UIデザイナーが主要KPIを分解して追うべき数値を見極める方法

PMにもらった指示をただ形にするだけのUIデザイナーになっていませんか?プロダクトの問題点を発掘し、デザインをつかって改善策を提案できるデザイナーになるために、今日は主要KPIをバラバラに分解して「何をすべきなのか」を明確にする方法を紹介します。カタカナがいっぱい並びますが全く難しいことは言っていないので、ぜひ最後まで読んでいただければと思います。

主要KPI策定

プロダクトメンバーと一緒にメインテーマを決めましょう。今回はコスメのクチコミアプリLIPSのように、ユーザーがコンテンツを投稿するSNSを例として使用します。SNSにとって至上命題である「より多くのユーザーにより長い時間つかってもらうこと」をテーマとして進めていきたいと思います。

直訳する

「多くのユーザー」が「長い時間」つかっているかどうか判断するために必要なデータはもちろん「DAU(Daily Active User)」と、「平均滞在時間」ですね。ただ、「さぁDAUを伸ばすぞ」と意気込んでUIを描き始めることは、「夜ご飯に何が食べたい?」という質問に対して「夜ご飯が食べたい」と答えているのと同じくらい愚かです。え?「グリーンピースが載ってないシュウマイが食べたい」と具体的に答えられるように、これらの指標を分解していきます。

分解する

本来はもっとたくさんあるのですが、DAUを増加させる要因となる数値を今回は2つだけ抽出しました。RR(Retention Rate)と新規ユーザーの獲得です。あたりまえですが既存ユーザーがサービスに戻ってきてくれればActive User数は増加しますし、全く新しいユーザーがサービスに初めて来訪してくれてもそれは同じです。

また、平均滞在時間も同様に、2つの要素に分解しました。一人のユーザーが閲覧するコンテンツの平均数を増加させ、コンテンツを投稿させることで平均滞在時間を伸ばそうという魂胆です。

分析&具体的なissue化

1. Retention Rate
既存ユーザーを呼び戻すために「push通知の許諾率」と「push通知開封率」が大切なことは自明です。ここでさらにやるべきことはどういうユーザーがRRが高い傾向にあるのかという分析です。たとえばアプリインストール後60分以内にいいねをしたユーザーが、そうでないユーザーに比べて圧倒的にRRが高い場合、インストール後すぐに良質なコンテンツにユーザーがたどり着けるように改善を行うことでRRの改善が見込めます。また、RRが非常に高いいわゆるヘビーユーザーと実際に会って、自分のサービスがどういう人間に刺さっているのか研究するのも大切です。

RR増加のために発行するissueの例
・push通知許諾率をXX%以上にする
    → push通知許諾popupのアップデート
・push通知開封率をXX%以上にする
    → マーケと相談
・インストール後60分以内のいいね率をXX%以上にする
    → いいねの位置の強調、ボタンの種類の検証、アニメーションの追加等


2. 新規ユーザーの獲得
新規ユーザーを獲得するのはマーケ施策や広告の仕事であって、デザイナーが関与し得ないと思っている人も少なからずいるかも知れません。データは取りにくいですがストアクリエイティブやアイコン、ASOなど、ストアでのCVRを上げるためにできることは多々あります。また、既存ユーザーのシェア導線を強化したり、OGP imageやOGP titleなど、シェアされたもののCVRを高めることもできそうです。

新規ユーザーの獲得のために発行するissueの例
・ストアCVR改善
    → ストアクリエイティブ、ASOの検証
・シェア導線強化
    → シェアボタンの色、形、大きさ、アイコンの有無などを検証
・シェアコンテンツ検証
    → OGP周り検証

3. 投稿率
ユーザーの投稿がコンテンツであるサービスにとって投稿率はとても大切です。YouTubeのように低い投稿率によってコンテンツの質を担保しているサービスもありますが、今回は適正値を気にせずに上げることだけを考えます。投稿フローももちろん大切ですが、アプリをインストールしてから投稿に至るまでのすべてが障壁になります。オンボーディングや、初っ端からの不躾な登録フローによってユーザーを疲弊させていないか、あまりに質の高いコンテンツを表示することで新規ユーザーを萎縮させてしまっていないかなど、投稿までの流れを全体的な体験として設計する必要があります。

投稿率向上のために発行するissueの例
・投稿フロー改善
    → 投稿画面をプログレスバーにより3ステップに分ける
・インストールから投稿までの離脱箇所検証
    → オンボーディングの改善、登録のタイミング検証など

4. 一人あたりの平均PV数
今回は体験そのものの善悪は置いておいて、より多くのコンテンツを閲覧してもらうことで滞在時間を引き伸ばします。詳細ページに訪れるユーザーが何をモチベーションにしているのか見極め、適切なタイミングで「次のコンテンツへの導線」を提供する必要があります。人工知能により、関連度の高いコンテンツを出すのも悪くはないですが、ユーザーが求めているのは実は投稿者の情報だったり、コンテンツへの他ユーザーのリアクションだったりするのかもしれません。まずは少ないコストで検証できるところから始めると良いと思います。

・平均PV数をXX以上にする
    → 詳細画面の表示コンテンツ検証
    → トップ画面の表示コンテンツ検証
    → トップ画面のレイアウト検証など

さいごに

今回魚の釣り方を紹介しましたが、実際に魚が釣れるかどうかは経験や勘に依存してしまう場合も無きにしもあらずです。何度も釣り竿を垂らして、安定して魚が釣れるようになるまで努力することが大切です。今回述べたようなことをもちろんほとんどのPMは日々考えているのかもしれませんが、デザイナーやエンジニア、CSのスタッフなどが日常的に試行錯誤しているチームは圧倒的に強いです。自分の携わっているサービスの「メインテーマ」がなんなのかチームメイトとディスカッションするところから始めてみて下さい。それでは。

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コメント1件

タイムリーにいま知りたかったことが書いてありました!いつもながら実践的なことまで書いてある良記事ですね!
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