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2023シティリーグS3優勝 アルセウスプテラ

こんにちは。ちだです。
昨年発売されたスターバースからポケモンカードをプレイし始めました。競技プレイヤーとしてはあまり活動しておらず、同僚や友人とデッキ構築談義やカジュアルプレイを主に楽しんでいます。

今回初めてシティリーグの抽選で当選したため、2023/03/05にトイニティ長岡店で開催されたシティリーグに参加し、主題のデッキで優勝することが出来ました。

このnoteには、このデッキの選択・構築に対する考え方と、プレイする際に考えていたことを記載します。公開される頃には新弾トリプレットビートが発売されて環境が変わっていると思うので、自分の成功体験のトロフィーとして記録を残すだけのものになるかもしれません。


1.当日に使用したデッキリスト

三列ピッタリ

このリストが完成した際の最終的なコンセプトは、『自分が要求枚数を少なく一定の打点で攻撃し続けられる盤面を早期に作り、相手の要求を上げつつ攻撃回数を減らしてサイドレースに勝つ』ことです。当たり前過ぎて今更何をと皆が思うでしょうが、ここを徹底することで、対面によらず安定して勝てるデッキとすることを第一としました。

2023/03/09追記:当日のマッチ

●予選スイスドロー
ロストバレット 先6-0⭕️
エレキミライドン 後6-3⭕️
アルセジュラルドン 後4-6❌
一撃ルギア 先6-0⭕️
7位通過

●決勝トーナメント
ロストギラティナ 後6-2⭕️
エレキミライドン 先4-0投了⭕️
アルセジュラルドン(再戦) 先6-0⭕️

2.デッキ選択の理由と考え方

デッキ選択の前提として、私はプレイングが上手なプレイヤーではありません。店舗に足を運んで対面練習する機会はあまり作ることが出来ておらず、平日の余裕がある日の夜に同僚とリモート練習をする程度です。

その為、以下の条件をもって候補デッキを考えました。

  • プレイ中の選択肢が複雑でなく扱いやすいこと

  • 盤面の再現性が高いこと

  • 使用経験があるアーキタイプであること

  • 対面によってプランが大きく分かれないこと

  • 明確なメタカードが環境に少なく、詰みにくいこと

これらを考えたときに、ミラーマッチで練度がものを言うロスト系統や雪道ミュウ、握った経験のないサーナイトやインテウーラは直ぐに候補から外れました。

ルギアはスタン落ち前に使用したことがあり、自身の強い動きを押し付けることが出来るため対面によってプランがブレにくいデッキでした。
しかし、この時点での一撃ルギアは注目度が最も高いデッキの一つとして認識しており、採用される可能性の高いシンオウ神殿+ツツジやイベルタルなどのメタカードを乗り越えるプレイングは自分には出来ないと判断して候補から外しました。

この時点で候補はミライドンかアルセウスを軸としたデッキに絞られました。

ミライドンを軸にしたデッキは、ミライドンさえ場に出すことができれば盤面の再現性が高く、各対面へのプランも明確でわかりやすいデッキでした。エレキミライドン+レントラーVの形でしばらく練習をしていました。

しかし、攻撃を継続出来るかどうかがエレキジェネレータの当たり次第になることが多く、それを解決する為のモココ採用は環境に多いと予想したロスト系統へのプランにとって裏目でした。
また、対面のサイドプランが2-2-2と簡単になりやすい特性上、こちらのプランとしてそれ以上に早く6枚とる為にレジエレキVmaxという貧弱なサイド3のポケモンを盤面に置かざるを得ず、結果的に毎ターン高水準の要求を満たす必要があり勝率が安定しないデッキだと感じました。

アルセウスを軸にしたデッキは、スターバースとトリニティノヴァによって盤面の再現性と攻撃の持続性が高いためにその後の自分への要求を少なく戦うことが出来ます。また、組み合わせるVポケモンを環境に合わせて選択することで不利対面を少なく構築できると考え、最終的に候補として選択しました。

単体のカードパワーが強く、よくアルセウスと組み合わせて使われるポケモンVにギラティナやジュラルドン、空をとぶピカチュウなどが挙げられますが、ギラティナはワザを継続して撃ち続ける要求が高く、ジュラルドンや空ピカはとられるサイドが3枚であり相手の必要攻撃回数が少なくなるリスクがある(対ロストバレットの項で説明します)為採用を見送りました。

