することにします。

前書きと言いつつとても長い文章なのですが、ミソフォニアはとてつもなく認知度が低い病気(障害と言った方が正しいかもしれないですが、ここでは病気として話をします)なので
「とにかくまずはこんな症状を持っていて、悩んでいる人たちがいるんだということを知ってほしい!」
という思いで書きました。

ミソフォニアとは?

↓前書きの前に、注意事項があります。

※私はミソフォニアの有病者だと自覚していますが、病院を受診したわけではないのと、医療関係者ではないため医療・専門知識の観点からは「正しくない情報」を含む可能性があります。
治療が必要な方は必ず病院で説明を受けるようにしてください。
日本には専門の機関がないので「聴覚過敏の一種」として、脳神経内科や心療内科にいくのが良いかと思います。(大きな病院に行った方がいいかもしれないです)

まずは「ミソフォニアって何?」というところからになると思います。
ミソフォニアは音嫌悪症と呼ばれ、特定の音に対して強い「怒り」「逃避」「恐怖」などを感じる病気です。

原因は脳の神経伝達に何らかの理由で異常が発生するためと言われていますが、症状に個人差が大きいのと
「発泡スチロールを擦る音を聞くと叫びたくなる」
といった似て非なる症状のことがミソフォニアなのだと誤解されることにより、詳細がはっきりと分からなくなっているようです。

治療法も手探り状態で、具体的に「これをしたら治る!」という方法はまだ見つかっていません。

ざっくりと説明するとこういった病気なのですが、
「じゃあ、発泡スチロールを擦る音を聞くと叫びたくなるのとは何が違うの?」
と思うのではないでしょうか。

明確な違いですが、実は「発泡スチロールを擦る音に対しての反応」という点では、健常者・有病者に差はないと思います。
断言をしなかったのは「発泡スチロールの音自体」が「ミソフォニアの反応を引き起こす音(トリガー)」になっている有病者がいるかもしれないためです。
このトリガーになる音に関しては、
おそらく健常者には「なんでその音が嫌なの?」
となる可能性が極めて高いので、後述とします。

このままだと健常者・有病者の明確な違いが分からないままなので、
分かりやすくするために
「目の前に、口を閉じずに咀嚼をする人(いわゆるクチャラーと呼ばれる人)がいる」
という状態で説明をします。

あなたとその人は、食事をしながら当たりさわりのない会話をしているのですが、終始その人は食べながら「くちゃくちゃ」という音を立てています。
この状態が続くと、段々とその音が気になってくるのではないでしょうか。
そして、徐々にイライラしたり不快に思ったりするかもしれません。
これは正常な反応です。
誰しも聞いていて心地良くない音や不快な音は聞きたくないはずです。

そして「咀嚼音がトリガーになっている」ミソフォニアの有病者はここに
「体や心の反応」
が加わります。具体的には

「怒り」…音を出した物、人に対して殺意に近い感情を持つ
「逃避」…その場から立ち去りたい衝動に駆られたり、音を消すために自身が大きな音を立てたりする(何かを叩く、叫ぶ、同じ音を出そうとするなど)
「恐怖」…心拍数が上がったり、筋肉が硬直したりする

といったものです。
先ほどの例で言うと、くちゃくちゃという音を聞いた時に
「もう少し静かに食べられないかなぁ…。」
と悶々としたりイライラしたりするのではなく、
「こいつを殴って黙らせるか、私がそっと立ち去るしかないな…っ!」
と、本当に殴りかかりそうになったり、怒りや恐怖した時のような体の震えが「音を聞いた途端に」襲ってきます。
このような感覚が起きる場合は、
ミソフォニアの有病者である可能性があります。

ただ、どういった症状が現れるかは人によるため、この音の場合はこの反応が出るといったことは決まっていないです。
また、こうした反応は
「大きな音がした時に体がビクッとなる」
のと同じ感覚で、反射的に発生してしまうため
自分でコントロールすることはできません。

これだけでも、人間関係や生活に支障が出かねない病気なのだというのが何となく分かると思いますが、
ミソフォニアの有病者が揃って頭を抱える問題は、後述すると書きました
「ミソフォニアの反応を引き起こす音(トリガー)」
の内容にあります。
先ほどは咀嚼音を例に説明しましたが
これは代表的なトリガーのほんの一部で、他には
鼻をすする音、いびきやあくび、飲み込む音、歩行音、ガムを噛む音、会話や笑い声、筆記音、タイピング、しゃっくりなど、
「主に人が発生させる生活音」
に対して、同じような反応を起こします。

