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TikTok 、「#ちょっとよくするムービーコンテスト」授賞式を開催!1,800の応募投稿の中から、高知県の学校の作品をはじめ、11作品が受賞

「TikTok第三の居場所プロジェクト」の第3弾として開催

2023年11月25日、「#ちょっとよくするムービーコンテンスト」の授賞式が東京都内で開催されました。同ムービーコンテストは「TikTok第三の居場所プロジェクト」の一環として、デジタルの世界をもっと安心できる場所にするために、学生、NPOや専門家の皆さまとともに考えることを目的に実施し、2023年10月14日から11月15日の応募期間中にはデジタルの世界を『ちょっとよくする』アイデアをテーマとして約1,800件もの応募が寄せられました。

寄せられた動画を審査し、各賞を選定したのは、社会活動家で東京大学特任教授の湯浅誠氏、国際大学GLOCOM准教授の山口真一氏、NPO法人ストップいじめ!ナビ 代表理事の荻上チキ氏、株式会社arca代表/クリエイティブディレクターの辻愛沙子氏(授賞式当日はオンライン参加)の4名の審査員と、アンバサダーであるISSEIさん、ginjiroさん、Erikaさん、AKB48込山榛香さんの4名の人気TikTokクリエイター。それぞれの視点から、各賞の発表をしました。

未来のデジタル世界へのアイデアがあふれている

イベントでは、まずTikTok Japanの金子陽子が主催者を代表してあいさつしました。TikTokは、日々の生活のちょっとした思いや悩み、新しいアイデアなど、多様な動画を投稿する場所になっており、これからもそのような多様性・包摂性のある安全な居場所であり続けたいと考えたのが本プロジェクトのきっかけだと振り返ります。誰にも打ち明けられなかった自身のジェンダーに関する悩みや素直な想いをTikTokで思い切って発信したことをきっかけに、多くの方からの応援を受けてジェンダーアイデンティティを確立されたTikTokクリエイターや、車いすでの日常を発信したところ、ポジティブなコメントが多く集まり、新たな世界に出会い、自分自身の世界の見方も変わったと語ってくれるTikTokクリエイターなど、TikTokは多様な方々が「本当の自分を表現できる居場所」となっています。誰もが異なる考えや個性を表現できる居場所であり続けるには、デジタルの世界が安全である必要があります。「今回の受賞作品には、今の若い方々が未来のデジタル世界をどうつくっていきたいのか、そんなアイデアがあふれている」と金子は感想を述べました。

全11作品が受賞

アンバサダー、審査員の紹介に続き、いよいよ各賞の発表が行われました。4名の審査員、4名のアンバサダーがそれぞれ選出した作品に加え、「#みんなでよくする賞」「#ちょっとよくする賞」、そして会場の投票で選ばれた11作品が受賞しました。

Good Place賞

最初の賞は、湯浅誠氏が選んだGood Place賞。デジタルの世界がよりよい居場所になるためのすてきなアイデアを表現している動画に贈られる賞です。受賞したのは「みか@ライスペーパーネキ」さん。批判的なコメントをライスペーパーに包んでがぶりと食べてしまうユーモアのある動画で、テンポが良く笑える構成が評価のポイントでした。「アンチコメントを寄せられて悲しい思いをすることもあるけど、来るのは当たり前なので気にしなくていいよ」というメッセージを込めて動画をつくったと「みか@ライスペーパーネキ」さんは言います。

@rizap58

アンチが来た時の対処法。 この世界が優しい世界になったらいいな!☺️ #ちょっとよくする #ライスペーパーraンチはお断り

♬ Athletic Meet "Heaven and Hell" (No Introduction) - Shinonome

Innovative Safety賞

デジタル世界が誰にとっても安全・安心な場所となるアイデアをあっと驚くような方法で表現している動画に贈られるInnovative Safety賞は、山口真一氏が選出しました。受賞したのは「かずくん」さん。「美容は女性のもの」という固定観念を持った一部の方から、自分の動画も誹謗中傷を受けたり批判的なコメントが寄せられたりすることがあったといいます。今回はそんな誹謗中傷が少しでも減るといいと思い、動画を制作しました。

Change the Future賞

デジタルの世界を変えていくようなアイデアを表現している動画に対して贈られるChange the Future賞に輝いたのは「ゆみ」さん。荻上チキ氏が選びました。実は、ゆみさんは第三の居場所プロジェクト第2弾のワークショップにも参加した受講生。そのとき講師を務めた湯浅誠氏が紹介したこども食堂でのエピソードが動画制作のきっかけだったといいます。「こども食堂に来た小学生を大学生のボランティアがただ見守っていただけで、普段の何倍も長時間集中して宿題ができた」というエピソードで、「自分が認められている」と感じられる居場所の大切さが印象に残ったそうです。この作品を選出した荻上チキ氏も「複雑なテーマにもかかわらず多くの方に分かりやすく届ける内容だった」と高く評価しました。

