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TikTokでどのようにレシピの流行が生まれるのか?!上半期にヒットしたトレンドレシピとともに紹介!|「トレンドでは、終われない。」Vol.2

TikTokでは、毎日のようにハッシュタグや音楽、モノ、コト、エフェクトなどの新しい流行が誕生し、なかにはTikTokを超えて、世間に定着するものもあります。 TikTokトレンドは単なる流行に留まらず、クリエイターやアーティストのブレイク、商品やお店の集客に繋がるなど、「TikTok売れ」といった現象も生まれ、さまざまなストーリーが存在しています。

TikTokトレンド連載企画「トレンドでは、終われない。」では、TikTokで話題になったトレンドのルーツや、そこから生まれたストーリーに迫ります。第二回となる今回は、どのようにTikTokでレシピの流行が生まれるのかについてTikTokで流行したレシピトレンドの紹介とともに紐解きます。

TikTokの「レシピ動画」と「トレンドレシピ」とは

近年レシピ情報の楽しみ方はテキストや画像だけではなく、「動画」の投稿や視聴による方法も増加しています。TikTokでは、レシピ動画の「投稿」や「検索」が可能です。

現在TikTokで#レシピ、#TikTokレシピ、#料理がついた投稿の総再生回数は182億回を超え(2023年6月22日現在)「レシピ」人気ジャンルの一つです。レシピの種類は非常に多岐にわたり、「筋トレ飯」「時短レシピ」のような実用的なレシピから「バレンタインレシピ」「夏レシピ」のような季節感あふれるレシピ。また「卵料理」「パン」のような特定の食材や料理名に特化したものまで、幅広いレシピがTikTokに投稿されています。

TikTokクリエイターが同じレシピを真似て投稿することで生まれる「トレンドレシピ」もTikTokでは多く見られます。2021年にTikTokで総再生数11億回(2023年6月22日現在)を突破した「#地球グミ」は、海外のお菓子をただ食べてみるだけでなく、それをアレンジしたり、レシピで再現することで一大トレンドを巻き起こしました。

どのようにして、TikTokでレシピの流行が生まれているのか?今回第二回となる記事は今年の上半期に流行ったレシピをご紹介しながら、トレンドを紐解いていきます。

TikTok上半期トレンド大賞2023「ヒットアイテム部門」部門賞を受賞!レシピTikTokクリエイター考案、「時間がない時の朝ごはん」とは?

(左から:みか@ライスペーパーネキ🍚📄さん、静岡の元教師すぎやまさん、ダイエット管理栄養士|久美子さん、玉子焼きで酒を飲む女さん)

レシピTikTokクリエイターで、筋トレレシピが人気の「みか@ライスペーパーネキ🍚📄」が投稿している「時間がない時の朝ごはん」は、彼女が投稿するレシピ動画のシリーズのひとつです。彼女は昨年の11月に初めて「時間がない時の朝ごはん」というテーマで時短レシピを投稿し、再生数が200万回を超える人気動画を生み出しました。

その後、同じテーマで「時間がない時の〇〇」や「〇〇時の〇〇」など、時短でできる簡単レシピを数本投稿し、それらも人気動画となりました。昨年12月に2本連続で投稿したライスペーパーを使った「時間がない時の朝ごはん」の動画はそれぞれ再生数が200万回と400万回を超えています。

この動画をきっかに「みか@ライスペーパーネキ🍚📄」は『「時間がない時の朝ごはん」- ライスペーパーレシピシリーズ』を継続して投稿しはじめ、他のクリエイターからも真似した投稿が増え始めました。さらに人気TikTokクリエイターとのコラボなどで再生数を伸ばしました。「時間がない時の朝ごはん」というタイトル、レシピの作り方をステップごとにテキストやテロップで動画に加えること、水が入ったお皿を両手で前に出して水を少しこぼすこと、ライスペーパーを水につけることなどを真似るだけでなく、この投稿フォーマットに自分のライフスタイルに沿ったアレンジを加え、新しいライスペーパーレシピを生み出す投稿が多くみられました。

また、普段料理をあまりしない方々が個性溢れるオリジナルのライスペーパーレシピを紹介する動画が急増しました。その結果、6月29日に発表された「TikTok上半期トレンド大賞2023」で、ライスペーパーが「ヒットアイテム部門」部門賞に輝き、みか@ライスペーパーネキ🍚📄がトレンドの火付け役として、トロフィーを受賞しました。「時間がない時の朝ごはん」を考案した、みか@ライスペーパーネキ🍚📄に、インタビューを実施しました!

