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主婦ポリ番外:NY知事クオモ会見(4.15)

概要:「新たな日常」New Normalへの橋。鍵は大量検査。検査ー追跡ー隔離の必要性。連邦政府に援助を仰ぐ。

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私は「あなたの意見を聞く前に、factをまず言って下さい」と意見する人を中断する癖があります。娘にもスタッフにも「うざい」と言われますが、今日もそのスタイルで行きます。

まずfact。

全入院患者数。下がっています。いいニュース。

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Net新規入院患者数=(入院患者数)ー(退院患者数)推移。マイナス。です。3日平均でもマイナス。

Net新規人口呼吸器使用数もマイナス。

新規入院患者数は上がっています。昨日は約2000名。油断はなりません。

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昨日の死亡者

752名

4/9 777
4/10 783
4/11 758
4/12 671
4/13 778
4/14 752 - (707病院/45老人ホーム)

死者数は遅れ指標なので、過去の入院患者のリフレクションです。このように専門用語で死者数をお伝えするのは倫理的に間違っているように個人的には思いますが、事実なので心ならずお伝えしています。

そしてこれから、病院でも老人ホームでもなく自宅で亡くなった人達の調査を行い、より正確な犠牲者数を把握できるようにします。

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想定していた最悪の医療負荷までは行かずに安定しています。全てのフロントライン従事者と連邦政府に感謝します。例えばJavitsセンターには2500台のベッドがありましたが、今の所800台の使用に留まっています。陸軍工兵隊に感謝します。

感染拡大はとりあえず安定。今から次の段階への架け橋を作ります。

今日から明日への架け橋。そして明日とは「New Normal」。前とは違う社会。

公衆衛生が、環境が、経済が、市民権が、人権が、社会正義が、前とは違う社会。願わくばより良い社会です。

「いつ終わりなのか」。個人的にはワクチンの開発で終了。それは12-18ヶ月後と言われています。ニューヨーク州はこのワクチンの開発に関して、連邦政府に全面協力いたします。

ワクチンが完全な終焉ですが、それまでの間の治療法の確立も重要です。
●血清治療
●抗体検査
●ハイドロキシクロロキン(*科学的根拠もないのに大統領が一押しの薬です。)。これに関しても政治的なドラマが渦巻いていますが、私達は科学者の検査の結果を待つだけです。

治療法確立まではどうするか
●段階を踏んだ再開
●公衆衛生を優先
●ゆっくりと経済活動開始

再開への鍵は検査。
検査ー追跡ー隔離。

検査の種類
診断
抗体検査
唾液検査(より早く簡易、開発中)
指刺検査(簡易、開発中)
採血検査

検査器
検査場(現在は病院だが理想的な検査場ではない)
検査試験所

などの課題があります。

かいつまんで言えば、大規模にやる能力は私達にはまだありません。

今まで500,000ほどの検査を州で行いました。他の州や他国と比べても飛び抜けて多い数ですが、NY州は19,000,000の人口ですのでまったく足りていません。

連邦政府の援助が確実に必要です。

州の取り組み。我が州には228の試験所があります。ここの試験所と州が協力して検査を行うようにしています。

州衛生局が開発した抗体検査。一日に2000件が可能です。大量検査の認可がFDAから降りれば一日100,000件の検査が可能。FDAの迅速な承認を打診中。このテストは指刺検査ですので、個人が自分でできます。

一日100,000件できればかなりの速さです。

抗体検査は医療従事者、警察を優先して行います。私達は医療従事者に毎日感謝を述べていますが、感謝だけではだめです。実際に彼らをサポートするにはどういう事ができるか考えなければいけません。検査の優先は当然の事です。

検査の大量生産は経済回復への鍵です。これはNY州に限ったことではなく、全ての州で同じです。私企業が生産するとすれば膨大な設備投資がいります。彼らはここまでの規模の生産は計算にいれていませんでしたから。

人工呼吸器を探しまくっていた時を覚えていますか?とにかく大量に必要だ、とかき集めていました。人工呼吸器に関して私も詳しくなってしまいました。

それが今度は検査です。

各州にも連邦政府にも在庫はありません。人工呼吸器やPPEの時のように、全員が一斉に買い漁れば同じ事が起こります。私達はあの時の経験から学ばなければいけません。

そして検査の後は追跡。例えば一人の陽性者が最近30名と近しい距離にいたとして、その30人を探し出し、検査。一人につき30名としても、ものすごい数の追跡要員が必要です。これも連邦政府の援助無しではできません。

州は連邦から
①検査/追跡の協力
②経済的援助。前回の景気刺激法で可決された予算は州政府への援助はゼロです。この事に関して共和党のメリランド知事と共著で議会に嘆願書を提出したことは昨日お知らせした通りです。

この検査/追跡の実現はアポロ13号の地球生還と同等の科学プロジェクトです。

何処までを国が引き受け、何処から州の事業となるのか、明確な線引きが必要です。大統領は「州に任せる。」と言いました。州としては、州民の行動制限をモニターする事はできます。しかし、検査/追跡は連邦政府の援助無しには無理です。

そして検査/追跡の進行具合を見ながら開けて行く機関/ビジネスを
●どれくらいそのサービス/商品が必要不可欠か
●感染拡大へのリスク
という二つの見地から選択、再開します。

例えばオフィスジョブで、事務所の机同士を離し、social distanceを守ったまま再開できると言うなら、そのビジネスは再開できる、と言った具合です。各ビジネスにその評価をします。

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感染拡大阻止について。

ニューヨーク州では公の場に出る時はマスク(か鼻/口をカバーできるもの)の携帯を義務とします。そしてsocial distanceが可能でない時にそれを装着する事。広々とした所を歩く時は外していても良いですが、人の近くに行く時は装着をして下さい。知事令です。3日後に施行します。

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人工呼吸器が必要だったとき他の州が助けてくれた恩を忘れません。今感染者数が上がって来ているミシガン州に100台、メリランド州に50台人工呼吸器を送ります。

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ハドソン川に架かるタッパンジー橋を再建した時の事。酷いコンディションの橋で穴があいているのを鉄板でふさぎ、下から光が漏れているような恐ろしい橋でした。

私が再建を企画すると批判と「なぜやってはならないか」という意見が雨霰のように降って来ました。人はネガティブについて語り合うのがなぜか大好きですから。

色んな批判を浴びながら私達は前進し、橋を再建しました。予算内。期間内です。

やる前から「出来る訳ない」との意見は私は聞きません。私は、橋を建てたんです。あの橋が建てられたなら、この橋もできます。今回は象徴的な意味での橋ですが、同じ事です。今日から明日への橋。やってみせます。

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