Inspire Creativity賞

辻愛沙子氏が選ぶInspire Creativity賞は、表現や企画性が素晴らしく、視聴した人が鼓舞されるようなクリエイティビティあふれる内容の動画に贈られる賞です。見事受賞したのは、「やすこうぴ」さんです。アンチコメントを投げかけてストレスを解消する「アンチングマシン」という架空のゲームを通し、アンチコメントが人を傷つける可能性があることを表現しました。このアイデアは辻愛沙子氏も絶賛。「(啓発動画は)教科書のようなメッセージになりがちだが、笑いもあり内容も考えさせられました」とコメントを寄せました。

続いて、アンバサダーの4人が選んだ審査員特別賞が発表されました。

審査員特別賞(ISSEIさん)

ISSEIさんが選んだのは「なの」さんの作品です。否定的なコメントは強い印象が残ってしまうもの。この動画を見て「自分のコメントはどうだったかな」と考えるきっかけになるのではと思って選んだ、とISSEIさんは言います。「この動画によって、前向きなコメントが増えてほしい」と思いを述べました。

@nano.nano520

いつもありがとうです!! #ちょっとよくする @TikTok安全推進チーム

♬ Chill Vibes - Tollan Kim

審査員特別賞(ginjiroさん)

ginjiroさんは変顔動画が人気の「のんちぇる」さんの作品を選出しました。「まずは手の届く範囲の人を幸せにしたい」という言葉を大事にしているというのんちぇるさん。普段からまわりの人を変顔で笑わせているから、それをTikTokに投稿すれば世界中の人を笑わせられるのではと思い動画制作をはじめたそうです。そんなユーモアのある作品によって「みんなに余裕ができれば、もっといい環境が生まれるのでは」とginjiroさんは選出理由を紹介しました。

審査員特別賞(Erikaさん)

Erikaさんが選んだのは、「えみごん」さんの作品です。なんと、えみごんさんは、この作品が最初のTikTok動画です。1年前からインフルエンサーの裏方として働くようになり、リアルとデジタルで受け取られている情報のギャップに驚いたえみごんさん。自分も発信者になることで新たな価値観に気づけると思い動画を制作したそうです。Erikaさんは、「リアルとデジタルは別物だと思われがちだが、どちらも同じように人がつながっている」と指摘し、デジタルの世界をもっとよくするには、世界の捉え方を考えることが大切だと思いました、とコメントしました。

審査員特別賞(込山榛香さん)

AKB48の込山榛香さんが選出したのは「タイガの振り付け」さんの動画。自分もかつて人が輝く姿を見て嫉妬したことがある、というタイガの振り付けさん。誰でも上の立場の人と比べれば嫉妬という感情が生まれてしまう。「だから嫉妬を捨て、自分の好きなことや得意なことをやり続けた方がいい」と作品に込めた思いを説明しました。込山榛香さんは、タイガさんを見て動画を撮りたいと思ったこともあるそうで、「このような考え方が広がり、もっと心地よい世界になるようTikTokですてきな作品が見られたらうれしい」と選出理由を語りました。

@taiga_no_furitsuke

デジタル社会での悩みがある方々へ✉️🕺 例えSNS上でも「手を取り合い」相手のことを考え、自分を大切にしてあげましょう。 #ちょっとよくする #taniyuuki #もう一度#タイガの振り付け

♬ もう一度 - Tani Yuuki

#みんなでよくする賞

続いて発表されたのは、デジタルの世界を多様性、包摂性にあふれたアプローチでより良く変えていく動画に贈られる「#みんなでよくする賞」です。受賞したのは、日本とアメリカの国際カップルとして活動する「Haruki and Ashley」さんの作品です。Harukiさんは、人はネガティブな方に意識が向きがちだが、ポジティブにもすごい力があると信じている、とコメント。「これからも動画を通じて皆さんを笑顔にしたい」と力強く語りました。TikTok Japanの金子は選定理由として、多様な人がいる世界を、国境も越えてみんなでよくしていこうというというメッセージが感じられたこと、ネガティブな出来事があっても、視野を広げれば、実はその何倍も応援してくれる人がデジタルにもリアルにもいると気づかせてくれたことをの2つを挙げました。

@haruki_ashley

#ちょっとよくする Spread positivity in comments, let’s do a little better! ❤️❤️@TikTok安全推進チーム

♬ Debussy "Moonlight" Piano Solo(829473) - LEOPARD

#ちょっとよくする賞

次に発表されたのは、「#ちょっとよくする賞」で、「高知学園 高知中学高等学校」の皆さんが受賞しました。学校のクラスの子どもたちが力を合わせてつくった作品です。中高生はスマホを見て不安になることもあるけど、「見なければいい」と否定するだけでは問題は解決しません。SNSは無くてはならないものだからこそ、心と心でつながったり、ぬくもりを感じるような体験が必要ではないか、という思いから動画をつくったそうです。この作品について、TikTok Japanの金子は「画面の向こうにもリアルがあることを気づかされた」とコメント。さらに「誰も取り残さず、手を差し伸べる。そんな一人ひとりの行動が集まって、大きな力となってデジタルの世界を変えていく」姿も「#ちょっとよくする」にぴったりだと感じた、と作品を評価しました。

