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吾輩は100万回生きた猫である #16

クレオパトラとアントニウスは、エジプトとローマの共同統治を開始し、繁栄の時代を築いていた。しかし、順風満帆とは言えなかった。カエサルの養子であるオクタウィアヌスは、彼らと政治的に対立していたからである。そして、アントニウスはオクタウィアヌスの姉オクタウィアと離婚し、クレオパトラと結婚したことで、両者の関係はさらに悪化した。

アントニウスはアレクサンドリアを離れることが少なく、ローマでの評判は次第に下降していった。エジプト風に染まった彼の姿は、オクタウィアヌスによってプロパガンダに利用され、クレオパトラがローマの敵に仕立て上げてしまったことも関係するだろう。

オクタウィアヌスは、元老院の前で次のように宣言した。「私はカエサルの正当な後継者であり、彼の意志を継ぐ者です。クレオパトラとアントニウスは、ローマの伝統を軽視し、私たちの偉大な帝国を脅かしています。これ以上彼らに寛容を示すことはできません。我々は彼らに対処し、ローマを守らねばなりません!」

クレオパトラは、カエサリオンをカエサルの後継者として宣伝し、アントニウスもその保護者としての立場を強調していた。それに対してオクタウィアヌスは、彼らとの対立が決定的になると、後継者は自分であることを強調し、執政官としてクレオパトラという外敵を排除する立場を明確にしたのだ。

このような状況の中、エジプトとローマは表面上は共存していたものの、その裏で争いの火種はくすぶり続けていた。アントニウスの力が弱まる中、クレオパトラは自らの立場を維持し、エジプトの繁栄を守るために奔走していた。

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