アルセウスの相方として、現環境上位に多いデッキに対抗するプランを成立させる為、以下の条件を考えました。

  • Vガードエネと合わせてロストインパクトの280点を耐える(HP260以上)こと

  • 環境に多いポケモンから弱点を突かれないこと

  • Vたねポケモンをワンパン、V進化ポケモンを2パン出来る打点があること

  • ワザのデメリットで自分の次ターンの要求を上げないこと

  • とられるサイド枚数が2枚であること

以上を満たすポケモンとして、《プテラVstar》を選択しました。


3.環境上位デッキへのプラン

●ロストバレット
この対面が1番当たり前の動きを当たり前にするだけなのですが、アルセウスでプテラ2体を育て、トリニティノヴァから6回攻撃を継続することを目指します。ビーダルやホシガリスは基本的に場に出しません。

ロストバレット側がサイド6枚を取り切る為には280-260-260を取り切る必要があります。
低い要求で攻撃ができるアタッカーはウッウとヤミラミの2種で、2枚ずつの採用が主流です。
仮にこの2種だけで攻撃する場合、ダメージ総量的に6回以下の攻撃でサイドを取り切ることは出来ません。また、5回目以降の攻撃にはクララが必要となります。

当然上記2種以外に、より少ない攻撃でサイドを取れるアタッカーが採用されているわけですが、現環境で採用される他アタッカーは少なからず成立させる為に必要なカードの枚数が多い、もしくはサイド2のポケモンである場合が殆どです。
サイド2のポケモンについては返しにこちらが取れるサイドが2枚であり、必要攻撃回数の逆転が起こらない為問題視する必要がありません。意識するのはミラージュゲートやキバナ等の他のカードを経由して攻撃回数を逆転し得るサイド1アタッカーもしくはガラルサンダーVや輝くリザードン等の特性で要求を誤魔化すアタッカーですが、ここに対して雪道で特性を止めたりジャッジマンを打ち続けることで攻撃できないターンを1回でも作ることができればプラン達成です。

ここでアルセ側がサイド3のポケモンを採用している場合、空の封印石+ガラルサンダーVでアルセウスが倒されてしまうとロスバレ側の必要攻撃回数が大幅に少なくなってしまいます。
サイド2のポケモンのみの場合、2-2-2が3-2-2に変わるだけなので変動はありません。サイド3のポケモンを採用しない理由はここにあります。

この対面において、こちら側はトリニティノヴァで一度エネルギーをつけられればワザを使い続けるために追加の要求カードが無いのに対して、相手側はサイドレースを逆転し得る有効な攻撃を通すためには複数のカードが必要になります。

妨害によって相手に毎ターン攻撃のための有効札が引けるかどうかを問い続け、相手からは有効打を通されにくく、こちらからは攻撃を途切れされない試合運びを意識します。

●ロストギラティナ
基本的にはロスバレ対面と同じです。
ギラティナやゲッコウガは強力なアタッカーですが、成立させるまでに余計なカードが必要かつそれらの確定サーチカードはなく縦引きで引く必要があり、攻撃の度にエネルギーを失うため継続性もありません。

この対面では相手がスターレクイエムでサイド2を1回の攻撃で取ることができるため、その後のロストインパクト1回でサイドを取られないことが何よりも重要です。スターバースを切ってでもVガードエネルギーを引きます。

相手がVガードのついたこちらのポケモンを1回の攻撃で倒す為には、ギラティナVstarの成立(進化とミラージュゲート)+シンオウ神殿orこだわりベルトが必要です。直前に結果を残したリストを見る限り、ここが4枚以上採用されているものは多くなく、ジャッジマンで十分に相手に理不尽な要求を問えると考えました。

●エレキミライドン
この対面はプテラが闘弱点をつけるため、最短で2〜3回の攻撃でサイドを取り切ることが出来ます。相手が同じペースでサイドを取るにはレジエレキVmaxの成立が必須ですが、ここにスターバースから雪道ジャッジを押し付けます。相手は雪道を剥がしつつレジエレキVmax2体もしくは1体+ベルト+エネルギーの要求を満たす必要がありますが、サイドレースで追いつくための猶予は1ターンしかなく、ジャッジマンを受けた手札でこれを満たすのは難しいです。
エネルギー要求を満たす経路の安定性、弱点、どこをとっても有利な対面となります。


●雪道ミュウ
ゲノセクトを1回の攻撃、ミュウVmaxを2回の攻撃で倒します。対してミュウ側がこちらのサイド2のポケモンを1回の攻撃で倒すには、タブレットやベルトが複数枚と高い要求を満たす必要があります。
盤面にイベルタルを登場させることで、相手は場にダブルターボエネルギーを複数貼ることが出来なくなり、上記に加えて、雪道ジャッジ後にエネルギーを引くことも追加で要求することが出来ます。場に2枚以上エネルギーをつけてくれたなら、ありがたく叫びで割ります。


