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市場のニーズとスニーカー

こんにちは。スニーカー好きマンです。好きなスニーカーはAJの1, 6, 11, 19とAF1(特にOff-white Voltと最近出たNYC City of Athletes)、マーズのサン=ジェルマンコラボ、Air Max 1 TOKYO MAZE、ウルトラブーストのウッドストックです。サムネはAJ4の新作、What The 4のプロモなんだけど、見ての通りデキる男はスニーカーを使ってもしもししちゃう。

こんなポスト書いてたら何てめーは時間無駄にしてんだと一部から怒られそうなので勢いで手短に書く。モノカブさんが資金調達した。めっちゃめでたい。

で、こういうのもあって身の回りでスニーカー市場って伸びてるよねーという話をされることがある。そりゃそうなんだけど、スニーカー好きマンからすると微妙にモヤモヤする。

ニーズと愛着

何でモヤモヤするのかは明確だ。

「XXの市場伸びてるよね」という言葉には何の悪意もない。しかし、客観性が強い言葉選びであり、XXに自分が心底愛着を持っていた場合、自分が物欲や愛着を感じる対象への見方が、自分と相手の間で決定的に違うと感じさせる。これがモヤモヤの原因であり、別の言い方をすれば、個々人が対象に向かう際に、埋めがたい心理的ベクトルの差異があることへの悲しみなのだ。もっと平たくいうと「テメーとオレは違う」ってはっきりわかるのがイヤってことだ。

スニーカー市場でかい

スニーカー市場伸びてるらしいですね。とはいえ新規販売じゃなくどちらかというと転売市場ではないですかね。マーケットサイズに関しては以下の記事とかを読んでくれ。

このTEDみてもらえればわかるんだけど、転売市場の大半(9割程度)はNikeだし、新しいスニーカー買ったって話題にするとき、大概がNike。ここでは特に言及されてないが、スニーカーを巡ってエアマックス狩りどころか黒人同士ボカスカ喧嘩して殺人事件とかが年間数百件起きてるらしい。嘘だろう。

スニーカーをどこで買うか

新品買うならSNKRSってNikeの公式アプリや、Atmosだったりムラスポなどのサイトで抽選に申し込んだりして買う。あるいは有給を取って早朝から並んで買う人だっている。iPhoneか?と思う。でも実際毎月そうやって買ってる人だっている。転売屋は鬼のように並列でbotを並べて抽選に申し込むが、それを防がんとする売り手の取り締まりは非常に厳重。店舗ではレアものなら当然ドレコ(ドレスコード)と称して指定の靴を履いていかなければならない。

国内で手に入りにくいものはもちろん海外のサイトの抽選にも申し込む。北米、ドイツ、イギリス、フランスなどからそれぞれ並行輸入する。欧州は抽選の当選確率も高いそうだが、そもそもの価格帯が北米よりも上乗せされており、その上関税もかかってくるとおよそ7000~12000円程度の価格が上乗せされて購入することになる。

ただ、スニーカー市場というのは偽物が非常に精巧に(あくまで外見上。インソールは別)作られ出回っている。この真贋判定は非常に難しくて、生産場所によっては黒タグと呼ばれるタグがついていたり、ロゴの傾きなどで判別する。でもその目をかいくぐって横行しているのがこの偽物の市場。精巧かつオリジナルな偽物まで出てきて、それをあえていいスニーカーとして楽しむ文化もある。

が、大半のひとは本物が欲しいので、そこでStockXやGOAT、国内だとモノカブ、PremaXなどの真贋判定 + 指し値注文スニーカーECが登場する。このサービス群の登場は転売市場に大きな影響を及ぼす。市場価格が可視化されたことで、情報の非対称性を利用したアービトラージ取引による利ざやが急激に小さくなった。先ほども書いた通り下手したら1万くらいの上乗せ価格を加味して輸入しなきゃ行けない場合、並行輸入ではよほどのレアものでない限りは価格を釣り上げて転売しないと元が取れなかった。今は価格が明らかになったことで大半のスニーカーの値段が割と下がりやすくなっており、この状況がさらに厳しくなっている。こんな市場環境で転売ヤーが稼ぐには、物量勝負かレアものを当てるためにbotで突撃するか、あるいは確実にプレミアがつくものを予測し狙い撃ちして、少し時間を置いてから資産運用的に売りさばく方法だと思う。一番最後を実現するには正確な価格予測ツールが必要で、予測には元データが必要。それを握っているのはStockXやGOATなので、いっちょクローリングしたらどうなるか、なんて試してみても、彼らは万全の対策ができているのですぐリクエスト制限に引っかかったりする。抜かりない。なお、GOATはARで靴が試着できるし、フロントエンドはreduxかつGraphQLを活用しててなかなかモダン。そこも推しポイントの一つ。

