【第2版】【2020特許情報フェア】最新の日本の知財管理システム6選!
今回は、
現在開催中の2020年度の特許情報フェアに出店されている、
日本の知財管理システムについて語ります。
ここで紹介するシステム以外にも、日本にはいろんな知財管理システムがあります。
ここでは、今年の特許情報フェアに出店した会社の中で、
知財管理システムを宣伝している業者に絞って、まとめてみます。
↓↓↓現在オンラインで開催中の特許情報フェア
ここの出展社の中で、6社が管理すステムを上げていました。
以下、私なりに感じたことをまとめます。
(1)IPBOOK
開発会社:横井内外国特許事務所
事務作業量を減らす、ことを売りにしているシステムです。
特に、包袋調査、メール調べ、日報作成、経費報告、書類発送、データ入力、請求書作成などの部分で時間短縮できるらしいです。
メールと案件が自動的に紐付いている。
自分のPCにシステムが入っているため、システムがインストールされている共通PCにまで移動する必要がない。
操作手順についてメモすることができて、新人を教育するのが楽で、操作に迷わない。
とのことです。
EcoIPも事務効率アップによる、事務コストの削減を目指しているので、機能面で似たようなところありそうですね。
料金は、月1.5万円~4.5万円で、3ヶ月間の無料試用期間もあるとのことです。
EcoIPも月間使用料を、これぐらいに設定しようとしていますが、
顧客が、社内サーバーにシステム構築を希望する場合には、出張料をもらっています。
そういう意味では、客先まで出張してインストールするシステムとして、無料で対応するのは、大変魅力あると思います。
特許事務所が開発したシステムなので、システムで稼ぐと言うよりは、出願業務頂ければいいと思うのではないでしょうか。
「クラウドもパスワードで保護されるだけなので非常に危険」と言っているのをみれば、このシステムはクラウド型ではなさそうです。
EcoIPは完全クラウド型のシステムで、ログインして使うものですが、社内サーバーに構築することもできるので、セキュリティーを心配する方は物理的にアクセスできないように、社内サーバーに構築することができます。
一応、このシステムは特許事務所が作ったもので、他の特許事務所が導入を迷うらしいです。この問題については、「米国出願を専門としている特許事務所が作ったものなので、国内の特許事務所とは陰でサポートする立場だ」と言っています。
確かに、特許事務所だからと言って、全て競合する訳ではないんですからね。デメリットと言うより、少なくとも、特許事務所が使っているシステムだから、検証はされてたものなので、逆に、十分使えるシステムであるとのアピールになると思います。
EcoIPも、一応別組織のシステム会社で作っていますが、実は、我々の特許事務所用として作られてものなので、ある意味、同じ問題が生じます。
また、企業向けにも低価額でカスタマイズしてくれるらしいです。
特にシステムで金稼ごうとしてないようで、低価額で企業様に提供しているようです。
(2)Dooup
開発会社:ベーステクノロジー株式会社
従業員20名ぐらいの、システム開発をメインとしている会社っぽいです。
画面の雰囲気からすれば、知財業界のシステムとはちょっと違った感じです。WEB基盤のログイン型のシステムに見えます。
雰囲気的には我々のEcoIPに近いですね。
EcoIPはこんな雰囲気です。どうでしょう?
