- Wer ist Tatsuya Ito?「伊藤達哉 『ある1つのスタートライン』」-

3月13日、日本サッカー協会は「スポーツ・フォー・トゥモロー(SFT)プログラム南米・日本U-21サッカー交流」パラグアイ遠征に臨むU-21日本代表を発表した。
http://www.jfa.jp/national_team/news/00016390/

森保一監督がこの遠征に招集したのは22名。中山雄太(柏レイソル)などU-20代表体制からこの世代を担ってきた選手たちが中心となるが、その中にドイツ・ブンデスリーガのハンブルガーSV(HSV)に所属するアタッカー・伊藤達哉の名があった。

伊藤にとって年代別日本代表への招集はキャリア初となる。伊藤は今回の招集に際して、「とても光栄なことです。試合に出場することができたら、攻撃の部分で『違い』を出していきたい」と意気込みを寄せてくれた。

2020年の東京五輪は、東京都出身の伊藤にとって「地元」での大会となる。2015年夏に渡独したが、その頃から「2020年には必ず東京五輪へ出場したい。その時にチームの中心の1人として活躍できる選手となっていられるよう、HSVで努力していきたい」と重要な目標の1つに掲げており、今回ようやくそのスタートラインに立ったことになる。そして現在も東京五輪への強い気持ちは変わらない。
https://twitter.com/dw_sports/status/620519942861910016?s=21

「東京五輪開催決定の瞬間から『絶対に俺の大会に!』という気持ちがありました。あの時から少し時間が経って、その夢そのものが少しずつですけど明確な形になってきている感触がある。まだ自分自身やるべき事や学ぶ事はいっぱいあるのは変わりませんけど、2020年の東京五輪という大会は今の自分にとって、とても大きな『モチベーション』であり、『1つのゴール』であることは間違いないです」

Jリーグや大学に所属する選手が中心となってきたこの世代において、伊藤は「海外組」の1人となるが、昨秋、森保監督が伊藤を視察するためハンブルクを訪れた時も、伊藤に浮ついた気持ちはなかった。伊藤はその時の気持ちをこう回想した。
https://twitter.com/hsvnewsen/status/932688689473445889?s=21

「自分はまだ1度も招集されていない立場の選手ですし、ブンデスリーガでプレーしているからといって、監督から特別扱いをしてもらおうなんていうつもりは毛頭なくて。もしも、監督のリストの中に自分がいるのであれば、たくさんの選手たちと平等に同じスタートラインに立てることを望んでいますし、ブンデスリーガと五輪代表で精進しながら、選手としての価値を高めて2020年を目指していけたら幸せですよね」

今回の招集においても、喜びはあれど気負いや過度な欲はまったくないという。

「自分が『海外組』として見られるのは当然の事ですけど、だからといって自分を普段より大きく見せようとする必要もないですし、普段通りのプレーをしっかり示せればいいかなと思います。いずれ自分がこのチームの特長の1つになっていけたらなと思っています」

伊藤は両サイドでプレーができ、ドリブルとフィニッシングワークに長けている。特に、ドイツでキレを増し無駄を削ぎ落としたドリブルスキルは注目に値する。右サイドでボールを受ければ、迷いなく縦への仕掛けを試みる。最も得意とする左サイドではカットインと縦への突破で状況を一変させることができる。さらに中盤でのポジショニングやパスさばきも魅力だ。そして、伊藤をここまで支えてきたものは「探究心」と「自分を信じる力」だ。

探究の対象もまた興味深い。

エデン・アザール、マルコ・ロイス、ドリツ・メルテンス、ロレンツォ・インシーニェ、アリエン・ロッベン、フランク・リベリ、パウロ・ディバラ、そして伊東純也ー。

伊藤が挙げた選手たちはこのような面々だった。いずれも列強の名手たち。彼らに共通するのは「戦術の中でも際立つ個」ー。

彼らと似た、ほぼ同等の舞台や視界に立った者だけが得られる既視感や皮膚感覚。それがさらに伊藤の探究心を掻き立て、「あのシチュエーション、自分だったら…」と想像を急がせるようだ。上記の選手たちが自らとどのように違うのか、あるいは自分は何を学ぶべきなのか、まるで分析担当のごとく解説できるほど常に観察している(これについてはいつか別項で)。それはドイツへ旅立つ前の、学生時代からの習慣でもある。

