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ポカポカ陽気に油断せず

梅は咲いたか、桜はまだかいな。春3月の梅も終わりを告げ、桜の季節が近づいています。

 爛(らん)という文字は、絢爛豪華という言葉にあるように、きらきら光って煌びやかな様子を示す一方で、腐爛(ふらん)という言葉にあるように、熟しすぎて腐って形がくずれる様も意味します。両極端な意味をもっています。また、漫(まん)の字ですが、しまりがない、訳もなくといった事を意味し、余り良い意味は持っていないようです。

 その昔の平安時代、保元・平治の乱をきっかけに出世し平氏の栄華を築いた平清盛(たいらのきよもり)。そしてその子孫たちはまさに「平氏にあらずんば人にあらず」といった絶頂期を迎えましたが、まさにそうした絶頂期が、爛漫の時期でもあります。

 衰退を予感させる絶頂期あるいは欄満期・爛熟期でしょうか。その後、平氏の栄華はあっという間に終わり、壇ノ浦の合戦で命脈をたたれることになります。人生には、光も陰もあります。絶頂期あるいは絶頂期でなくとも、幸せを享受しているときこそ、その身を振り返り、謙虚さを失わないことが大切です。これからの春の季節になると、花が美しく豊かに咲き乱れてきますが、そうした良い時期にこそ、油断せず、足元をすくわれないように気を付けましょう。