Dooupは、
情報をクラウドにアップして関係者と共有する
業務効率がレベルアップする
特許のいろいろな期限に対して期限までに仕事をアップ(完了)する
これら3つのアップができるシステムだそうです。
確かに、情報をクラウドにアップさせて、各ユーザーの間でデータ共有する、情報を一元化管理することは、効率アップに繋がりますね。
これもシステム導入の大きな理由になると思います。
Dooupのメリットとしては、
間違いなく短時間でデータ取込み
ToDoが自動的に記録される
いろんな形でエクスポートできて、データ再利用が簡単にできる
新着とかをメール通知するため、見逃すことがない
資料作成や、出来上がった資料の送付などを効率的かつ正確に行える
内部/外部ユーザがアクセスでき、リモートワークが簡単にできる
とのことです。
データ取込の自動化は確かに効率アップに大きく貢献します。EcoIPもデータ取り込みにかなり力を掛けています。
このシステムでは、具体的にどのようにデータを自動的に取り込んでいるかを、是非みてみたいですね。
このシステム導入により得られる効果は、
事務作業の属人化が減り、標準化される
コミュニケーションがもっと順調にできる
セキュリティー性が高い
ペーパーレス化できる
とのことです。
標準化できるのは重要ですね。
我々は「事務作業の属人化が減り、標準化される」これを、組織記憶と言います。
ノーハウが一人一人の個人にのみ残されるのではなく、組織全体のノーハウになってほしいとのことですね。
そう言う意味で、EcoIPにも組織記憶にさせるためのいろんな工夫がされています。
「ペーパーレス化」も日本企業に取っては、もっともっと積極的に取り組むべき課題だと思います。
「セキュリティー性」については、
日本の社会では、クラウド型のシステムについて、未だにセキュリティー性が問われているようです。
このシステムでは、具体的に、如何に「セキュリティー性が高い」ことを証明しているか、是非みてみたいですね。
我々EcoIPでは、セキュリティー性の部分では、いろんな場面で、登録されたメールに認証コードを送付する形の二段認証仕組みを取り入れています。
例えば、①毎回ログインした時刻とPC情報を記録、②時刻が設定期間超えたり、PCが変わったりすると、ログイン時に登録されたメアドに認証コードが送られる仕組みを取っています。
このシステムではどのようにしているか是非参考にしたいです。
取り敢えず、このように、システム開発の専門会社が知財管理システムを作るのは珍しかったし、嬉しいことだと思います。
クラウド型会計システム業界のように、知財管理システムの業界でも、最新のIT技術を駆使した商品が世の中に出てほしいです。
(3)rootip
開発会社:株式会社rootip
完全クラウド型で、弁理士が開発した特許管理システムです。
ここでは、弁理士が自ら開発したシステムであることを売りにしています。
実際のところ、この開発者は、大手特許事務所出身者で、このシステムは、そのような現場のいろんな需要を十分カバーしたシステムになったと思います。
rootipは、現在、事務所用と企業用の2種類がありまして、合計70社1200アカウントを超える導入実績を持っているとのことです。
機能として、
○必要十分な機能
rootipは必要な機能を全て標準装備。手入力によるミスを防ぎ、作業時間を削減できます。
○使いやすさ
「自分が使うために作ったシステム」が原点です。徹底したユーザ目線に基づくシステムは、直感的に分かりやすく、使うほどに効果を実感できます。
○低コスト&高信頼
最新クラウド技術により低コストかつ安定運用を実現。万一への備えも万全です。
このように、「十分な機能を揃ったシステムを、低価額で提供する」とのことです。
私は何回も言ってますが、私がEcoIPを作り出した2014年に既にrootipのようなシステムがあったら、私はEcoIPを作らなかったと思います。
今のところ、このシステムのコンセプトは、一番私の構想に近いシステムです。私がもしEcoIPを作らなかったら、このようなシステムをベースに、いろいろカスタマイズした、と思います。
残念ながら、こちらとしても既にある程度出来上がり、諦めれないので、一応、やり続けます。rootipでやってないところをEcoIPがやって行きたいと思います。
rootipの料金は、
40~100万円ぐらいの初期費用に加え、
ランニング費としては、1.5万円/1アカウント・月だそうです。
ただし、2アカウント目からボリュームディスカウントあると言っているので、100人の会社だからと言って、全員にアカウントを配ると月150万円になることはないでしょう。
(4)IPFM
開発会社:株式会社アイアールディー
この会社は、企業用のシステムとしてIPFM、事務所用のシステムとしてNaviOfficerを作っている会社です。
私は、NaviOfficerと言う知財管理システムを触ってみたこともないんですが、いろいろ聞いてみると、何十人から100人超の、中規模~大規模特許事務所でこのシステムが人気だそうです。
この特許事務所用のシステムであるNaviOfficerは、サイバーパテント株式会社と言う会社が総代理店として営業しているため、今回の展示会で、この会社は、企業用システムであるIPFMをアピールしているようです。
IPFM(IP Flow Manager)の導入により改善できる業務は下記の通り。
1.業務の進捗管理
2.作業工程の見える化
3.安全なコミニュケーション
4.情報の一元管理
企業内に散在する知的財産権情報を統括することにより、アイディア創出から知財に関連する生産情報管理、知財技術動向の解析まで、企業の知的財産戦略情報としての価値を最大限に高めるとのことです。
特に発注元である企業側と、下請けである事務所側で、メッセージのやり取りができるのは便利そうです。
ユーザー側で、接続する「特許事務所」を増やせることができ、事務所数の増加によって費用が増えることはないとのことです。
宣伝資料では、「業界唯一、企業知財部と特許事務所向けに知的財産管理システムを自社開発しています」と言っていますが、rootipさんも現在企業用と事務所用の両方作っているし、我々EcoIPも両方作っているので、これは間違いですね。
もし「業界初」とのことであれば、「業界唯一」→「業界初」に修正お願いします。
我々は5年以上掛けてEcoIPを作り、事務所用システムとしてかなり複雑なレベルまで作りあげたので、これに比べれば、企業用のシステムって、Light版みたいなものです。
NaviOfficer→事務所用
IPFM→企業用
この会社の商品展開のやり方を学び、我々も別名で売るかな~
この会社といろいろ情報交換したいな~と思ってます。
(5)Jimwings
開発会社:株式会社ジムウィン
事務代行に最適な知財管理システムのようです。
弁理士さんがロボットに話かけると、ロボットがいろんな事務作業をするらしいです。
Uipathを使って組み込んだいろんなRPAツールが事務作業を行い、ロボットとしてこなせない業務は、ジムウィン社側に依頼するとの仕組み。
ジムウィン社は、このシステムを使っている全てのユーザーから事務代行業務を自動的にかき集める。
ある意味、ジムウィン社は、寿司屋で売れている寿司を加工する田舎の加工工場みたいな感じですね。
人がやる事務作業も一箇所に集めてやったら、ものすごく効率アップされると思います。
なんか、特許業界のAmazonみたいな会社になるのではないか、期待しています。夢みたいな話で、ワクワクします。
このようなシステムができたら本当に恐ろしい世界になりますね!(笑)
特許の事務員がロボットにより代替され、事務員(ジムイン)がいらない世界がやってきます。それで会社名も「ジムウィン」か!