スニーカー動画

スニーカー好き好きマンたちの動画はどれもパワフル。海外だと金持ちDJがいきなり3000ドルくらいポンと出してスニーカー買い漁る番組があったりする。(日本でも同じようなのがあるけど、価格が1/10くらいだったりする。悲しいかな。)

YouTubeでいろんなスニーカー番組があるのでみてほしい。個人でスニーカー買いに行ったり、開封の儀を行ったり、スニーカー洗ったりする動画がいっぱいある。公式に編集された質が抜群にいい動画だとGQ Sneaker HolicsとComplexのSneaker Shopping、あと何と言ってもLACE UP。

LACE UPはチームワークの全てを学べる。これはスニーカーデザイナーたちのリアリティーショーで、3人1組のチーム対抗で毎回違う素材、課題でスニーカーを作っていく番組。この番組には個性強いメンバーがいるけど、サボったりする人もいれば個性をだしたくてしょうがないメンバーもいる。そこはデザイナー気質というのもあるんだろう。でも粛々と進めてPDCAするチームが強かったりして、チームワークの根本は変わらないのだと思い知らされる。何がバチェラーだ、靴作りを見ろ。

スニーカーメディア

海外だとリリースカレンダーみたいなのがあって、公式発表されてる限りだと時系列が整理されてリリース情報が載ってる。加えて、スニーカーにまつわる特集が組まれたり、YouTuberが事前に入手したスニーカーの開封の儀を行ったりして質感を掴む。

あとはInstagramやちょっとしたスクープ写真でDJが履いてる未発売の靴がフィーチャーされる。それがニュースになってさらに記事が生まれる。スニーカー専門パパラッチみたいなやつらがいて、本当によくもまあ見つけるものだと思う。

国内だとSNKRDUNKが強すぎる。Sneaker Warsもサイトとして良いけど、SNKRDUNKのクオリティが尋常ではない。新しいスニーカーの直近の販売スケジュールや、海外も含めた漏れのない購入導線表示、インスタなどのSNS含めた多様なソース元からのリーク情報のまとめ、適度な速報記事に個別のスニーカーごとの通知機能など、あって欲しい機能は全部ある。

なお、リーク情報にはSNKRDUNKのコメント欄すらも自己参照してて、それを見たときはあまりの監視体制に震えた。メディア運営力とはまさにこのこと。

おまけに少し前にモノカブと同様の真贋判定ECが実装された正直スニーカー専門という意味では、ユーザーコミュニティも加味するとこれほどのクオリティのサービスは存在しないそんなSNKRDUNKがGoogle Play Storeのべストオブ 2019 ユーザー投票部門最優秀賞にノミネート!おめでとうございます!

なぜスニーカーにハマるのか

何でこんな、スニーカーなんかに魅力を感じるのかと思う人も多いと思うし、僕も気が狂って試しにいいスニーカー買わなかったらこうはならなかった。(一応お財布の紐は締めています)

なんでハマるんだろう、と考えると、やはりそれは「スニーカーは最もコスパよく個性を獲得する手段の一つだから」に他ならない。スニーカー市場が伸びてるからとか、そんな理由でスニーカーを買ったりしない。服全体やバッグに金をかけるのは辛いが、ワンポイントだけで強い自己主張をし、リリース頻度のおかげで他人とかぶることも少ない。そんなスニーカーだからこそ、個性が安価に手っ取り早く獲得できるのだ。その個性への執着こそが、早朝から有給を取ってでもレアスニーカーを手に入れんとする人たちの列を作り出す。

まとめ

色々書いたがスニーカー云々はともかくとして、SNKRDUNKやモノカブを見てると、やはり好奇心か強い問題意識を持って実装されたサービスというのは一際輝きを放つのだとわかる。マーケットサイズを常に客観視して、自分が身を置いている場所は景気が良いのか、考えなくてはならない。でもそれで淡白になるのは違うだろ!!そこに愛はあるのか?課題感はあるのか!?それを失っちゃいけないし、やっぱそういうサービスを作りたいよな!!!俺は作りたい!オレはやるぜオレはやるぜ!!!

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