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吾輩は100万回生きた猫である #10

カエサリオンが少し成長した頃、クレオパトラは家族でローマへの旅を計画することにした。カエサルは、クレオパトラと息子にローマの文化や歴史を紹介し、また彼らにローマの人々と交流する機会を与えたかったのだ。

長い船旅の末、クレオパトラ、カエサリオン、そしてバスティは、カエサルとともにローマに到着した。ローマの街並みは壮大で美しく、クレオパトラも息子も大いに感銘を受けた。彼らはカエサルの案内で、ローマの歴史的な建造物や美術館を巡り、ローマの文化に触れた。そして、彼らは古代ローマの様々な風習にも触れることができた。たとえば、ローマの饗宴に参加し、珍しい料理やワインに舌鼓を打ち、詩人や哲学者との会話を楽しんだ。

また、カエサルの友人や知り合いとの交流も盛んに行われた。ローマの人々は、エジプトの女王であるクレオパトラとその家族に興味津々で、彼らを暖かく迎え入れた。クレオパトラはローマの言葉を学び、カエサリオンも新しい友達を作った。バスティもまた、新しい土地での冒険を楽しんでいた。

ローマ滞在中、クレオパトラはカエサルに連れられて、グラディエーターの試合や戦車競走を観戦する機会もあった。これらの競技は、古代ローマのエンターテインメントの中心であり、彼らの勇敢さと技術に感動した。

しかし、クレオパトラとカエサルがローマで過ごす日々は、次第に困難な局面を迎えることとなる。カエサルの敵たちが、クレオパトラとカエサリオンの存在を利用して、カエサルの地位を揺るがそうと画策していたのだ。カエサルは危機感を募らせ、クレオパトラと息子にローマを離れることを勧める。

しかし、クレオパトラはカエサルに対し、「私たちはあなたの側にいることで力になりたいのです。逃げることではなく、共に困難に立ち向かいましょう」と言った。

カエサルはクレオパトラの言葉に心打たれ、彼女の強い意志と愛情を感じた。そして、彼はクレオパトラと共に、自らの地位を守り抜く決意を固めたのであった。

クレオパトラはカエサルに寄り添い、家族と共に彼を支え続けた。ローマの人々は、クレオパトラの美しさと知性、そして彼女がカエサルと息子に対する深い愛情に感銘を受け、次第に彼女を受け入れるようになった。そして、クレオパトラの存在は、カエサルにとって、不安な状況の中での大きな支えとなっていた。

クレオパトラとカエサリオンは、古代ローマの文化や風習を学び、その素晴らしさをエジプトに持ち帰ることを決意した。彼らは、エジプトとローマの友好関係を築くために、共に努力し続けることを誓うのであった。

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