今年の9月にリリースされたばかりのシステムで、こらから注目すべきシステムだと思います。
話が飛びますが、
実は、今回の特許情報フェアに、事務代行業務を提供する会社が他にも2社あります。
例えば、
この会社の場合、世の中にあるいろんな知財管理システムを使いこなせる事務員を派遣するサービスを展開しています。
また、
この会社の場合、事務作業を受注して、遠距離で代行する会社ですが、
他社が開発したクラウド型特許管理システムを使っているようなので、ある意味、事務代行に特化されたシステムではないようです。
本当にジムウィン社のように、自前で組んだハードウェア+ソフトウェアで業務を遂行し、お客様からすれば、事務作業を所内の事務員にその場で喋る感覚で、気軽に発注できたら、本当に嬉しいことですね。
事務代行に特化したシステムを自前で組んでやる会社、期待します。
(6)DBBOY
開発会社:株式会社マイクロ・シー・エー・デー
企業用の知財管理システムです。
190社強の導入実績を誇る統合知的財産管理システムだそうで、日立、富士通みたいな自前でシステムを組んでいる超大手以外は、ほとんどこのDBBOYを使っているのではないかと思います。
一応システムを作っている私からすれば、羨ましい限りです。
それだけいろんな企業に使われている訳で、柔軟性も非常に高いらしいです。
特に、ここらの辺の紹介をみると、項目名も好みに合わせ自由に変えられるようです。
ある意味、システムではなく、システムを作るツールみたいですね。
以上は、私が今回の特許情報フェアのサイトから得られた情報に基づいて整理した日本の知財管理システムのお話でした。
皆さんに参考になれば幸いです。
最後:EcoIPの戦略
我々が作っているEcoIPは、一応、特許事務所に特化されたシステムです。
現在、30人規模の弊所にピッタリ合わせて作られているので、中規模特許事務所用のシステムと言う位置付けになります。
EcoIPの機能や、理念に共感する国内の中規模特許事務所には、ノーハウを隠せず、供給するつもりです。我々のシステムを十分使いこなせる事務所は、絶対経営がうまく行くと信じます。(笑)
IPBOOKを作った特許事務所と同じく、我々も中・韓・台などのアジア諸国への内外に強みを置くところなので、国内の特許事務所とは競合と言うより、陰でサポートするパートナーに近いです。
なので、国内の特許事務所の悩みも聞いてあげ、皆様にピッタリのシステムを低価額でカスタマイズして上げたいと思います。
それに加え、企業用システムにもこれから力を入れて行きたいと思います。こちらは、軽くて機能も簡単にして、ファインテック業界のFreeeやマネーフォワードみたいな低価額かつシンプルなシステムを作りたいと思います。
楽しみにしてください。
TRY㈱、LTASS㈱の代表取締役。twitter: @TokyoTigerAniki
東北大学(CNIHA)工学部、東京理科大MIP卒。2007年来日、東京の特許調査会社と特許事務所を経て2014年に起業。中国ビジネスに重みを置く日系企業を幅広く支援。ゼロから開発した総合的知財管理システムECOIPは日中韓の多数の企業や特許事務所に採択されている。現在、日本でIT会社、知財会社を経営しつつ、韓国・ソウルにある特許事務所、中国・北京にある特許事務所の経営にも参画し、日・中・韓の知財業務をシームレスかつダイレクトに支援している。
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