中には、時計の秒針や川のせせらぎといった
「定期もしくは不定期に鳴る音」に対して同じような反応が出る人もいますが、
大半は「生活していたら意図せずに出てしまう音」がトリガーになっていることが多いです。

なので、意図せず遭遇してしまう可能性が高く、かつ避けるのが困難な状況になりやすいです。
鼻すすりであれば風邪や花粉の季節にはほぼ避けられないし、
飲み込む音は近くの人が出すのはもちろん、テレビやラジオからも聞こえてくる可能性があります。
会話や笑い声にいたっては…もう家に篭っているしかないのではという頻度です。

そしてそれらの音は皆、ミソフォニアではない人にとっては何でもない日常の音です。
「あの人は何で不機嫌な顔してるんだろう?」
と、不思議に思うのが普通なはずです。

また同じミソフォニアの有病者であっても、自分と同じor似た音がトリガーになっている人でなければ理解ができないこともよくあります。
もし
「私は森のザワザワ…って音がダメで…。」
と言われても、
「え?どうして?心地いい音だと思うけど…。」
と考えてしまいます。
こちらにとっては何とも感じない音でも、ミソフォニアの人にとってはまるで地獄にいるかのような気分になる音に聞こえているのです。

更に有病者を追い込むのが、音を立てている人が誰であっても強い反応が出てしまうことです。
それが例え家族でも、親友でも、恋人でも全く関係なく、容赦ない怒りや恐怖が湧き上がってきます。

私は咀嚼音全般がダメなのですが、中でも「お煎餅などの硬いものを噛む時の音」が絶望的にダメで、お煎餅を食べる母のことを睨み付けたり、ひどい時はお煎餅の袋を開けるだけで嫌な顔をしてしまったりします。
普段はどんな話でもできる大好きな母なのですが、お煎餅を食べている間だけ「この世界から消し去らないといけないおぞましい何か」になってしまいます。
そしてそれは反射的に起こるため、母を「消さないといけない存在」だと思ってしまうまでには2秒もかかりません。

考えただけでも嫌になります。
大切な人を瞬時に「消さないといけない存在」だと感じてしまう自分が。
最初の頃は、
こんなことでキレるなんて心狭すぎて辛い…。
と思っていましたが、ミソフォニアという病気があることを知ってからは、
そういうものなのか…心が狭いわけではないのか、良かった。
と、少しずつ受け入れることができました。

その後は、家族に素直に「自分はこういう病気なのかもしれない。」と伝えました。
そして幸いにも「ミソフォニア自体はよく分からないけど、三田兄貴がいる時はお煎餅は控えることにするよ。」
と、配慮してくれるようになりました。
(咀嚼音全般がダメなので根本の問題は残っているのですが…)

しかしそういったケースは稀で、自身がミソフォニアだと話をすると大体は
「そんなことでキレるとかありえない。」
「気にしすぎでしょ。」
と言われて流されたり、ひどい時は
「頭おかしいんじゃないの?」
と完全に否定されたりすることもあります。
(私の友達の反応はこちらでした)

なので「余計な心配をさせたくない」「変な人だと思われたくない」と、大切な人に伝えるかどうかから迷ってしまい、症状を隠そうとして我慢してしまいます。
残念ながら、ミソフォニアは我慢してその音を聞けば聞くほど症状が悪化します。

では、有病者はどうすればいいのか。
専門の機関は海外にしかないので、日本での治療は難しいです。(脳神経内科や心療内科などで診てはもらえますが、ミソフォニアに特化した治療ではないので改善するかどうかはわからないです。)
なので、なるべくその音を聞かないようにするしかありません。
具体的な方法は、音がする場所から逃げるか、逃げられないのであれば耳栓やイヤホンをします。
ですが、学校や会社によっては耳栓やイヤホンができない場合があります。
あまりにも酷くて全く勉強や仕事にならないという場合には、心療内科などで診断書を出してもらい、使用を許可してもらう必要があります。
それでもダメとなる場合もあるので、そうなった場合は逃げる…転校や転職が必要になってしまいます。