Q1: 本記事の読者に向けて、簡単な自己紹介をお願いします。

ジムで結果にコミットした現役女子大生です。コロナで思うような大学生活が送れなかったために通ったジムで料理にハマりました。その後TikTokとSNSを本格的にはじめ、「楽しく作れるユーモアあるレシピ」をコンセプトにダイエット飯を投稿しています。

Q2: みか@ライスペーパーネキ🍚📄さんは現役大学生とのことですが、TikTokでレシピ動画を投稿し始めたきっかけを教えていただけますか?

思うような大学生活が送れていない中で、余った時間でジムに通ったことがきっかけです。

そこでのトレーニングがとても楽しくて、この楽しさをもっと多くの人に伝えたい!と思ったからです。

Q3: 「時間がない時の朝ごはん」シリーズの投稿を開始したきっかけをお聞かせください。

きっかけは大学のゼミの先生です。先生はTikTokを特に見ていませんでしたが、私がアカウントを見せたら「あなたのレシピって本当に見てる人は作ってるのかな?」と呟きました。そこから私は、キレイなレシピじゃなくて、「ユーモアある見ているだけで楽しいレシピ」にしよう!と思い、見せ方を一気に変えました。結果的にこれがバズを生み出したのです!

Q4: 「時間がない時の朝ごはん」シリーズの初期はライスペーパーは使われていませんでしたが、ライスペーパーの使用を始めた理由を教えていただけますか?

居酒屋で、友達(当時私が好きだった異性)が生春巻きを注文したんです。「僕生春巻き好きなんだ」と言っていました。私はその料理を一つもらって食べましたが、野菜がバサバサしていてあまり美味しくなかったので、私ならもっと美味しく包めるのではないか?と思ってすぐに動画にしました。(笑)結果的にその恋は失恋で終わってしまいましたが(笑)

Q5: 「時間がない時の朝ごはん」シリーズ、特にライスペーパーを使用したレシピ動画がトレンドとなりましたが、反響はありましたか?

家の近くのスーパーに行って買おうと思ったらライスペーパーが売っていなかったので困りました(笑)また、自分の憧れだったクリエイターさんが真似して投稿してくれたり、小さな子供が家族と一緒に真似をして作ってくれたり、本当に嬉しく思っています。DMで「ライスペーパー作ったよ」と写真を送ってくれる人もいます。

Q6: 「時間がない時の朝ごはん」や「〇〇時の〇〇」を真似した投稿が多く見られるようになりましたが、皆さんの投稿を見てみか@ライスペーパーネキ🍚📄さんはどのように感じていますか?

自分の動画が色々な人に届いて嬉しいです。TikTokを始めた当初はトレーニングをしている方々が多く見てくれていましたが、今ではトレーニングをしていない方も真似をしてくれています!それがすごく嬉しくてやりがいだなぁと感じています!✨

Q7: TikTokにレシピ動画を投稿する際に、どんなことを意識していますか?

自分の素を出すことです。自分はとっても不器用で、あまり綺麗に料理をすることができません。フタが開けられなかったり、こぼしたりしょっちゅうです(笑)でも、そんな部分もカットせずありのままを表現するようにしています。

Q8: TikTok上半期トレンド大賞2023「ヒットアイテム部門」部門賞受賞、おめでとうございます。今後、TikTokでチャレンジしてみたいことがあれば教えてください。

TikTokのイベントに参加するなど、ファンとのリアルな交流をしていきたいと思っています!

そしていつか自分のお店を出して直接私の料理を食べてもらいたいです✨

TikTok上半期トレンド大賞2023の特設ページにて、みか@ライスペーパーネキ🍚📄の受賞コメントを公開中!

海外トレンドレシピ「二次元ケーキ」が日本でも流行!

