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マニピュレーター 機材 システム解説 2020

2020年の年末、約1年ぶりくらいですが通常のライブ現場がありました。以前解説したシステムと殆ど変わっていませんが、少し変更した点と追加した予備機材も含めて解説してみようと思います。


【システム改修のポイント】

・メインとサブの同期をWait for noteに戻す
・ADDAの予備を用意する

以前はメインとサブをM64同士MADIで繋ぎ、M64の機能にあるJamSyncを使って同期させていました。今回システムを改修するにあたり以下の点を改善したく、新たにiConnectivity mioXMを導入し、DPの機能にあるWait for noteを再度使うことにしました。

【改善点】
1)A/B切替用のMADIfaceXTがダメになった場合に備えて、メインのM64とFerrofish A32を直接繋いでおく
2)M64のファームウェアやドライバーを更新したときにJamSyncが不安定になった時があったので切り離しておきたかった。また、Wait for noteの方が、個人的には色々な状況に対応出来る。

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また、ADDAをする機材の予備を常駐させることにしました。別セットで使用していたFerrofish Pulse16MXと、今回新たに導入したMOTU 8Pre-ESをADAT Optical接続し合計24chのADDAとして使用出来ます。もしFerrofish A32が何らかの理由で使用出来なくなった場合は、Pulse16MXにMADI接続しこちらのADDAセットを使用します。

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ADAT Opticalが付いているADDAは他にもありますが、MOTU 8Pre-ESを選んだ理由はこちら。

1)8chのマイクプリが装備されているため、急な録音時に対応出来る。
2)USBオーディオインターフェイスとして普通に使える。
3)AVBに対応しているため、将来的な拡張に使用出来る可能性がある。
4)ADAT Opticalが2系統されているため、96kでも8ch送受信できる。


【システム解説】

基本的なシステムは上記改善点以外は殆ど同じです。

今回使用したシステムの概要はこちら。

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メインMac(DP9/M64)サブMac(DP9/M64)を、切替と自分用モニターミックスを作るMac(TotalmixFX/MADIfaceXT)にMADI双方向接続します。Snapshotの切替でPAチームへの送りをミュートしたり、メイン/サブの切替を行ったり、自分用モニターミックスを作ったりしています。MADIfaceXTとFerrofish A32を双方向接続し、PAチームと音声のやりとりをアナログでやってます。

DSC_0090のコピー

また、システム図にはありませんが、スライダック(3KVA) / UPS / 電源整合器を入れています。


今回はTotalmixFXの自分なりの使い方を解説してみます。

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表にするとこんな感じでSnapshotを切り替えています。

ARC USBにはこんな感じでアサインしています。

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[1] Snapshot 1 : MAIN ON
[2] Snapshot 4 : SUB ON
[3] Snapshot 7 : MIX ON
[4] Mute Group 1 : FB MUTE
[5] Snapshot 2 : MAIN OFF
[6] Snapshot 5 : SUB OFF
[7] Snapshot 8 : MIX OFF
[8] Mute Group 2 : FOH MUTE
[9] 未使用
[10] 未使用
[11] Mute Group 3 : MAIN MUTE
[12] Mute Group 4 : SUB MUTE

Snapshotは上記表の通りの内容がアサインされています。
ポイントはMute Groupです。
ARC USBはアサイン出来る動作に限りが有ります。

スクリーンショット 2021-01-23 22.06.24

そうなんです。各チャンネルのMuteをアサインすることが出来ません。
そこで目を付けたのが、あらかじめ選択しておいたチャンネルをまとめてMuteできる「Mute Group」

Mute Group 1 にはPAのモニターミックスのチャンネルのMuteをアサイン、
Mute Group 2 にはPAのFOHミックスのチャンネルのMuteをアサイン。
こちらを切り替えることによってモニターミックスとFOHミックス、それぞれを簡単に切り替えて聞くことが出来ます。

Mute Group 3 には 自分用のモニターミックスを作っているチャンネルのメインシステムの音を一括でMute出来るように、
Mute Group 4 には自分用のモニターミックスを作っているチャンネルのサブシステムの音を一括でMute出来るように選択しています。
こちらを切り替えることにより、メインがONになっている時でもサブを自分の耳にだけONにすることが出来るので、同期の状態等を簡単に確認できます。またサブの場合も同様です。

他にも上記のように使う方法はあると思うのですが、色々試してみた結果僕はこのやり方に落ち着きました。


MADIを中心としたシステムを組んで4年くらいになります。ちょっとずつ改修を重ねていて毎回コレで完璧!と思うんですが、そのシステムも使っていくうちに「あぁこれが心配だな…」とか「ここをもっとこうしたら便利になるかも?」とか思っちゃって、思っちゃうとやらないと落ち着かないもんですね。

次は何を変えるかな・・・

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