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すぐわかるタイルの基本 ~目地編~

目地とは、タイルや石材、レンガ等を施工する際に部材と部材の隙間の継ぎ目のことです。

タイルDIYをされる方から「目地は必要ですか?」というようなご質問をいただくこともあるため、今回は目地の役割や種類、目地による演出効果などについてご紹介します。

目地の役割

タイルや石材を施工する上で必要とされる「目地」の役割としては以下のようなものがあります。

■製品1枚1枚のサイズのバラつきを吸収する
■施工のバラつきをわかりづらくする
■下地(躯体)の収縮などで動きがあった場合の緩衝材となる
■下地への接着力を補強する
■外部からの水やホコリなどの侵入を防ぐ

寸法精度の高いオーダーメードの石材などを壁に施工する場合に、「眠り目地」や「突きつけ目地」として名刺1枚ぐらいの隙間のほとんど目地がないように見える施工方法もありますが、一般的には上記のような役割から、目地を設けることが基本になります。

特に床の場合は、目地材が施工後に浮いてこないように目地幅を最低3mm以上にして、目地材がしっかり奥まで詰まるようにする必要があります。


目地材の種類

主には、内装用と外装用に調合されたものが用意されています。

セメント系のものが一般的によく使用され、用途に応じて機能的な特徴を加えた目地材があります。

■内装用の目地材
内部の壁用
内装タイルの2mm程度の狭い目地幅に合わせて小さめの骨材が調合されています。

標準的な白やグレー以外に、タイルとの色の組合せが楽しめるカラー目地材もあります。
汚れがしみ込みにくいキッチンバックなどに適した目地材やカビが付きにくい浴室などに適した目地材など、従来の目地材の弱点をカバーした機能的なものもあります。

内部の床用
・玄関などの土足の場合は外装用の目地材が使われます。
・リビングなど合板下地の場合は、下地のたわみや振動に追従し、目地割れなどを防ぐ弾性目地材があります。
浴室の床には、壁用と同じくカビや汚れが付きにくい目地材がおすすめです。
・エポキシ樹脂系で、汚れの染み込みが極めて少なくペットの爪でも傷がつきにくい目地材はペット共生の住宅とキッチンやトイレの床におすすめです。

■外装用の目地材
外部の壁用

ブリック目地材
レンガ積みや外壁タイルなどで10mm以上の幅広の目地詰めができるように粗い骨材が配合されています。
ラフ面のタイルなどの風合いを引き立てるために、一本目地用の目地材がよく使われます。

外部の床用
セメント系で、壁用と同じ汎用的な目地材が使われます。


目地のパターン

タイルは色・柄・サイズだけでなく、目地の直線を通して貼ったり、互い違いにしたりと貼り方のパターンを変えることでも異なった印象を与えることができます。

■定番の目地パターン
床にも壁にもよく使われる、最も標準的な目地割のパターンです。

縦と横の目地を一直線に通した目地。「いも目地」とも呼ばれます。

タイルを半分ずつずらして貼る貼り方で、馬が踏んだ足跡のように交互になっているので「馬踏み目地」や「馬目地」と呼ばれます。

外壁タイルではよく使われる貼り方で「レンガ目地」とも呼ばれます。


■外壁タイルの目地パターン

ブリックタイルやレンガタイルと呼ばれる外壁タイルには、「二丁掛け」や「小口」と言われる2種類のサイズを組み合わせたレンガの積みと同じ目地パターンがあります。

上記の代表的なパターンの他にも、様々な目地のパターンをご紹介しています。



目地による演出

目地材のカラーや目地詰めの手法を変えることで、タイルの印象を変える演出の効果が期待できます。

■内装タイルの印象を変える

目地の色をかえることで、タイルの印象も大きく変わります。

白やグレーだけでなく、カラフルなカラー目地を使用することで大きく印象を変えることができます。

デザイン性の高いインテリアモザイクやガラスモザイクとの組み合わせにおすすめです。


■外装タイルの印象を変える

ブリックタイルなどの外壁タイルは、目地の深さや幅など目地の詰め方や仕上げ方によって、与える印象をガラリと変えることができます。

表面の粗いタイルの場合は、目地を上から塗る「塗り目地」ができないため、「一本目地」という方法で目地詰めを行います。

外壁タイルの目地詰めの方法についてご紹介しています。


目地の機能的な役割以外に、意匠的にもタイルの仕上がりイメージにも影響を与える効果などをご理解いただけたでしょうか?

ちなみに、タイル業界には目地専門の職人さんがいるなど、奥の深い分野なんです♪


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