柏レイソルアカデミー時代の後輩であり、左サイドでコンビを組んでいた古賀太陽は伊藤をこう語る。

「タツくんは自信の部分や意識の部分が昔から高い先輩の1人でしたね。大物です。もう『意識が高い』なんてもんじゃないくらいで、当時の自分にとっては刺激的な存在でした(笑)。当時から『オレは必ずヨーロッパへ行く』とずっと話していましたし、本当に行ってしまいましたから。あの自信は今でも憧れます。また話したいですね。もちろん、タツくんともまた一緒にプレーもしたいです」

刺激的な環境でキャリアを積み上げるだけでは満足せず、昨秋から現在もHSVトップチームの一員として戦う中で、才能を磨くことを止めない。ブンデスリーガのトップチームでの出場経験だけでなく、このパラグアイ遠征を睨んでか、チームに志願しセカンドチームでも試合に出場した。今後はU-21代表の常連となれるか。関心は尽きない。

今回の初招集には刺激的な再会も。この世代の中心選手の1人である中山雄太も、森保体制発足後「初招集」を受けたからだ。最後に2人が同じピッチでプレーしたのは、柏U-18時代の2014年12月15日、「高円宮杯U-18サッカーリーグ2014チャンピオンシップ」(埼玉スタジアム2002)まで遡る。当時中山は左CB、伊藤は左MFを務めていた間柄。

「雄太くんはレイソルアカデミー時代から尊敬していた先輩の1人。Jリーグでの活躍も、『まあ、雄太くんならそうだよな』って驚くこともなかったです。今回、このような形でまた一緒にプレー出来るのは楽しみですし、自分の成長した姿を見せれるのがうれしく思います。雄太くんが後ろにいてくれると頼もしいので、自分は後ろを気にせず攻撃に集中できるかもしれないです」

また、中山も以前からHSVで頭角を現していた伊藤への関心を隠さず、再会を楽しみにしていた。

「まだどのようなチームになるのかわからないですけど、達哉とまた共に戦えることになるのであれば、とても頼もしいことですし、とても楽しみなこと。ブンデスリーガで素晴らしい経験を積んでいる達哉から自分が学ぶこともたくさんあるはずですからね」

いくつかの縁が伊藤を導いているようなこの状況の中で、HSVの先輩であり、伊藤がチームメイト以上の存在と慕う日本代表・酒井高徳は、ドイツでプレーする数多の日本代表選手たちと伊藤を会わせる機会をつくり、そこで伊藤は最高の刺激を受けるのだという。誰しもが享受できるわけではないその恵まれた環境の中で、代表チームへの「憧れ」や「こだわり」が生まれるのはごく自然なことだ。

「小さな頃にサッカーを始めてすぐに『サッカーでスターになるにはどうしたらいいんだろう?』ってことばかり考えていた」というサッカー少年が日の丸を胸に東京五輪で日本代表を表彰台へ導くことができるのか。そんなロマンティックなストーリーが楽しみでならない。

伊藤は今回の遠征U-21チリ代表戦とU-21ベネズエラ代表戦に出場。

「僕はJリーグを経験している訳ではないので、僕のことを知らない方のほうが多いとは思いますが、少しずつでも活躍して、良いニュースを届けて、多くの方に応援してもらえる、日本を代表するような選手になっていけるようにこれからもドイツで成長していきたい」

東京五輪への旅はまだ始まったばかりだ。
http://www.jfa.jp/national_team/news/00016663/
http://www.jfa.jp/social_action_programme/SportForTomorrowU21_2018/match_page/m4.html
http://www.jfa.jp/social_action_programme/SportForTomorrowU21_2018/match_page/m6.html

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