●一撃ルギア
プテラを使い込んでいる人以外(大抵の人が該当するとは思いますが)は、この対面こそプテラの採用理由であり、圧倒的有利対面と考えると思います。しかし、私の考えとしてはむしろ構造上不利、当たりたくない対面です。
ロスバレ対面で述べた理由で空ピカを採用しない為、アッセンブルスターを使われてしまった場合、アーケオスのエネ加速を受けた一撃ポケモンを止めることが出来ずにこちらのポケモンは殆ど1回の攻撃で倒されてしまいます。

アッセンブルスターより先にエンシェントスターを宣言することができればイベルタルと合わせてほぼ負けることはありませんが、逆に言えば、それ以外に勝つ方法がありません。じゃんけんお祈り、後攻の場合雪道ジャッジでアッセンブルスターが成立しないことを祈る以外にやることがない正真正銘の運ゲー対面です。

空ピカを入れたところでブン回ったルギアに競り勝つのは難しく、じゃんけんの50%と後手雪道ジャッジの何割かの勝ち筋を持てると言うところで割り切っています。


●連撃インテウーラ
アルセウスがしっぷうづきでワンパンされないようにVガードエネルギーを必ず貼ります。ビッパをビーダルに進化させる場合も必ずVガードとセットにします。
特に意識するプレイとしては、相手のウーラオスがしっぷうづきを打った返しにプテラVの下ワザで連撃エネルギーをトラッシュすることです。インテウーラはインテを強く使うために、基本水+連撃エネルギーの構成が殆どである為、しっぷうづきを打つ場合は大抵連撃エネルギーがついています。


●アルセウス系統
ミラーマッチです。アルセウスミラーは基本的に先行有利。2パンし合いの中で入れ替えやチェレンを通して優位を作る展開になりますが、こちら側はプテラで相手のアルセウスの弱点を突いてワンパン出来るため、後手からであってもサイドレースを優位に進めやすいです。
特に、現環境はルギアやミュウなど特殊エネルギー主体のデッキを咎められるアルセウスジュラルドンの割合が多く、ノコッチ不採用のアルセウスが多いと予想していました。


●サーナイトex
環境上位にいそうなデッキの中で、唯一明確なプランを練り上げられないままシティに臨んでしまいました。基本的には雪道でサイコエンブレイズを止め、ジャッジマンで解決札の有無を問うことになります。しかし、リファインやアルカナシャインでドローできるため比較的止まりにくい相手です。アルカナシャインのサーナイトでこちらのアタッカーがワンパンされるとサイドレースの優位を取り返すのが難しいです。

直前のCLで注目されたサーナイトのリストが使用難易度の高いものだったことと、それ以前に使用者が多くなかったことから、1週間でモノにして握ってくる対戦者はいないという読みで割り切りました。大きく不利をとるわけではありませんが、当日マッチしなくて安心しました。


3.終わりに

ここまで長々とアルセプテラを選択した理由と対面プランの考え方について書いてきました。

もっともらしい理由を並べ立てましたが、それ以外に1番大切な採用理由がもう一つ。プテラを使って勝ちたかったんです。

ルギアが大暴れした前環境で、私は《ドガスプテラ空ピカ》を使い続けていました。

ドガスプテラ空ピカ

当時の環境上位であるルギア、ミュウ、ロスバレ、レジに対するメタカードを盛りに盛った構築です。環境デッキに広く対応できると思って構築しましたが、実際は各対面でそのメタカード以外のほとんどが不純物となり、都合よく必要なメタカードを引かなくてはいけない「ご都合デッキ」でした。

もちろん規模の大きな大会では安定して勝つことが出来ませんでした。愛着が湧いていたプテラVstarというカードを殺してしまっていたのは自分の構築力の無さと、メタカードを使えば勝てるという安易な考えでした。

そこから反省し、環境を考察し、練習時間が取れない分を環境予測と構築段階でのプランニングで上手いプレイヤーに肉迫することを目指した今回のシティリーグ。
納得のいく構築で優勝することが出来て、非常に満足しています。

最後に、お互い仕事が忙しい中、一通りの環境デッキを用意して直前のリモート練習に付き合ってくれた同僚の彼に、深く感謝します。

以上、長文にお付き合いいただきありがとうございました。

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