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ともだちと暮らしてみたはなし

友達のおうちに居候させてもらうようになって2ヶ月が経った。

元々付き合い自体は長いけれど、とても仲が良い、というわけではなかった。だけどひょんなことからタイミングが合って「うちにおいでよ」というありがたいお言葉をいただき図々しくも転がりこんでいる今なのだ。

少しの緊張と気遣いに包まれた時期は過ぎて、お互いのペースで暮らせているように思う。

転がり込んでおいてなんなんだという話なのだけど、わたしは多分人と暮らすのが苦手な部類の人間だ。お気に入りの場所やものにはこだわるけど、それ以外にはとてつもなく無頓着だし、ひとりの時間がないといらいらしてしまうし、熱中しだしたら返事もしたくない。だから正直ちょっと、いやかなり不安だった。

だけど、思いの外楽しくやれていてびっくりする。彼女が底抜けに優しいこともあるし、いくつかの趣味が合うことももしかしたら関係しているのかもしれない。

でもやっぱり一番の勝因は生活スタイルが真逆なことだと思う。

フリーランスかつ出不精なわたしと、平日は朝から働き、土日は彼氏のお家にお泊まりに行くことが多い彼女。なので、もっぱらわたしは彼女の代わりに自宅警備の仕事を担っている。(ので、電気代がだいぶ増えてしまったらしい。もちろんそのぶん払ってはいるけど、ちょっとだけ恥ずかしい)

少し余裕のある夜は、テレビを見ながら話したり、おしゃべりしたりもする。

欲しい洋服やコスメの話で盛り上がったり、恋愛の話をぽつぽつとしていると、こういうことは女の子の友達としかできないことかも、と気づいてちょっとびっくりする。

いわゆる”女子っぽいこと”ってちょっと苦手。好きなことやものは一人で楽しむもの、だなんて思っていたわたしにとっては恥ずかしさもありつつでもほんのり嬉しかったりもした。

優しくてゆったりと笑う彼女の性格に少し似つかわしくない、豪快な歯磨きの音がわたしはとてもすきだし、帰るのが遅くても「お腹空いたあ」と、ご飯をおかわりするところもいいなあと思う。

期間を決めてお邪魔させてもらっているし、そのときがきたらまた年に数回しか会わない関係に戻ってしまうと思うのだけど、「友達と暮らす」という経験をさせてくれた彼女には心から感謝している。

もっともっと新しい世界を知るために本を買いたいなあと思ってます。