このように、ほんの些細な音で人生を狂わせられる可能性があるのがミソフォニアの怖いところです。

ですが、もしこの症状を多くの人が知っていたら?
「ミソフォニアだって言ったら分かってもらえて、気を付けてくれるようになった!」
と、大切な人に打ち明けやすくなったり、
「もしかしてこの音苦手?周りにもあまり出さないように言うね。」
と、そっと気にかけてくれる人が増えたり、
「耳栓もイヤホンもOK!集中して勉強or仕事ができる!」
と、喜ぶ学生や社会人が増えるのではないでしょうか。

なので私は、
今まで言えずに我慢し続けてきたミソフォニア持ちの同士たちのため、
そしてミソフォニアの認知を高めて誤解が起きるのをなくすために、
ひとつの物語を紡ぐことにしました。
それが「FourS(フォー•エス)」という作品の始まりです。

以下、創作漫画の失敗談とこれからになります。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

もし「漫画のことが気になる!」という場合は
このまま最後まで読んでいただき、
スキ!やコメント、サポートをしていただけると、私の創作のパワーになり、執筆が加速しますので、ぜひよろしくお願いいたします…!!

創作漫画の失敗談とこれから

ミソフォニアは
「selective sound sensitivity syndrome(選択的音感受性症候群)」とも言われているので、
これを「FourS(4つのS)」というタイトルで表しました。

いつも苦戦するタイトルがサクッと決まったのをいいことに、意気揚々とストーリーを描き始め、キャラクターを決め、コマ割りを決め、ネームもどきを作り、いざ清書へ…!

が、しかし。

なんと、最初の2ページを清書しようとして力尽きました…。
手書きの絵をスキャナで読み込んで調整しようと思ったのですが、
画面上のゴミ取りが想像以上に多かったり、文字のカーニング調整が手動だったり、吹き出しの形を変えるのにとても時間がかかったり…
漫画描くの、大変すぎでは…!?
と、そこでようやく悟りました。(遅)
小学校の卒業式で「漫画家になりたい!」と言った私に「毎日徹夜なんてダメだ!ちゃんと寝るんだ!」と全力で阻止するレベルの難易度でした。清書までは本当にスムースで楽しかったのですが…。(清書も楽しいのですが整えるのに時間がかかりすぎてしまうのが辛い)

↓なんと、これを配置してコマ割りと吹き出しを入れるのに4時間以上かかりました…。しかもまだ背景描けてない…。

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話自体は1話読み切り分のネームもどきはできているのですが、清書が終わるのはいつになるのやら…。描くのは本当にとても楽しいのですが、いかんせん遅筆なのと、自身の壊滅的な画力のなさに泣いてます…。
そんなわけで「cakesクリエイターコンテスト2020」の期限までには全く間に合いませんでした!!
次の開催まで、ひたすら清書しながら待ちます…!

失敗談だけで終わってしまうのは寂しいので、ざくっとストーリーを書きます。

「FourS(フォー•エス)」は「機械が擦れた時に出る音」に対してミソフォニアの症状を持つ高校生、八神茜の日常から始まります。
ある日、彼女の住む近代都市「シントン」から全ての「擬音」が消えてなくなります。もちろん、苦手な機械の擦れる音も聞こえなくなりました。
「もうミソフォニアで苦しむ必要はない…!」
そう思った茜でしたが…。

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どういうわけか「擬音らしき文字」が空を覆う勢いで溢れかえり、
それによって怪しい二人組に付け狙われてしまいます。
そして最大のピンチが訪れた時…茜の前に謎のイケメン紳士が現れます。

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しかし、このイケメン紳士には大きな秘密があり、
それが茜やその周辺の人たち、さらにはシントン全域を巻き込んだ大きな事件に発展していきます。
そして、事件と茜のミソフォニアには深い繋がりがあり…。

…という感じです。
清書ができ次第、少しずつnoteで公開していこうと思っていますので、
気長にお待ちいただけると幸いです。

個人的には
「あ、これめちゃワクワクするやつ…!」
と思って描いているので、
ぜひご期待くださいませ…!

ご覧いただきありがとうございます! よろしければサポートをお願いします。   サポートが溜まりましたら、B社の新しいプリンタを買ってA4を一発でスキャンできるようにします…! どうぞよろしくお願いします♪