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もどった春

Web 絵本『もどった春』

ちもちゃんは、七五三の「五」をまもる、おとぼけな男の子モルモット。

ちびもちゃんは、耳がふた葉で、まめつぶ大のちもちゃんです。

ある日、冬のちびもちゃんがあそんでいると、
目の前にはらりと桜の花びらが落ちてきました。

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見上げると、花がさき始めていました。
同時に、ちびもちゃんはへんな気持ちがし始めたのです。

この時、かれ葉のような冬のちびもちゃんの耳は、
春や夏と同じ、ふた葉の黄緑にかわってきていました。

そして、耳が花のさいたタンポポになりました。
ふた葉が一年をつうじて、花をさかせるまでになったのです。

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帰って自分に起こったことをりかいしたちびもちゃんは、
自分の成長にとても喜びました。

すると、みるみるうちに花が綿毛になって、飛んでいってしまいました。
葉は散り、ちもちゃんだった時の耳が生えたちびもちゃんは、グングンのびていきます。

もとの、ちもちゃんになったのです。

タンポポがなくなり、もどったちもちゃん、それでも、
悲しむことなく、楽しい一年間だったと、にへ顔を見せるのでした。

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