キャンプ前日の全体ミーティングにおける矢野監督の「今季限りでの退任」の表明、多くの方と同じく、大変驚きました。近年記憶にないくらいのビックリ。

ニュースを聞いた直後は、「なぜ今？」とか「ワザワザいう必要ある？」とか「シーズン序盤でコケたら一気にチームがばらけそう」とか、どちらかというとネガティブな想いが頭の中をめぐりました。

翌日(1日）になって、いろんな報道や想像を含めた解説記事に触れ、違う角度からも考えることもできました。

このタイミングでの退任表明はイレギュラーなことであることは間違いないが、「是か非かはわからない・ない・問えない」と思うようになりました。これだけの決断と表明をされた背景には、矢野監督自身の深い思考と葛藤があったであろうし、球団とも事前によく話し合われたようであるし、なので、「良いとか悪いとかは言えない」し、「良い方に転ぶかそうでないかもやってみないとわからない」なと。

なんとか矢野さんを胴上げしようと盛り上がりのエネルギーが生まれるかもしれないし(そうなって欲しい）、それ程でもないかもしれない。里崎智也さんが、「選手は結果を出して自分の年俸を上げることに集中するだけだから、今回の件は選手にはほとんど影響ないと思いますよ」と語っておられたのが印象的でした。そうかもしれないなと。

イレギュラーな表明に対しては「フラット」な気持ちになりましたが、１つだけ「ちゃんとして欲しいな」と思うことがあります。

次の監督への「承継」をしっかりとして欲しい

ということです。

チーム作りには長期目線が必要。矢野監督時代のこの3年間もそうしてきたはず。もっといえば、金本監督時代を含めて「生え抜き育成」「若返り」を視野に入れて編成を進め、かつ、一定の成果をあげてきていると思います。ですので、今回の件によるこの1年のイレギュラーな状態によって、それが途絶えたり、頓挫したり、混乱したりすることはないようにお願いしたい。もちろん、矢野監督の花道を飾るべく、皆がいつも以上に一丸となって優勝する姿を見たいが、だからといって、「単年度の結果に過度にこだわる(長期目線の育成がおろそかになる）」は避けて欲しいと思います。

できうれば、早めに次期監督を決めていただき、可能であればその人にベンチに入っていただくとか、アドバイザーに入っていただくとかが良いのではと思います。たとえば、仮に藤川球児さんが次期監督になるとすれば、選手起用や育成法や経験のさせ方を矢野さん・球児さんで話し合いながら今シーズンを戦う、こんなことができる阪神タイガースになれば素敵だなと思います。

選手については、上で紹介した里崎さんのコメントが真実を突いているように思いますが、一方で、別の記事やコラムで「コーチ陣はソワソワするだろう(来季はどこのチームで仕事できるかな？）」とありました。これも真実のように思います。コーチ陣への配慮や、コーチ陣の状況と選手との関係にも球団は目を配った方がよいかもしれません。

イレギュラーな表明をしたわけですから、それに是非はないですが、イレギュラーをカバーするための特別な目配り・気配りを球団や矢野監督には期待したいと思います。

そして、是非「男の花道」を飾っていただき、感極まる矢野監督の姿をみたいと思います。

だいちゃん