特別賞

最後に発表されたのは、特別賞です。この賞は、事前にアンバサダーが選んだ4本のノミネート作品の中から、会場の投票で1本を選ぶという形で決定されました。ノミネートされたのは、「ケープラ」さん、「限界社会人しらじろう」さん、「そら」さん、「うにまる」さんの作品。会場の投票の結果「限界社会人しらじろう」さんの作品が受賞しました。

@shira_sann

SNSの授業があったら、もっと自分らしくいられるのかな🤔 @TikTok安全推進チーム #ちょっとよくする #ちょっとよくするムービーコンテスト #若者 #SNS #コメントください

♬ ながれぼし - MoppySound

受賞者の発表の後は、ゲストの皆さまによるトークセッションと、湯浅誠氏、山口真一氏によるスペシャル講義が開催されました。

デジタル世界を「ちょっとよくする」ためにできること

トークセッションでは、荻上チキ氏をモデレーターとして「デジタル世界の居場所について」「デジタル世界にとって大切なこと」の2つのテーマについてトークを実施。デジタル世界とはどんな場所?という荻上チキ氏の質問に対し、ISSEIさんは「いろいろな人を笑顔にする発信ができる場所」、ginjiroさんは「すべてが詰まっている場所」、Erikaさんは「学校になじめなかった自分にとって一番の居場所」と回答。込山榛香さんは、AKB48ではデジタルは自己管理だから、デジタル世界は「自分でプロデュースできる場所」だと答えました。

アイドルという職業柄、ネガティブコメントやおせっかいなコメントもある、という込山榛香さん。そんなコメントも「自分に関心を持ってくれているということ」とポジティブに変換するそうですが、どうしても受け取れない言葉が寄せられたときは「即ブロックする」とのこと。「アイドルを10年やってメンタルが鍛えられました」と会場を笑わせました。

ISSEIさんは、ネガティブコメントは解釈次第だといいます。ISSEIさんは、自分が人生の主人公だと思っているので、アンチが来ても「それもひとつのストーリー」と解釈できる、といいます。荻上チキ氏は、5年後、10年後にこの経験をどう振り返るかな、という長期的な視点を持つことも大事ですね、と賛同しました。

山口真一氏は、アンチコメントに対する考え方として2つのポイントを紹介。ひとつは、デジタル世界は「言いたいことがある人だけが声上げる」ということ。極端で攻撃的なごく少数の人の声が大きく見えるという特性があるといいます。また、ネット炎上を分析したところ、ネガティブコメントを投稿するのはわずか0.00025%、40万人に1人しかいないことが分かったといいます。大炎上に見えても、実はごく少数の人が騒いでいるだけというケースが多いとのことでした。

湯浅誠氏、山口真一氏がスペシャル講義を実施

続いて、ステージ上の4名のアンバサダーと会場に向け、湯浅誠氏、山口真一氏がスペシャル講義を実施しました。

湯浅誠氏は、居場所についての講義を実施しました。ある調査によると、日本人の居場所の数は平均2.64カ所だと湯浅誠氏は言います。これは、家と職場・学校に加え、もう1カ所あるかないかという数字です。一方、人は居場所が多ければ多いほど幸せを感じるというデータもあり、自宅以外に居場所をつくることの重要性を強調しました。居場所は必ずしもリアルな場所である必要は無く、デジタルの世界も居場所になり得ると湯浅誠氏は言います。居場所とは「誰かに見ていてもらえる、受け止められている、尊重されている、つながっていると感じられるような関係性のある場」だと定義しました。

また湯浅誠氏は「Do」より「Be」が大切だ、と指摘しました。何かをがんばって「Do」することではじめて認められる場ではなく、ありのままの存在を認めてくれる「Be」の場所こそが、居場所だと言えるのではないかと訴えました。

山口真一氏は、「安心・安全なデジタル世界を作っていくために」と題した講義を実施。SNSの多くは良い面の投稿で、近年はデジタル加工された画像もあふれています。そんな特性を知ることで、他人の投稿と自分を比較して嫉妬したり落ち込んだりすることは避けられる、と説明しました。

「自分と他者を比べることで、幸福が逃げる」と山口真一氏はいいます。比べるなら、過去の自分と比べた方がいい。競争したいなら、自分と競争することで成長しよう、と山口真一氏は訴えました。また自分が知らないうちに正義をふりかざして誹謗中傷してしまわないために、「情報の偏りを知る」「自分の『正義感』に敏感になる」「自分を客観的に見る」「情報から一度距離を取ってみる」「他者を尊重する」の5カ条を意識することが重要だ、と解説しました。

授賞式の総評として、荻上チキ氏は「多くの人がインターネットを居場所だと捉えている」と指摘。今はまだ完全な居場所ではないけど、これからどうしていけばいいのか、今日のような場を重ねて一歩でも近づけるよう努力することが重要だ、とまとめました。

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