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吾輩は100万回生きた猫である #24

エジプトの都アレクサンドリア。バスティはクレオパトラの墓の前で静かに佇んでいた。その瞳には、長い年月を経ても色褪せない愛と哀しみが宿っていた。美しい黒い毛並みと、その優雅な姿はまるで古代エジプトの猫神のようだった。バスティは、クレオパトラと過ごした思い出を胸に、彼女が愛した国エジプトを見守り続けてきた。

バスティは、クレオパトラの面影を追い求めるようにエジプトの街角を彷徨っていた。その途中で、バスティは古代の神殿跡にある静かな場所を見つける。そこは、庭園に囲まれ、神聖な雰囲気が漂っていた。古代エジプトの神々が祀られていたとされるその場所は、どこか時を超えた神秘的な空気に包まれていた。

緑豊かな庭園を見たバスティは、クレオパトラと初めて出会った王宮の庭園を思い出す。あの日も同じような豊かな緑に囲まれた場所で、一人と一匹は運命的な出会いを果たしていた。バスティの心は、クレオパトラと過ごした美しい日々に満ちていた。

バスティはその神聖な場所で息を引き取ることにした。彼女は、クレオパトラと共に過ごした日々を回想し、その愛と絆を感じながら、静かにその生涯を閉じた。

運命に翻弄されながらも、クレオパトラとバスティは互いに支え合い、激動の時代を生き抜いた。かれらの物語は、栄華と没落、愛と絆の詩であった。

町の人々が、バスティのなきがらを発見すると、彼らは気高く美しいその姿にクレオパトラの面影を感じ、彼女に思いを馳せた。バスティの愛したクレオパトラは、この世を去ったことによって、その存在はますます神秘的で懐かしいものとなり、人々の心に刻まれることとなった。エジプトの街角には、クレオパトラとバスティの物語が今も生き続けている。

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