(左から:やまけんちゃんねるさん、momo🍑🍙キャラ弁料理家さん、毎日甘いもの食べたいさん、ミルと365日さん)

「TikTok上半期トレンド大賞2023」でグルメ部門のノミネートに選出された「二次元ケーキ」は海外で流行中のトレンドレシピを日本のクリエイターが取り入れたもので、新たな風を巻き起こしました。このトレンドは、昨年の年末からオーストラリア、アメリカを中心にグローバルで「#comiccake」として流行し始めました。 「#comiccake」とはカラフルな色調と黒い線による縁取りでアメリカのコミック風に仕上げたケーキのトレンドです。6月22日時点で「#comiccake」を付けて投稿された動画は総再生数1.5億回を超えています。日本でも「#二次元ケーキ」と和訳され、上半期に投稿が増加し、大いに盛り上がりを見せました。

一方で、「二次元」に近い「2D」という概念は、2019年に日本でオープンした韓国発の話題のカフェ「2D Cafe」から広まりました。このカフェの特徴的な漫画感はシンプルな白黒のみで強調されています。「2D Cafe」はその独特の世界観で大人気となり、現在でも行列が絶えません。「#comiccake」トレンドは元々はパティシエの技術を必要とするアメリカ漫画風のデザインケーキでしたが日本のクリエイターの手によりチョコペンで縁取るだけとより手軽で、日本に馴染みやすい二次元2D風のスタイルへと変化しました。これにより、多くの人「二次元ケーキ」を自分でも作って楽しむという新しいレシピの遊び方が広がりました。

特にバレンタイン期間中には「二次元ケーキ」の投稿が増加し、手作りのケーキだけでなく市販のケーキにチョコペンで縁取りを施し「二次元ケーキ」を楽しむ投稿も多く見られました。そして、その流行に乗じて「2D Cafe」には「2Dケーキ」という新メニューが登場し、TikTokクリエイターによる投稿は1600万回以上再生され大いに注目を集めました!

思わず自分の手で検証したくなるレシピ「暗殺者のパスタ」!

(左から:GeorgeLABO 城二郎さん、森シェフさん、オムライス兄さん🍅🐣🍚さん、✝️きょんぺい🕊さん)

「暗殺者のパスタ」もまた、「TikTok上半期トレンド大賞2023」のグルメ部門にノミネートされたレシピトレンドの一つです。本場イタリアの料理でその独特な名前と作り方がTikTokで話題となりました。「暗殺者のパスタ」という名前はイタリア語「Spaghetti all'Assassina」を日本語に直訳したものです。

「暗殺者のパスタ」は、作り方もユニークで通常のパスタレシピとは異なり、パスタを茹でずにフライパンで焼きつけるスタイルが特徴です。新鮮な作り方や味が注目を集めた一方で、TikTokのレシピクリエイターからは「本気で作ってみた」と付けた動画やリクエストに応える動画で自分の料理の腕前を披露する投稿が多く見られました。

TikTokに投稿されるレシピの検証動画には詳細な説明がついているのが特徴の一つです。「美味しそう、作ってみたい」といったコメントが多く寄せられ、一見難しそうなレシピでも誰でも気軽に挑戦することができ、レシピの可能性が広がっています。

今後生まれるTikTokのレシピトレンドにも注目!

TikTokでレシピトレンドが誕生するきっかけは様々です。「#時間がない時の朝ごはん」のようにクリエイターの料理投稿がミーム化し流行したり、「#二次元ケーキ」のように海外のトレンドが日本でも話題になったり、「#暗殺者のパスタ」のようなユニークな料理を再現する投稿が増えてトレンド化することもあります。 最初は料理好きなユーザーの間で小さなトレンドとして広まり始め、次第に投稿が増えることで普段料理に関心の無いユーザーにも届くようになります。「みんなが投稿しているから真似してみよう」とさまざまなクリエイター層を巻き込むことで大きなトレンドとして成長していきます。

次にどのようなレシピトレンドが生まれるかは誰にも予想できません。ぜひ注目してみてください!TikTokトレンド連載企画「トレンドでは、終われない。」また、次回お楽しみに!

▼TikTokトレンド連載企画「トレンドでは、終われない。」vol.1はこちら


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